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日だまりの本棚

日頃読んでいる本の感想を書いています。
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鹿の王にして、犬の王は誰か?鹿の王(作:上橋菜穂子)

上橋菜穂子さんの、獣の奏者以来の新書です。

この作品は物語の進行が静かに厳粛に進んでいきます。派手でわかりやすい見せ所はとても少ないです。

上巻では足りなかったラブ成分が、下巻で無事補充されるのでホッとしました。
男臭くて獣いっぱいでややこしい情勢と、とある病の流行でだいぶ殺伐としてるんです。
もちろん、上巻にも、ミラルさんという数少ない女性キャラは出てきているんですけれど。
彼女は自分自身で自分を日陰の女に追いやっちゃってるタイプなので。女として自信ない部分を、仕事で代替して自信を補完した女子です。今で言うこじらせ系?

ええい、男を置いてきぼりにしないで、ちゃんと女の幸せも掴め。研究も大事だけど、コンプレックスと向き合うのも大事だ。しっかりしろ!!!

と、超いらないお節介エールを繰り広げてしまったりw

サエさんという女の人も出てくるのですが、こちらは薄幸そうに見えて、生きてく力が強いです。彼女の存在が下巻に柔らかさを出してくれています。
クライマックスで力強く自分のやりたいことを宣言して、幸せを掴むために旅立ててしまう身軽さに感動しました。

と、だいぶ物語の主軸からズレてますが。

当初の獣の奏者も同じような形でしたが、そこで終わりなんですか!?えっ!?という終わり方します。
ちゃんと風呂敷畳んでくれたのは有難い話ではあるとしても、悪い部分として強化されちゃってるな~と。

ファンタジー医療系なので、物語の世界の医療の説明に文章を割きすぎて風呂敷がデカくなり過ぎ。

風呂敷使うには中身がいりますが、重箱が小さいのに用意した風呂敷だけデカ過ぎて重箱が埋れてぶかぶかになっちゃってるなあと。

たぶん続編出るんじゃないのか。そしてブツブツ文句行ってる割にきっと買いますが(´・Д・)」


王様というと、誰もが想像してしまう王様の理想形があります。
でも、今回の王様はそういうわかりやすい王様ではありません。

上に書いたとおり、欠点も持ち合わせている物語です。それでも、ページを先に進ませる時のドキドキする気持ちは変わりませんでした。後に戻って噛み含めるように読みたくなる、不思議な本でした。

鹿の王がどんな意味を持っているのか。
そして犬の王が何を表しているのか。

気になる人は本をとって見てください!