昨日の私の一般質問の質問と答弁を掲載させていただきます。私に与えられた時間は、議員1人5分×会派の人数(一新小樽4人)で20分となっていますが、今回は予定時間をオーバーしてしまいました。質問の途中、他の議員さんから議場から注意を受けたり、議長にもその旨を教えて頂いたこともあり、最後の部分では予定していた原稿を省いて質問のみとさせて頂きました。

会派制をとっている小樽市議会の一般質問では、議員1人に与えられた時間は5分のみで、会派をつくらなければまとまった時間を得られないのが現状です。さらに無所属議員一人だった場合は、本会議の代表質問は出来ませんし、その後の委員会審議には加わることが出来ないというのがルールとしてあります。

質問をさせて頂くたびに質問時間が短いなと思うのですが、現在のルールでは致し方なく、そのルールは大人として議員として守るのが鉄則でしたので、今回の時間オーバーは反省しています。しかし、時間が少ないからそれに沿ったままでいいのかというと、そうではございません。活動して市民の皆様から声を頂けば頂くほど質問の時間が短いと感じますので、より民意を議会や市政に反映させるためには、もう少し時間を長くしていかないといけないと感じています。ルールは守るものですが、そのルールを変えてより議論が出来る議会にしていくことが必要なのだと感じています。

以下、質問と答弁となります。

一般質問致します。

  1.一連の不祥事及び懲戒処分について  市民と行政をつなぐ役割を担う小樽市のホームページのトップページには、市役所からのお知らせとして、9項目が掲載されています。大変残念なのは、この半分が市の不祥事に関連したもので、上から順に、「児童買春容疑による職員の逮捕について」、「国庫支出金返還金に係る支出事務の遅滞について」、「飲酒運転による職員の逮捕について」、「生活保護に関する公文書等の流出について(お詫び)」と掲載されています。

   中松市長就任時のパーティー券事件に始まり、中松市政下で不祥事が連続して発生していますが、私は、これらの一連の不祥事は、中松市長だけの責任ではなく、長年の体制が根源であると考えます。中松市長が、市民力の活用、市民と恊働と訴えても、市役所の体制と一部の職員による不祥事が相次ぐことで市民の信頼を次々に失い、日頃真面目に働く職員までも同様に見られ本当にいい迷惑であります。記者会見があるごとに、中松市長は頭を下げお詫びすることとなり、一番ご苦労され、頭を悩ませ、心身ともに大変お疲れであるものとお察しします。

   11月8日には、この状況を非常事態と認識され、幹部職員を議事堂に集め、異例の訓示を行い、檄を飛ばされました。パーティー券事件発覚当初は、市長の記者会見での対応は、「分からない」、「知らない」と誠実さにかけ、その対応がさらに市民の不信を招いていたと思いますが、この後の不祥事の対応に関しては誠実に対応されていると思います。そして、市長として、責任を重く受け止め、市民の信頼を得るために市内外を動き、人柄の良い中松氏が少しずつ浸透してきていると感じています。

   が、しかし、消しても消しても不祥事という火がすぐに起こり、多くの市民の方々には信頼よりも不信が募る状況であると言わざるを得ません。これらの不祥事は、現在の中松市長の下で起こってしまいましたが、前市長下で育まれてきた結果であると考えます。一つ一つの不祥事に関しては、これまでの議会で何度も取り上げられていることから避けますが、不祥事が立て続けに発生してしまうこの体制についていくつか伺います。

   ①連続して発生した不祥事の原因は一体何であると認識されていますか。
 
 【市長答弁】日頃の業務における責任感の欠如や上司のチェックの甘さ、さらには、条例等を守る意識の希薄さなどに起因していると考えております。
 
 ②児童買春と飲酒運転については個人の問題かと思われますが、業務における不祥事は、個人が起こした問題でもあります。それをチェック出来なかった上司はもとより、この組織体制に問題があると考えますが、市長のお考えをお聞かせ下さい。

   【市長答弁】これまでも、法令の遵守や信用失墜行為の禁止など、服務規律の保持や業務上の事故防止については、機会あるごとに注意を喚起し、自覚を促してきたところでありますが、残念ながら不祥事が発生いたしました。これら不祥事の発生原因につきましては、先ほどお答えしたとおり、必ずしも組織体制に問題がるとは考えておりません。
 
