スペインの初優勝により、1か月の南アフリカワールドカップが閉幕しました。
ドイツの占いタコとして有名になったパウル君の画像です。

ドイツの全試合と、決勝戦でのスペインの優勝をすべて的中し、スペインが国をあげてパウル君を引き取ろうとしているとかいないとか。なにせ、準決勝でスペインにドイツが負けることを予想して的中してしまい、料理にされるところだったから。私は、ワールドカップ期間中はタコを食べるのをさすがに控えましたよ(笑)。だって、スペインは準決勝までダメな試合ぶりで、パウル様にお祈りするしかなかったから。
さて、スペインの優勝で、以前少し調べたことがあった、スペイン国歌の歌詞問題について整理してみました。
スペインの試合を観ていた人は、何か違和感を感じませんでしたか。スペイン代表の選手は、国歌斉唱の時にみんな口を閉じて聴いてるだけですよね。日本だったら非国民扱いされかねません。スペイン代表選手はバルサのカタルーニャ人が多いから、スペインに忠誠しているのではないぞ、という意思で歌わないのでしょうか。
そうではありません。スペイン国歌は、世界でも珍しい、歌詞がない国歌なのです。いや、厳密にいえば、「公式な歌詞がない」のです。
スペイン国歌の歴史について、簡単に概要を押さえておきましょう。
■成立と経緯
正式名:国王行進曲(Marcha Real)
成立年:1761年
元々「国歌」として作曲されたのではなく、1770年当時のスペイン国王のカルロス3世(CarlosⅢ)が、「擲弾兵(てきだんへい)行進曲」を王室の公式な行事や儀式で演奏することに決め、次第にスペイン国民が国歌としてみなすようになり、「国王行進曲」と呼ぶようになったそうです。作曲者は不明で、歌詞は最初からありませんでした。
一時期「国王行進曲」が演奏されない時期がありました。スペイン第二共和政の頃です。スペインの歴史について詳細は記載しませんが、スペインでは王制を打倒して共和制をしいた次期が2回ありました。第二共和政は1931年から1939年までです。第二共和政の間は「リエゴ賛歌」が演奏されましたが、詳しくは触れません。
1939年に極右政権のフランコ将軍がクーデターを起こして政権を奪取してから、フランコは「国王行進曲」を元の「擲弾兵行進曲」に名前を戻して国歌としました。
■歌詞について
実は、歌詞がつけられて歌われた次期が2回あります。アルフォンソXⅢ世時代とフランコ時代です。
以下に紹介します。
1.アルフォンソXⅢ世時代の歌詞(1886 - 1931)
Gloria, gloria, corona de la Patria,
soberana luz
que es oro en tu Pendón.
Vida, vida, futuro de la Patria,
que en tus ojos es
abierto corazón.
Púrpura y oro: bandera inmortal;
en tus colores, juntas, carne y alma están.
Púrpura y oro: querer y lograr;
Tú eres, bandera, el signo del humano afán.
Gloria, gloria, corona de la Patria,
soberana luz
que es oro en tu Pendón.
Púrpura y oro: bandera inmortal;
en tus colores, juntas, carne y alma están.
翻訳する力がないので、Wikipedia を参照してください。
WIKIPEDIA
YOUTUBEで視聴できます。
2.フランコ独裁政権時代(1939 - 1975)
¡Viva España!
Alzad los brazos, hijos
del pueblo español,
que vuelve a resurgir.
Gloria a la Patria que supo seguir,
sobre el azul del mar el caminar del sol.
¡Triunfa España!
Los yunques y las ruedas
cantan al compás
del himno de la fe.
Juntos con ellos cantemos de pie
la vida nueva y fuerte de trabajo y paz.
翻訳は上記のWikipedia のリンクにあります。
YOUTUBEで聴けます。最初に歌詞がないバージョンが演奏され、次にフランコ独裁バージョン、そし
て最後にジョークも含まれますが、気にしないでください。
※動画は私が制作したものではありません。
FRANCO時代
両方とも、現在の自分が聴くと、すごく窮屈に感じますね。ちょっと暑苦しい、男らしい歌詞です。
■民間から歌詞を募集
2007年には、スペインのオリンピック委員会が一般人から歌詞を募集し、歌詞をつけようとしたことがあります。しかし、選ばれた歌詞はフランコ時代を彷彿させるもので、またありふれたものだったため国民の反対が多く、結局国歌に歌詞をつける話はお流れになりました。フランコ時代を彷彿させたのは、出だしの「¡Viva, España !(スペイン万歳)」だそうですが、直接すぎて私もイマイチだと思います。「日本万歳!」なんて歌うのは、愛国心があってもイヤですね。さて、お流れになった歌詞です。
¡Viva España!
