今朝の北海道新聞に道議会の政務活動費に関する記事が掲載されていましたので、小樽市議会の政務活動費の実情と私の所感を述べさせていただきます。

まず、政務活動費はそもそもは政務調査費と呼称され、調査研究に資するために必要な経費として規定されていました。昨年の地方自治法改正によって、政務調査費を政務活動費と呼称を改め、「使途の透明性の確保に努めるものとする努力義務」を設けた上で、使途の範囲を調査研究とその他の活動と拡大されました。

今回の道新の記事によれば、道議会の事務局案では、議員一人に月43万円とする政務活動費の支出に新たに、「あいさつ、会食やテープカットだけの会合に出席する際の交通費」、「起工式や竣工式に出席する際の交通費」、「NPO法人の会費」、「意見交換を伴わない会合の参加費」、「議員が行う研修会、後援会の経費」、「議員が行う要望陳情活動や住民相談活動などの経費」などが認められるとのことのようです。

さて、小樽市議会の場合ですが、まずは何度も共有させていただいておりますが、議員一人あたりの政務活動費に関しては年額18万円(月1万5,000円)です。

使途については、
▲「旅行に伴う交通費・宿泊費は領収書のある実費分」を対象。
▲「日当・飲食代」は不可。
▲「近距離のJR・バス代は使途目的が明らかな場合には疎明書で可。ただし実費分」。
▲「駐車料金・タクシー代、バイパス料金、市外の移動に伴う自動車等の燃料費」は使途目的が明らかな場合には可。
▲「市内の移動に伴う自動車等の燃料費不可」。
▲「人件費を計上する場合は、必要に応じ給与台帳ほか法定の調書を備える」。
▲「自宅で購読している新聞の購読料、自宅電話・携帯電話の通話料、祝儀袋・香典袋、議員会内部会議での飲食代」は不可。▲「広報誌は会派の活動であると認められる場合には可とするが、議員個人のものと特定できるものは原則不可」
▲領収書は気知恵の印紙を貼付したものを提出するものとする
などと定められています。

昨年の自治法の改正を受けて、小樽市議会の12月定例会で、政務調査費の交付に関する条例を改正いたしましたが、呼称を政務活動費と改めたことと、新たに、使途の透明性の確保に努めるとの文言を追加するのみとしました。使途の範囲拡大はしておりません。

そもそも年額18万円での支出ですが、範囲を拡大したところで18万円内で収まるものではございませんし、現状住民の皆様から理解を得られると思いません。さらに、あえて透明性の確保と文言を入れましたが、小樽市議会では領収書の添付と一切の公開(議会事務局にて閲覧可能)を行っておりまして、そもそも今回の改正は道議会など大きな議会が対象となっているものと判断しています。

従前から述べておりますが、私としては、議員報酬が41万円という額そのものが住民の皆様から理解が得られないという認識です。この41万円ばかりが踊っており、住民の皆様から「高給取り・税金ドロボー」と言われることもありますし、実際、この立場になる前は私も同じ考えでありました。

しかし、いざ中に入って活動してみると、この金額がそのままポケットに入っているのであれば言われても致し方ないと思っていますが、内情をお話しますと、この41万円から国保・道市民税・年金を差し引いた手取りは30万円あるかないかでありまして、ここから日々の活動費を支出しており、生活費にすると高給取りと言われることは全くございません。結局、活動すればするほど生活費を削っていくということにもなっていますから。

報酬の中から活動費を捻出していると、どの活動にいくら使ったのか、いわゆる使途が不明な状態でありまして、私も情報共有と強く訴え活動報告をしていますが、全市民の皆様と共有出来ているわけではございません。であるならば、市議会議員の報酬を最低限の生活を担保する程度にしてもらって、政務活動費の限度を増額し使途の範囲を広げてもらった方がより透明性が図られると考えています。活動していれば政務活動費で支出されますから。

しかし、報酬を引下げて政務活動費を引き上げるということにも、中々理解が得られないの現状であると思っています。それであれば、まずは現状で、いかに市民の皆様のためになる活動を行い、その情報共有をさせていただくかが重要であると思っています。

議員を減らせ、報酬を減らせ、そういった声ばかりが聞こえてきますが、これは政治家があまりにも住民の皆様と情報共有し信頼されてこなかった結果であると思っています。まだまだ微力ではありますが、この議員定数や報酬などを含めて、ただ削減すれば良いという議論ではなく、この国や町のために役所をチェックし政策提言を行っていくためには議会が必要であり、その中でこの議員数と活動費が必要になるのではなどという考えで議論出来るようになれればと考えています。