 ③市長は、ことあるごとに「業務事故防止の指針の内容を各職場ミーティングや職場研修の中で取り上げるなど、職員の意識改革に取り組んでまいりたいと」と述べられていますが、不祥事が繰り返されている以上、市長の思いはないがしろにされていると思われます。職場内で解決しようにも限界があると思われますが、市長の率直な気持ちをお聞かせ下さい。

   【市長答弁】不祥事の発生を防止するためには、職員一人一人が、公務員としての自覚を持ち、常に我が身を振り返ることを忘れないことや、「業務事故防止の指針」の内容を各職場のミーティングや職場研修の中で取り上げること、さらには、私生活においても法令遵守を徹底することなど、地道に職員の意識改革を図ってまいりたいと考えております。
 
 ④私は、市の職員がずっと同じ市役所の中にいることが、このような事態を招いている一つの要因であると感じています。国は、高度の専門性や多様な経験を持つ人材を確保することを目的に、民間人材の中途採用、官民人事交流、任期付採用などの制度を整備しました。小樽市でも平成21年度から社会人経験者の中途採用を行ってきていますが、官民の人事交流で、一時的に別の組織に入ることで広い視野を持ち新たな感覚を養ってもらうなどの取り組みをしてはどうかと考えます。民間企業経験者の中途採用のほか、官民人事交流を導入してはどうでしょうか。

   【市長答弁】民間企業経験者の採用につきましては、過去に社会人枠として数回実施し、10名の採用を行っております。数年前からは、採用試験の年齢要件を拡大し、事務職等で卒業後10年までの受験可能とすることで、民間企業経験者へ道を開いております。毎年、数名程度採用してきております。また、官民人事交流につきましては、国地には「国と民間企業との間の人事交流に関する法律」が制定されておりますが、地方自治体においては法整備がされていないことから、現時点で実施することは困難であります。  不祥事を起こした職員を個人攻撃するつもりはございませんが、これら一連の不祥事に関する処分に対し、市民の方々から大変厳しいお声を頂きましたので、2点だけ質問させて頂きます。
 
 ⑤大変大きな問題である児童買春と飲酒運転に対する処分については市民の方が注目されていました。この2件の事案のうち、飲酒運転に関しては、福岡市での問題で「原則懲戒免職」とした自治体が処分基準の見直しとする動きがあるとともに、今回は人身事故を起こしておらず、最高裁で免職は過酷として判決の取り消しが確定していることも踏まえると最大の処分になったと思っています。一方で、性犯罪行為に関しては、他都市の事例を見ると、停職6月や免職という懲戒処分も下されている自治体もあるようですが、今回の市長の判断についてお考えをお聞かせ頂きたいと思います。
 
 【市長答弁】本市では、国に準じて指針を定め、その標準的量定では「免職又は停職」としており、職員分限懲戒審査委員会において、その標準的量定を基に、職員の職責、過去の非違行為の有無のほか、本市や他都市の事例なども勘案し、総合的に判断されたものであり、私といたしましては、停職6か月の懲戒処分が妥当であると判断したところであります。
 
 ⑥公の精神を持って市と市民の生活を守ることを第一義とする公務員が、法を犯し、市と市民に迷惑をかける結果となりました。市民の方からの厳しいお声というのは、「社会的に重い事件であったのに、また職場に戻って来れるんだ」、「いいね公務員は守られてて」、「民間ならクビになってしまうよ」というものでした。このようなお声が市民の方から上がっていることについて、民間出身である市長の見解をお聞かせ下さい。

   【市長答弁】処分に当たりましては、より一層厳正に行われるよう、指針と併せてそれぞれの事案について、標準的な量定基準を定めており、職員分限懲戒審査委員会において、先ほどお答えした観点に基づき慎重に審査されております。私といたしましては、その結果が適正なものかどうか判断し、厳正に処分の決定を行っているところであります。
 
 最後に、これ以上の不祥事を繰り返すことはあってはなりません。職員の一人一人がしっかりと自覚を持ち、業務にあたり生活をしていくことが必要であります。二度あることは三度あるではなく、しっかりと反省し2012年を終え、2013年は前向きなニュースを届けていける市役所になっていただきたいと願いしまして、この項の質問を終わります。
 