Cantemos todos juntos
con distinta voz
y un solo corazón
¡Viva España!
desde los verdes valles
al inmenso mar,
un himno de hermandad
Ama a la patria
pues sabe abrazar,
bajo su cielo azul,
pueblos en libertad
Gloria a los hijos
que a la Historia dan
justicia y grandeza
democracia y paz.
スペイン万歳!みんなで心を一つにして歌いましょう。
自由、平和、民主主義を愛しましょう。
ということが書かれています。
■冗談バージョン
子ども達が歌っていたそうです。アホな歌詞です。
Franco, Franco
que tiene el culo blanco
porque su mujer
se lo lava con Ariel
フランコ将軍、フランコ将軍
お尻が真っ白
だって奥さんが
アリエールで毎日お尻を洗ってるんだもん
アリエールは日本でも売っている洗剤の名前です。私がスペインで暮らしていた頃、聴いたことはなかったのですが、4,5歳上のスペイン人の友人と知り合いはこの歌詞を知っていました。本当です。もっとも、私は子供のころからぼんやりした人だったので、気づかなかっただけかもしれません。
でも、なんでアリエールなんだろう。ワハハ
私がスペインで暮らした時代は、フランコが亡くなり、民主化した後のスペインでした。民主化してまだ7年ほどしか経っていない頃です。そのせいなのか、私がぼんやり屋だったからか、スペイン国歌を何度も聞かせられた記憶はありません。マドリッドに住んでいたので全くないはずはないのですが、記憶にありません。
スペイン国歌は歌詞がないものと今までずっと認識していたので(上記の2つの歌詞はなんと初めて知りました)、歌詞をいきなり見せられても、取って付けたように感じます。しかも、国家の権力が強く、独裁時代の窮屈な時代の歌詞だから尚更抵抗を感じます。
また、オリンピック委員会が公募した歌詞も、当たり障りのない内容で愛着が持てません。国歌というものは、国民に定着するには長い年月を経てフィルタリングされ、意味は分からずとも口ずさめるようにならないと歌えるものではないと感じました。他の国の国歌でも、帝政時代の昂揚させるような歌詞のもありますが、すでに過去の遺物として冷静に受け止められているのではないのでしょうか。スペイン国歌は今ままで通り、歌詞のないままでいて欲しいですね。曲だけの方が、人により色んな受け止め方ができるのでかえって良いかもしれません。
ドイツの占いタコとして有名になったパウル君の画像です。

ドイツの全試合と、決勝戦でのスペインの優勝をすべて的中し、スペインが国をあげてパウル君を引き取ろうとしているとかいないとか。なにせ、準決勝でスペインにドイツが負けることを予想して的中してしまい、料理にされるところだったから。私は、ワールドカップ期間中はタコを食べるのをさすがに控えましたよ(笑)。だって、スペインは準決勝までダメな試合ぶりで、パウル様にお祈りするしかなかったから。
さて、スペインの優勝で、以前少し調べたことがあった、スペイン国歌の歌詞問題について整理してみました。
スペインの試合を観ていた人は、何か違和感を感じませんでしたか。スペイン代表の選手は、国歌斉唱の時にみんな口を閉じて聴いてるだけですよね。日本だったら非国民扱いされかねません。スペイン代表選手はバルサのカタルーニャ人が多いから、スペインに忠誠しているのではないぞ、という意思で歌わないのでしょうか。
そうではありません。スペイン国歌は、世界でも珍しい、歌詞がない国歌なのです。いや、厳密にいえば、「公式な歌詞がない」のです。
スペイン国歌の歴史について、簡単に概要を押さえておきましょう。
■成立と経緯
正式名:国王行進曲(Marcha Real)
成立年:1761年
元々「国歌」として作曲されたのではなく、1770年当時のスペイン国王のカルロス3世(CarlosⅢ)が、「擲弾兵(てきだんへい)行進曲」を王室の公式な行事や儀式で演奏することに決め、次第にスペイン国民が国歌としてみなすようになり、「国王行進曲」と呼ぶようになったそうです。作曲者は不明で、歌詞は最初からありませんでした。
一時期「国王行進曲」が演奏されない時期がありました。スペイン第二共和政の頃です。スペインの歴史について詳細は記載しませんが、スペインでは王制を打倒して共和制をしいた次期が2回ありました。第二共和政は1931年から1939年までです。第二共和政の間は「リエゴ賛歌」が演奏されましたが、詳しくは触れません。
1939年に極右政権のフランコ将軍がクーデターを起こして政権を奪取してから、フランコは「国王行進曲」を元の「擲弾兵行進曲」に名前を戻して国歌としました。
■歌詞について
実は、歌詞がつけられて歌われた次期が2回あります。アルフォンソXⅢ世時代とフランコ時代です。
以下に紹介します。
1.アルフォンソXⅢ世時代の歌詞(1886 - 1931)
Gloria, gloria, corona de la Patria,
soberana luz
que es oro en tu Pendón.
