漳平水仙というお茶をご存じでしょうか。

読み方からして良くわからないという方もおられるかと思いますが「しょうへい すいせん」と読みます。

このお茶は福建省でも南の方にある漳平市というところで作られており、烏龍茶と紅茶があります。単に漳平水仙と言った場合は烏龍茶を指します。

普通の烏龍茶の茶葉は大きく2つの形状に分けられ、縒れて細長い形(条形)か、小さい粒の形(顆粒形)をしています。

縒れて細長いのは岩茶や鳳凰単叢、小さい粒の形は鉄観音や黄金桂が有名ですね。

この漳平水仙の面白いところは、そのどちらでも無く、四角く固められた形をしているのです。

この固められているお茶は黒茶では色々あるのですが、烏龍茶の伝統的な製法としては唯一漳平水仙のみです。

実際、どのような形かというと、下の写真のように四角く薄べったい形をしています。

この紙で包まれているのも特徴的です。この紙も良い匂いがしますよ。

前置きが長くなりましたが、今回はこのお茶の淹れ方をご紹介します。

 

この塊、餅と言いますが、1個で8g~12gくらいでばらつきが有ります。

8g~12gだと結構な量で、しかも漳平水仙は煎も保つため、一人でゆるゆる飲んでいると1日中飲み続けられます。

何人もで飲むならいざ知らず一人でそんなに飲み続けるのはいくら美味しいお茶でも飽きてきます。

というわけで、茶葉の量を調節したいのですが、餅茶なのでできない!なんてことは有りません。

漳平水仙の餅はそこまで固くないので手で割ることが出来ます。

このとき気をつけて頂きたいのは、なるべく茶葉に沿って塊を崩すことです。

茶葉が組み合わさって固まっているので難しいのですが、葉や茎が折れたところは抽出が早くなりますので、なるべく折らないように崩します。

今回はこんな形で崩しました。1/3くらいですね。

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通常、150ccくらいの蓋碗で1個の漳平水仙を淹れますが、そうすると1g当たり18.75cc~12.5cc程度。

とは言え、そのままのバランスよりは、少し多めのお湯で淹れて、抽出時間は気持ち短めにした方がうまく出せるようです。

このときは1/3で3gくらいを80~90ccで、時間は普段と同じ感じで淹れてました。

多少味は薄めでも香りは十分でしたが、6回出したくらいで終わりです。

----追記ここまで----

 

この崩した茶葉にお湯を注ぎますが、このとき気をつけるのがお湯の温度。

90~100℃くらいで淹れます。

やはり湯温が高いと香りの立ち方が一層華やかになります。

 

お湯を注ぐと、なんと不思議(そんなことはない)、この塊が浮いてしまいます。塊の中に有る空気のせいでどうしてもぷかぷかお湯に浮いてしまうのです。

その場合は、蓋碗なら蓋で、急須やティーポットの場合は箸やスプーンなどでお湯に沈めてやってください。

数十秒くらい沈めたら、お湯を捨てましょう。

1回目は洗茶と言って、茶葉についている埃などを洗い流します。

茶杯に注いで温めるのに使うとl現地や茶芸っぽくて良いですよ。

 

飲むべき2回目のお湯も90~100℃。

2回目くらいだとまだ浮いてたりするので注意してください。まだ浮いてるので有れば沈めてやりましょう。

沈めて数十秒でお茶を茶海(ピッチャーみたいなもの)か、ティーカップに注げばできあがり。

素晴らしい香りと一緒に味わってください。

後は香りや味が無くなるまで、お湯を注ぐ→飲むを繰り返すだけです。

ゆったりと楽しみましょう。


 

最後に何回か淹れた後の茶葉ですが、このように膨らみます。

あんな少しの塊でもこんなに膨らむのですから面白いですね。

 

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