2.新年度予算編成方針について
  次に、新年度予算編成方針に関連していくつかの項目をまたいで質問いたします。小樽市財政部では、10月31日、新年度の予算編成方針をはじめてホームページにて公開しました。予算編成過程のオープン化は、ニセコをはじめ各都市で活発となっており、行政の見える化がどんどん進んでいます。今回の小樽市の予算編成方針の公開は、行政の見える化に一歩前進する動きで、市の姿勢について評価出来るものと思っています。ここで何点か伺います。
 

 ①今後ですが、この編成方針の公開にだけとどまるのではなく、予算編成課程のさらなる見える化を進めてもらいたいというのが私の気持ちですが、市としての考え方をお聞かせ下さい。
 
 【市長答弁】今回、市としては初めて、平成25年度予算編成方針をホームページで公開し、予算編成に当たっての基本方針を市民の皆様にもお示ししたところです。今後のさらなる公開については、引き続き、他の自治体の取組なども参考にしながら研究してまいりたいと考えております。 

  ②予算編成における考え方について、代表質問で他の議員さんが取り上げていらっしゃいますので前置きを省き、まずは通告通り質問致します。1期目の折り返し地点となった中松市長の公約と照らし合わせた予算編成に向けた考え方について、どのような点を重視し取り組んで行くのかお示し頂きたいと思います。

   【市長答弁】公約として、地域経済の活性化、安心・安全で住みやすい環境整備、教育環境の充実などを掲げており、来年度に向けては、特に、観光振興やクルーズ客船誘致促進などにより、雇用の場の確保や交流人口の拡大を図るための「経済・雇用対策関連分野」と東日本大震災などの関連から喫緊の課題である、安心・安全のための「防災対策関連分野」を重点として、取り組んでまいりたいと考えております。
 
 ③予算編成の基本方針の①では、「真の財政再建」に向けてとありますが、まずこの「真の財政再建」とは、目標値を一体どの程度までに設定しようとしているのかお聞かせ下さい。

   【市長答弁】数値目標は設定しておりませんが、真の財政再建は、再び赤字団体に転落することのないよう、今後の中・長期的な収支を見極め、毎年度の予算編成時において、他会計などからの借入れに頼ることなく財政不足の解消を図り、一般会計が本来の意味での収支バランスを取ることと考えております。
 
 ④様々な財政需要があることは重々承知していますが、私たちの子や孫の代の将来へツケを回すことも回避しなければいけません。今後、新年度の予算編成と並行して、中長期的な収支の見込みも策定していくと存じていますが、中松市長の任期中に、24年度現在抱える他会計と特的目的基金からの借入50億円をいくらまで減らし、そしてその後何年間で減らしていくお考えなのか、お示し下さい。

   【市長答弁】それぞれの借入金につきましては、借入時に償還計画を立て、その計画に基づいて償還することとしており、平成25年度には合わせて約3億4千万円、26年度は約4億6千万円の元金償還を予定し、他会計及び基金借入金のいずれも14年後の平成38年度での完済を予定をしております。
 
 ⑤平成24年度当初予算では、約7億8,000 万円の財源不足が生じたことから、財政調整基金の全額取り崩しと、除雪費予算の一部を計上留保により収支均衡の予算を編成しましたが、25年度当初予算でも同様の事態も想定されますが、今年度のように他会計からの借入なくして収支均衡予算を編成出来るか心配されます。見通しをお示し頂きたいと思います。

   【市長答弁】地方交付税が総務省の概算要求を反映し減額となる見込みの中、扶助費など義務的経費の自然増や新たな財政需要にも対応していかなければならないことから、引き続き、非常に厳しい予算編成になるものと考えております。その中、平成23年度決算で前年度並みの余剰金が生じたことや、今年度の普通交付税が予算を上回ったことから、財政調整基金に24年度予算編成時よりも多い額の積立てができたところであります。今後、降積雪の状況や新たな財政需要にもよりますが、財政調整基金を新年度予算の財源として活用するなど、他会計からの借入や予算の計上留保をすることなく、収支均衡予算の編成に努めてまいりたいと考えております。
 
