(旅行顛末記①から続く)
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新宿からJR中央線に乗り換え、東京へと向かう。
新幹線の利用は2年ぶりになる。
中央線を降りて、東海道・山陽新幹線のホームへと歩く。
なんとなく、つかみにくい新幹線の改札口。
でも、なんとなくでもたどり着けてるのが面白いと思う。
新幹線内で朝食を摂ることを考えて、軽食と飲み物を購入して
改札口で切符を通しホームに向かう。
エスカレータを上ると、向かいのホームにN700Aの列車が出発
を待っているところだった。
今回は、最後尾の16両目の座席だったので、東京駅の端へと歩
くことなる。
上った階段が6両目あたりになり、16両もの車両が止まるホー
ムは当然長く、結構歩くことにはなった。
乗車位置までやってくると、その場に並び、目の前の新幹線車
両を見ながら、車両の中を歩く人たち、また、周囲に並んでい
る人たちの動くを目で追って時間をつぶす。
5分ほどして、乗車する車両がやってきた。
ほとんど新幹線に乗らないから、車内清掃待ちかなと思ってい
たが、車庫から出庫してきたばかりの車両で、そんな待ち時間
なく乗車できることに戸惑ったりして、よほど利用していない
人だと露見するのだけど…。
指定の座席に座る。
意外と人が多いことに驚く。
会社勤めの人が多いだろうと思っていたが、旅行目的のカップ
ルや仲間、それに親子もちらほらといて、少し驚く。
新幹線の出発時刻にあり、かすかに聞こえる出発の音。
隣に会社勤めの方が座り、しばらく、朝食を摂ってから、会社
のPCを開き仕事を始められる。
そんな横で自分は、あらかじめ持ってきていた書籍を開き、読
み耽ることにした。
先にも書いた通り、空は曇天模様で車窓の景色もそこまで期待
していなかったので、書籍を読むことに切り替えた。
(といっても、車窓を眺めるほうが多かったのは言うまでもない)
新幹線に乗車して2時間余り、気付くと新大阪まで来ていた。
繰り返しになるが、京都から先の山陽方面への移動するは初めて
であり、そのうえ、新大阪駅に来るのも初めてだった。
幼い頃に、大阪にはよく連れて来ていたと亡き両親が話していた
けれど、そんなときの記憶があるはずもないので、目にする光景
は、恥ずかしながら初めてで喜んでしまった。
ふと、今日は給与の支給日だと思いだす。
普段の自分は、会社では人事部で給与厚生の仕事に携わっていて、
無事に支給できただろうか、問題ごとが発生していないかなと会
社の携帯をチラチラと見ながら、流れる車窓を眺めている。
(せっかくの旅行なのに、会社から支給の携帯を持って出かけてし
まうとは、なんだかなぁ…と苦笑したのはお約束だろう。)
とにかく広島まで、しばらく本を読みつつも、車窓から外を眺め
ることにしよう。
新大阪を出てから数10分ほどが過ぎる。
新神戸まではトンネル区間を走行するため、外を見ることなく、
たまにトンネルが途切れて外が見えても、西に進むほど雲が厚く
なっている気がした。
何かする時は天気の悪さがついて回るようになった。小学生から
高校生までは、行事が雨が降って流れた経験が1回しかなかった
のにと思いながら、これも今の方が徳がないからかと脱力。
さて、大阪から山陽方面に西へ進む光景は初めて見るものの、
やはり日常と変わらないな、とぼんやり外を眺めて思った。
幾分か、山が近くにあったり海が望めたりするので、日常とは異
なることは理解しているので、不思議な感覚だ。
岡山の停車では、岡山にも来たことがなかったので、今度は訪れ
てみたいと思った。
さて、そうこうしているうちに広島に到着した。
初めて訪れる土地で、田舎者丸出しの自分。
あちらこちらを珍しそうに見回しながら、駅の改札を目指した。
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(旅行顛末記③に続く)


