私が選んだスペクトラム支援の名言(その13) | ティーチみやぎの「活動ブログ」|自閉症の子どもの自立支援

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宮城県仙台市を中心に、ティーチプログラムを活用して自閉症の子どもの自立支援を行っております。アメブロには、日々のティーチみやぎの日々の活動を記録して参ります。

「42歳になってもまだ発達すること、絶対にあの子たちは

一生あきらめてはいけないということを・・・」

 

この言葉には続きがある。「この頃、彼が見せてくれています。しかしこの発達には過去にどのような働きかけをしたかだと思います。私は自分が死ぬまであの子の発達は止まらないんだと思って環境をつくって、その中で努力していきたいなと思っております。」

すごく重みのある言葉で、これは10数年前、日本自閉症協会で主催した座談会「自閉症の人たちの適応を良くした親たち」の紙面発表で、当時42歳のスペクトラム青年の保護者である須田さんの発言の一部です。

時々「子どもは育つもの、子供の育ちを信じ、見守ることが大切」という言葉を耳にすることがあります。これはなるほどと、うなづける言葉です。ただし定型発達の子の場合なら、結構、納得・・・しかしスペクトラムの子の場合は納得いかない。

須田さんの言葉の続きに、「発達には過去どのように働きかけをしたかだと思います」とあるように、その時々の適切な働きかけ、これが1つ目のキーポイントではないだろうか?適切な働きかけをしないで、ただ見守っているだけでは全く不十分。2つ目は「環境をつくって」つまり、保護者(サポートする人)自身が、子どもにとって分かりやすい環境をつくること。3つ目は「その中で努力していきたい」とあるように、保護者は常に努力(勉強)しながら子育てすることではないだろうか?

今やれることに最善を尽くす、結果はすぐに出ることもあるが、何年も後に出てくるかもしれない。小学校に入って伸びたのは、幼児期に丁寧な子育てのおかげかもしれない、成人期に伸びたのは、中学校の時、あの先生と頑張ったおかげかもしれない。

成人期のスペクトラムの方々と接すると、何歳になっても成長が見られる、これは多くの人の実感だと思う。改めて「42歳になってもまだ発達すること、絶対にあの子たちは一生あきらめてはいけない・・・」の言葉をかみしめたい。