3.新市民プールについて
  この新年度予算編成に関連して、新市民プールについて2点だけ伺います。旧サンビルの市営プールが廃止されてから5年、プールの存続・早期建設を求める市民の運動が始まって7年が経ちました。この間、多くの市民の皆さんから新市民プールの建設を求める陳情が出されています。私は先日、署名・陳情提出の活動を続けられている方とお会いし、情報交換をさせて頂きました。お話の中で、「かつて署名運動に関わった中心人物の方々が一人、二人と亡くなり、私たちが生きている間になんとか新プールを作ってほしい」という切実な思いを頂きました。

   私は、幼少の頃より競泳を続け、今、現在は水泳指導にも関わっており、小樽では全道・全国レベルの選手が育ち、最盛期には小樽の水泳レベルは道内の中でも高いものでした。今でも活躍する選手はいますが、小樽市内では公認記録を得られる施設がないこともあり、選手育成に少なからず影響しています。水泳は、競技としてだけでなく、健康の保持増進や体力づくりに最適なスポーツであり、運動療法の効果は社会的に注目されています。ここで述べるものはほんの一部ではありますが、これらの背景や状況などから、多くの市民の要望とともに、私も早期の新市民プールの建設を望んでいるところです。

   小樽市では、平成21年にまとめた第6次総合計画の基本計画では、新市民プールの建設を重要視し、整備事業をしっかりと計画に位置づけました。さらに、前期実施計画では、25年度までに2,800万円の事業費を盛り込み、実施設計までの事業を計画しています。再三議会で質問していますが、改めて質します。

 現在、この総合計画前期実施計画の最終年である平成25年度の予算編成について庁内で進められていると思いますが、新年度予算で、新市民プールの基本設計・実施設計の予算計上を見送ることになれば、 編成方針で述べている「第6次小樽市総合計画実施計画」及び「小樽市過疎地域自立促進市町村計画」との整合性がとれない状況になると思います。

   この視点に立ち、新年度当初予算で何らかの形を示すものと考え、これまで明らかになっていない、新市民プール建設の行政目的について伺います。

   ①新市民プールは、市民の健康増進を重きにおくのか、それとも、子供のスポーツ振興を重きにおくのか、どちらにも対応するものを考えているのか。お聞かせ下さい。私としては、小樽市のこの財政難のおりに、市民の皆様の税金を使うわけですから、やはり全市民がスポーツ振興と健康増進目的に利活用出来る施設が必要なのではないかと考えます。新市民プールはどのような視点でどのような行政目的で建設をしようとしているのか、お聞かせ下さい。

   【教育長答弁】多くの市民が生涯にわたってスポーツを楽しみ、健康で豊かな生活を送ること及びスポーツ競技力の向上と指導者養成などを目的とした施設として、第6次総合計画に新・市民プール整備事業として登載されたものであります。
 
 小樽市内には幸いなことに民間のプールが3つもあり、民間との協力も必要ではあるとは思います。しかし、やはり民間ですので営利を目的としていますから、市民にとっては、市営プールのような安価な利用料金で頻繁に使用することは出来ないものと考えます。さらに、現在の民間プールでは、高島プール同様に競泳の公認記録をとることが出来ないこと、また休業してでも大会運営に協力してくれるかは微妙なところであると思います。

   ②私の主張は、早期建設であります。実施計画の最終年であります新年度予算編成においての教育長としてのお考えをお示し下さい。

   【教育長答弁】現在、新・市民プール建設に向け、建設コストやランニングコスト、規模、管理運営方法、建築場所などについて調査検討を行っておりますが、新年度予算編成に向けて、市全体の施策との兼ね合いや、財政的なこともありますので、引き続き鋭意検討を進めてまいりたいと考えております。
 
4.北運河周辺の観光について
 (1)手宮地域の回遊性について伺います。北運河周辺は、小樽港に面し、北運河をはじめ、旧日本郵船小樽支店や日銀金融資料館などの歴史的建造物、手宮線跡地などの観光資源が数多く点在する手宮地域において、小樽市では、「小樽市観光基本計画」 で観光客の地域内回遊性の向上を上げております。  昨年の一般質問において、この回遊性について質問させて頂きましたが、北運河をテーマにした新しい周遊型観光コースのマップを作成したり、イベントの周知宣伝で、地域の誘客に積極的に取り組み、「今後とも地域の持つ歴史的景観が生み出す小樽ならではの魅力を発信する」とのご答弁を頂きました。
 
