龍神ガガは言ったんです。
「自分の心に正直に行動するがね」
そしてこうも言いました。
「欲があるから人間は成長するのだよ」
そこで僕は、これをイソップ童話「金の斧」に置き換えてみました。
「金の斧」とは川の畔で木を切っていたきこりのおじいさんが誤って斧を川に落とす話です。
川から現れた神様に金の斧と銀の斧を見せられ、
「あなたの落としたのはこの金の斧ですか?銀の斧ですか?」
と尋ねられる。そこで最初のおじいさんは正直に
「私の落としたのは鉄の斧です」
と答えます。すると、
「あなたは正直者ですね。金と銀の斧もあげちゃいましょう」
でも、別の欲深いおじいさんは
「私の落としたのは金の斧です」
と答えたばかりに
「この嘘つき!!」
と自分の斧も返してもらえなかった。
早い話が「正直者は得をした」というお話です。
でも実は、龍神ガガからすれば
「どっちもビミョーに不正解だがね!」
だそうです。(しかもビミョーに不正解って)
ではこのお話を
木こり:ワカ
神様:龍神ガガ
で再現してみましょう。
「金の斧」龍神ガガバージョン、はじまりはじまり。
ある川の畔で木こりのワカが木を切り倒しておりました。
「おりゃーーーーー!」
ズドーン!
「どりゃぁーーーー!」
ズシーン!!
気が切り倒されるたびに地面が震え、草木が揺れます。
「ふう。森を生かすためには間引きは大事だからね」
ワカ木こりは額に光る汗を拭うと呟きました。
だって間引きされない森は木が弱り、 水を蓄え土を保つ力が不足してしまうからです。
ついには土砂崩れや洪水など、大きな災害の原因になることもあります。
間引きをすることは健全な森を育む大切な役割なのを、この木こりは理解していました。
「よし!!今日はあと一本切って帰ろう」
ワカ木こりは斧を手に取ると勢いよく振りかぶります。
「せーーーっの!!!」
するとなんということでしょう!
斧がするりと手から抜けて、川にボチャ!と飛び込んでしまったのです!!
「あーーーっ!!」
慌てて川辺に走り
「うわー、やっべ。これなきゃ仕事になんないのよね、参ったなあ」
困った顔で水面を覗き込んでいると・・・
突然、川がザザザっと騒めきだしたかと思うと、目の前に大きな水の壁が立ったのです。そしてそこに神々しい1柱の龍神が現れたではありませんか!?
「おまえかね、我を起こした奴は!?」
龍神ガガ、今日はいつにも増して派手な登場です。
彼は頭をさすりながら。
「何かが飛んできて、ゴツンと我の頭に当たったのだよ。痛かったのだ!!我に意地悪をしたのはおまえかね?」
「ごご、ごめんなさい!!」
ワカ木こりは驚いてガガを見上げながら謝りました。
するとガガは。
「ふん。まあ、いいがね。おやつの時間だからそろそろ起きようと思ってたがね。それよりもおまえの落とした斧って、この金の斧かね?それともこの銀の斧かね?」
そう言うと、ワカ木こりの目の前に金色の斧と銀色の斧を差し出したのです。
突然、差し出された金の斧と銀の斧。
それを見ながらワカ木こりは考えました。
「今日の金の価格っていくらだっけ・・・?不況になると金の相場が上がるのよね。金、欲しい!!」と。
「さあ、答えるがね!おまえの落としたのはどちらの斧だ!!」
はたしてワカ木こりの答えは・・・
「私が落としたのはどちらでもありません。古い鉄の斧です!でももらえるなら金の斧と銀の斧もほしいです!」
「ふむ。おまえは正直者だがね。しかも正しい欲があり、自分の心にも正直だがね」
そうガガは言うと。
金と銀の斧を差し出し。
「ちょうど落とし物の保管期限も切れとった斧だがね。おまえのこと気に入ったからこれどっちもやるがね」
そう言うと金の斧と銀の斧をプレゼントしてくれました。
「おまえのようなやつは龍神からも好かれるがね。我もこれからおまえの近くにいるがね」
そう言うとガガはまた川を気持ちよさそうに漂いながら消えていきました・・・。
龍神も神様も正直者が大好き。
でも同時に成長するための欲も大事な要素。
人を陥れようとか、傷つけようとか。
そういう気持ちでなければどんなに欲を持ってもいいんです。
バチなんか当たりませんから。
そしてそれが人間を成長されるんです。
龍神は「成長する魂」が大好きなんです!
「ちょっとっ!!鉄の斧は?あれなきゃ仕事できないんだけどーーー!!おーい!!」
静かな湖畔にワカ木こりの声が響いていましたとさ。
ガガさんらしいですね(笑)。
おしまい。
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今日もご愛読ありがとうございました!!