Vida, vida, futuro de la Patria,
que en tus ojos es
abierto corazón.
Púrpura y oro: bandera inmortal;
en tus colores, juntas, carne y alma están.
Púrpura y oro: querer y lograr;
Tú eres, bandera, el signo del humano afán.
Gloria, gloria, corona de la Patria,
soberana luz
que es oro en tu Pendón.
Púrpura y oro: bandera inmortal;
en tus colores, juntas, carne y alma están.
翻訳する力がないので、Wikipedia を参照してください。
WIKIPEDIA
YOUTUBEで視聴できます。
2.フランコ独裁政権時代(1939 - 1975)
¡Viva España!
Alzad los brazos, hijos
del pueblo español,
que vuelve a resurgir.
Gloria a la Patria que supo seguir,
sobre el azul del mar el caminar del sol.
¡Triunfa España!
Los yunques y las ruedas
cantan al compás
del himno de la fe.
Juntos con ellos cantemos de pie
la vida nueva y fuerte de trabajo y paz.
翻訳は上記のWikipedia のリンクにあります。
YOUTUBEで聴けます。最初に歌詞がないバージョンが演奏され、次にフランコ独裁バージョン、そし
て最後にジョークも含まれますが、気にしないでください。
※動画は私が制作したものではありません。
FRANCO時代
両方とも、現在の自分が聴くと、すごく窮屈に感じますね。ちょっと暑苦しい、男らしい歌詞です。
■民間から歌詞を募集
2007年には、スペインのオリンピック委員会が一般人から歌詞を募集し、歌詞をつけようとしたことがあります。しかし、選ばれた歌詞はフランコ時代を彷彿させるもので、またありふれたものだったため国民の反対が多く、結局国歌に歌詞をつける話はお流れになりました。フランコ時代を彷彿させたのは、出だしの「¡Viva, España !(スペイン万歳)」だそうですが、直接すぎて私もイマイチだと思います。「日本万歳!」なんて歌うのは、愛国心があってもイヤですね。さて、お流れになった歌詞です。
¡Viva España!
Cantemos todos juntos
con distinta voz
y un solo corazón
¡Viva España!
desde los verdes valles
al inmenso mar,
un himno de hermandad
Ama a la patria
pues sabe abrazar,
bajo su cielo azul,
pueblos en libertad
Gloria a los hijos
que a la Historia dan
justicia y grandeza
democracia y paz.
スペイン万歳!みんなで心を一つにして歌いましょう。
自由、平和、民主主義を愛しましょう。
ということが書かれています。
■冗談バージョン
子ども達が歌っていたそうです。アホな歌詞です。
Franco, Franco
que tiene el culo blanco
porque su mujer
se lo lava con Ariel
フランコ将軍、フランコ将軍
お尻が真っ白
だって奥さんが
アリエールで毎日お尻を洗ってるんだもん
アリエールは日本でも売っている洗剤の名前です。私がスペインで暮らしていた頃、聴いたことはなかったのですが、4,5歳上のスペイン人の友人と知り合いはこの歌詞を知っていました。本当です。もっとも、私は子供のころからぼんやりした人だったので、気づかなかっただけかもしれません。
でも、なんでアリエールなんだろう。ワハハ
私がスペインで暮らした時代は、フランコが亡くなり、民主化した後のスペインでした。民主化してまだ7年ほどしか経っていない頃です。そのせいなのか、私がぼんやり屋だったからか、スペイン国歌を何度も聞かせられた記憶はありません。マドリッドに住んでいたので全くないはずはないのですが、記憶にありません。
スペイン国歌は歌詞がないものと今までずっと認識していたので(上記の2つの歌詞はなんと初めて知りました)、歌詞をいきなり見せられても、取って付けたように感じます。しかも、国家の権力が強く、独裁時代の窮屈な時代の歌詞だから尚更抵抗を感じます。
また、オリンピック委員会が公募した歌詞も、当たり障りのない内容で愛着が持てません。国歌というものは、国民に定着するには長い年月を経てフィルタリングされ、意味は分からずとも口ずさめるようにならないと歌えるものではないと感じました。他の国の国歌でも、帝政時代の昂揚させるような歌詞のもありますが、すでに過去の遺物として冷静に受け止められているのではないのでしょうか。スペイン国歌は今ままで通り、歌詞のないままでいて欲しいですね。曲だけの方が、人により色んな受け止め方ができるのでかえって良いかもしれません。