 ①今年に入り、船から運河を楽しめるとして小樽運河クルーズの運航が始まり、北運河への回遊性が高まることを期待しております。が、市として中央・手宮地域の回遊性の向上とはうたっておられますが、昨年の議会質問後あまり進展のあるように思っていません。まず、北運河周辺の回遊性向上に対するご見解を伺わせて頂きたいと思います。

  【市長答弁】運河をはじめ歴史的建造物、旧手宮線跡地などの観光資源が数多く点在し、小樽観光のシンボル的なエリアであることから、観光の展開方策として回遊性の向上が必要であると認識しているところであります。本年5月には、小樽運河クルーズが浅草橋街園からの運航を開始したほか、7月に「北運河アートプロジェクト」、8月は「北運河サウンドエナジー」などの新規イベントも北運河周辺を会場に開催されたことから、この地域の来訪者は徐々にではありますが増えてまいりました。市といたしましても、北運河の活性化に取り組まれている商工会議所などとも連携し、北運河を含む中央・手宮地域の回遊性向上に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
 
 ②回遊性を高めるためには、小樽市内にある観光資源の点と点を結ぶ必要があると考えています。小樽市としての北運河への回遊性向上のための具体的なビジョンが見えていません。堺町と浅草橋、北運河の点と点を結ぶために、何が必要であるとお考えになっているのかお聞かせ下さい。

  【市長答弁】北運河周辺の回遊性を向上させるためには、これに加えて、小樽らしい景観を楽しめる旧手宮線の遊歩道を整備していくことなど、新たな導線の確保が必要であると考えております。
 
 ③北海道で最初の鉄道の発祥の地である手宮地域は、小樽観光としても重要な資源であり、私は回遊性について必要性をうったえておりますが、今の小樽市の観光の起点となるのは、小樽運河と堺町周辺ではあります。海上での回遊性は、小樽運河クルーズによってこれまでよりも進展はしていますが、北運河側の乗り場は事前予約が必要であり、当日の乗船については浅草橋での発着となり一時的な回遊性にとどまっています。私としては、回遊性の向上を図るには、運河クルーズによる北運河の活用が重要な役割を果たすと思っています。見解をお聞かせ下さい。
 
 【市長答弁】運河クルーズを運営する合同会社小樽カナルボートからは、浅草橋と北運河の両方で発着するシャトル便として運航する計画で進めていましたが、シャトル便の場合には、係留施設や乗降施設のバリアフリー化など大規模な整備や必要になることから、今年度は断念せざるを得なかったと伺っております。今後、小樽カナルボートでは、改めてシャトル便の運航に向けた検討を行うと聞いておりますので、市といたしましても、回遊性の向上につながるシャトル便の実現について、期待をしているところであります。
 
 ④今夏ですが、幌内鉄道生誕130周年を記念し、手宮から色内の臨港線までの廃線にトロッコを走らせる試みを実施いたしました。このトロッコを走らせるという取り組みが意外にも多くの市民や子供たちから好評を博しました。やはり鉄道遺産はただ残すのではなく大切に使って後世につないでいくということが必要だと認識しました。今後、中央通から手宮までの未整備区間となっている手宮線整備事業が始まりますが、トロッコとは言いませんが、手宮から寿司屋通りまでの手宮線区間に回遊性を高める乗り物を走らせることも一つの具体例として検討してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

  【市長答弁】計画では、軌道施設が老朽化しており、動力を使った軌道輸送を可能とするためには全面的な改修が必要であり、そのためには、歴史的遺構である軌道施設をすべて新設しなければならず、歴史的な価値が失われるため、動力を使った軌道輸送系の整備を据え置く方向でまとめられていることから、路面電車などの運行はできないと考えております。また、無動力のトロッコなどの運行は、市で行うことは難しいですが、民間がイベントで区間を限定し、運行することは、可能であると考えております。
 
