木の枝や背の高い草のてっぺんに止まる鳥。
風に揺られても、風に流されても、うまい具合にとまるもんだ。
一目見て、しっかりしていそうな梢もあるが、
枝の先のほとんどは、細く風になびくほどに頼りない。
でも、鳥はなんの迷いもなく目指す枝にとまる。
その枝が、自分の重さで撓むとか折れるとか、そんなことはないいないだろう。
〜っていうようなクォートを読んだことがある。
確かにそうだ。
風が強く枝先が揺れていても、スーッと止まる鳥。
雀ならまだしも、烏でさえ枝の強度なんて気にしないようだ。
その枝は、たとえ撓っても、自分を支えてくれると信じているから。
そう、知っているから。
春分の日、朝日は温かく、しかし風は強く、空き地の雑草は風に追われて背を低くする。
この風も、風が吹き渡る空き地も、そよぐ草木も、たとえ私が明日この世を去っても、
このまま、ここにあるんだ。
鳥が、枝を信じて、自分を支えられることを知っているように、
私が、また誰がここを去っても、明日はまた同じように
空き地に風が吹き、鳥は梢に止まる。
それでいい。
地球が平和なら、それでいい。
〜 明日は明日の風が吹く〜
〜終わり〜