刹那の想い after no.2 | マリアのお部屋

マリアのお部屋

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二人で実家に戻ってから恐ろしいほどの仕事量に眩暈がする。

キョーコの幼いころの母親はそれこそ会う時間すらないほどのめまぐるしさだった。

流石に社長ともいえる人物は会社に泊まり込むほどの忙しさだったのだろう。

教えられるたびに今までの仕事と趣が違い小さく溜息をついた

「倖一さんお疲れなのかしら?」

「いいえお義母さん大丈夫です!!」

山のように積まれた書類

上場企業である最上財閥は流石に大手だと言える。

一つの事案でさえも社長の手腕で会社を大きくも小さくもする。

だから、大変だともいえる。


「少し休憩しましょう!」

「はいお義母さん!」

「なんかお義母さんと言われると変な気分ね?」

少し苦笑したような照れくさい笑みはなんだか嬉しそうだ。

娘婿としてできる限り仕事を覚えようと必死になっていた。

「あんまり根を詰めないで頂戴?私があの子に叱られるわ?」


一緒に3人が住み始めて4か月社長職というのはかねがね忙しい。

大手だからこそ、海外の情報を取り入れながら視察にもいく。

そして視察に行っている間に山積みになった書類。

これをどう片づけてたのかと思うと震えがくるほどだ。

なるほど、こんだけの事をすれば娘に逢いに行く時間も無くなるだろうと納得するほかはない。

そろそろ出産という時期流石に、おばあちゃんと言われる年でもないだろうに何故か気を使っているようだった。


「倖一さん、そろそろキョーコの診察でしょう?」

「はい!すみませんがよろしくお願いします!!」

「覚えておきなさい?あなたはできる男だから私が娘の結婚を反対しなかったって!」

時々このように重圧をかけてくる。

母としてだけではない、社長として会社を支えなければならないからだろう。

今現在は名ばかりの社長に落ち着いている自分だが、そのうち会長である義母さんの助手のような感じになれればいいなと思った。

「社長、お疲れ様でした!」

「ああ、三枝君後のことはよろしく頼む」

「かしこまりました。」


そして、車でキョーコを迎えに行くと何故か額に汗して呻いている様子だった。

「うっ・・・・・いたっ!!」

玄関に入った後聞こえた声はなぜか苦しそうで急ぎ駆け上がる。

「ちょうど・・・・よかっ・・・・・た・・・・・・いぃったぃ」

「もしかして・・・・・・・」

「うん・・・・・そうみたい」


今帰ってこれたからいいがもし診察日でなかったらと思うと冷や汗が出た。

なんて、魔が良いんだ・・・・そう思っていた。

「いいこね?ちゃん・・・・・とおとうさん・・・・・・・をまって・・・・・・・・」

お腹に手をあて摩りながら座り込むキョーコに詰め寄った。

「大丈夫か?キョーコ?」

「はい、ちょっと待ってて・・・・もうちょっとでおさまるから!!」

「いま陣痛何分?」


「えっと15分!」

「待ってていま三枝が来てるからそのまま一緒に病院へ行こう!」

「はい、ありがとうございます」


分娩室に入ると早速処理をされていた。

15分おきだったものが5分おきになりキョーコは額から汗を流していた。

「あの、倖一さんも一緒に来てください!」

分娩中そっと手を握っていた彼は、一緒に力んでふっふっはーと同じように力む。

そんな姿に緊張していた時とは違い笑みが漏れた。

「痛っ・・・・・でも面白いわ?倖・・・・一さんが生むわけでも・・・・・・・ないのに。」

「何言ってるんだ?キョーコの子供は俺の子供だよ?」

「ありがとう!」


「いたっ・・・・・・・・・いたいよぉっ・・・・・・・」

「だいじょうぶだよだいじょうぶ!!」

そういって二人は手を握り合い2時間後大きな声で大きな体の外国人?

が生まれてきた

何故か、その生まれてきた子は金髪で黒目の可愛らしい女の子だった。

「え?」

一瞬目が点になってその子をまじまじと見つめた倖一はある考えに至った。

そういえば、蓮は日本人離れしていたよな?

という思考

つまりは、蓮=外人

「あのキョーコ、知ってたの?」

「はい!たぶんこうなるんじゃないかと・・・・・・」

「そうか・・・・・・・」


もう何も考えられなくなったが、生まれた後この子は可愛らしくにっこりと倖一にほほ笑んだ。

「かわいいな?」

「そうですよ?敦賀さんの子供だからですね?」

「そうだね?でも、今日からは俺の子供だから。」

「よかった。愛せないんじゃないかって不安だったんですよ?」

「いや君の子供だしこんなに愛らしい子供今まで見たことないよ?」


二人微笑み合いながら話していた。

そこへバタバタと煩い騒音が響く

「生まれたかぁ~~~~~~~!!!キョーコ君!!」

「ローリィー社長!?」

何故か、いつも重要なところで現れるド派手な装いは病院スタッフにも多大なる迷惑をかけるのであった。


つづく