 (2)道の駅について
 この手宮地域の回遊性に関連して、以前、提案させてもらいました手宮の博物館の道の駅登録について進捗を伺いたいと思います。私の質問に対し、市長から「博物館を道の駅として登録することは困難である」との答弁を頂きました。ただし、「小樽市内には残念ながら、道の駅が一つもございませんので、何とかどこかで道の駅ができないかということについて私としても検討していきたい」と前向きなご答弁を頂きました。
 
 ①この後、一年ほど経過していますが、検討の結果どのような方向で進んでいるのか、進捗をお聞かせ下さい。今回、道の駅について再びお伺いするのは、市民の方から小樽に道の駅が欲しいという要望があったことからです。もしも小樽市として道の駅設置に前向きに検討されているのであれば、博物館ではなく、どこが適地になり、またどういった目的の施設が必要となるとお考えか、お示し下さい。

  【市長答弁】設置場所としては、年間を通じて一定の交通量があり、多くの利用者が見込める場所が適地であると考えております。しかし、そのような場所があるかどうか、また、民間施設との競合が生じないかなど、費用対効果も含め検討を行っているところであります。なお、施設の目的として、道路利用者や地域の人々の満足が得られる休憩機能や、シティセールスを行う場としての地域情報発信機能を有していることが望ましいと考えております。
 
 道の駅の設置を主張をしてはいますが、ただ小樽に道の駅をつくって物産や観光情報を集める施設が欲しいといった観点ではありません。小樽にはすでに市場があり堺町があり、運河プラザもあります。新たに道の駅をつくったとしても、道内の道の駅の収益面などを考えると、それだけでは無駄な税金の支出になりかねないと思っています。

  ②小樽は歴史と文化の町でありますから、北海道鉄道発祥の地である博物館を道の駅とすることで、小樽にしかない道の駅をつくることができ、鉄道の発祥の地を今度はドライブ観光の起点として手宮からの回遊性をつくることが出来るものと提案致しましたので、改めて総合博物館での道の駅設置について主張します。博物館には、トイレはございますし、駐車場もあります。ミュージアムショップもあります。道の駅に訪れた方の博物館への入館も予想されます。さらに言えるのは、道の駅の設置のために新たな支出がなくて済むという点です。また、博物館は道道に面しており、道の方へ確認しましたが、この施設へ誘導する道の駅の標識もつけられるとのことです。博物館での設置は何が困難で、何を改善すれば設置出来るのか具体的にご説明をお願いしたいと思います。

  【市長答弁】総合博物館は、道道に面してはいるものの、地域間を結ぶ幹線道路ではないこと、また、冬期間の交通量が少なく、年間を通じて一定の交通量がないことなどから、「道の駅」としての機能を担うには適した場所ではないと考えております。
 
6.ポイ捨て禁止条例について
 先の定例会で、ポイ捨て禁止条例について提案いたしましたが、「今後、各都市における条例の効果について研究してまいりたい」との答弁でありました。  ①平成16年からずっと検討されているということなので、様々な都市の事例を調査研究を重ねている思われます。どこの都市の事例を学び、それについてどのような検討をされてきたのか、全てお示し頂き、その上で市としての考え方をお聞かせ下さい。

  【市長答弁】これまで道内外の主要都市における条例の制定状況については、随時把握に努めてきたところであります。中でも道内で唯一罰則規定を適用している札幌市について、その取組内容や費用、効果の推移などの調査を行ってきたほか、旭川市においては平成23年度から独自条例に罰則を導入する検討を行っており、議論の経過について情報収集を行っております。さらに、罰則規定はありますが適用をしていない釧路市や伊達市の例についても、調査を行ってきたところであります。これまでの検討状況でありますが、現在のところ、条例制定都市の取組に関する情報収集が中心であり、ポイ捨て禁止条例制定の効果等について整理した上で、本市における条例の必要性について慎重に判断してまいりたいと考えております。
 
 先の定例会での答弁のように、罰則規定を設けた条例制定後、パトロールや取り締まりなどで人件費などで年1,000万円を超える経費が発生している例が多くあることは承知しております。今の市の財政状況から言って、一部の心ない市民の行いのためにそのような財政負担を強いるよりも、長期的に意識を向上する取り組みが、今の小樽市に出来得ることなのかもしれません。市民の方々の意識が向上すれば、そのための税金支出を必要としないことから、経費をかけずに、環境美化に取り組める方法を検討していきたいと考えます。
 
 ②その視点に立って考えると、道条例に沿ってという受け身の姿勢ではなく、小樽市として環境美化に対する姿勢を独自に示すために、まずは罰則規定のないポイ捨て禁止条例を制定することから始めることはどうでしょうか。他都市でもそういったところから取り組んでいる事例もありますが、いかがでしょうか。

  【市長答弁】道内他都市においても、罰則がない独自条例を制定している市が複数ありますが、効果があまり見られないとの話も聞いております。本市においては、「小樽市廃棄物の減量及び処理に関する条例」の中で、公共の場所に紙くず、空き缶、空き瓶、たばこの吸い殻等を捨てることや動物のふんを放置する行為を禁止しておりますので、当面、この規定の遵守について市民への周知啓発をしてまいりたいと考えております。
 
 ③周知方法についても、罰則を設けた場合よりもハードルは低くなりますし、周知用看板についてもさほど経費をかける必要もなく出来ると思いますが、見解を伺います。

  【市長答弁】条例の実効性を高めるためには、市民はもとより観光客を含めた来場者に対する周知啓発を積極的に行う必要があることから、相応の費用が見込まれると考えております。
 
 ④前回の定例会で、周知用看板の景観との調和ということを出されていましたが、それであれば、今設置している看板は、観光都市としての観点から考えてその意にそぐうものとなっているのでしょうか、疑問であります。いかがですか。

  【市長答弁】市内6か所に設置している看板は、いずれも観光客や市民の目に止まりやすくすることを考慮して作成しております。なお、第3回定例会で、ポイ捨て禁止条例を制定し罰金を徴収する場合においては、より多くの周知用看板や路面標示が必要になるという観点で景観との調和について答弁申し上げたものであります。
 
 ⑤罰則規定のない条例制定のほかに、環境美化に対する取り組みについて、経費をかけないで行う方法として2点ほど提案させて頂きます。一点目は、毎年、ボランティアさんの協力を得て、町をきれいにし隊として年6回ほど各地で開催していますが、この市の取り組みとは別に、市内の各町内会では独自に清掃活動を実施しています。せっかく環境美化という同じ思いで活動している団体がありますから、市内全域で一斉に地域ごとに清掃活動してもらう日をつくることで、この運動の強化につながるのではないでしょうか。

  【市長答弁】市ではこれまでも、地域の美化活動に対する回収袋の無償提供や収集等の支援を行っているところでありますが、収集体制などに一定の制約があることから、全市一斉の清掃活動への対応は難しい状況ですので、6月の環境月間を活用するなど、市民が一体感を持って環境美化活動ができるような取組について考えてまいりたいと思います。
 
 ⑥二点目は、消防本部が「火災予防広報活動の一環」として取り組んでいる防火・防災ポスターコンクールのように、「ポイ捨て禁止の広報活動の一環」として、ポイ捨て禁止のポスターコンクールといった取り組みは出来ないでしょうか。市内の小学生たちに、ポイ捨て禁止についての絵を書いてもらうことで、まずは小さな頃から環境美化の意識付けが出来るとともに、親世代の啓発につながります。さらに展示することで、市民の方々にも一層の啓発につながると考えますが、いかがでしょうか。
 
 【市長答弁】子供を通じた市民啓発という趣旨は理解いたしますので、コンクール形式にこだわらず、環境教育に熱心な小学校に呼びかけを行うなど、手法を含めて検討を行ってまいりたいと考えております。
 
6.ふるさとまちづくり恊働事業について  最後に、小樽ファンが支えるふるさとまちづくりの寄付金を活用した「ふるさとまちづくり協働事業」について伺います。先日、私が所属する北海道若手市議会議員の会での旭川市研修で、旭川市の小樽市同様の趣旨の恊働のまちづくり事業を勉強させて頂きました。

  旭川市では、市民提案型として、市民の視点で企画された公共性の高い事業を募集し、地域活性化につなげる恊働事業を進めています。これは小樽市も同様の趣旨で21年度から続けており、各種市民団体さんが応募し、個性豊かな公益性の高いまちづくりに取り組んでおられるものと認識しています。

  私が旭川市さんの事業から参考にしたいと思いましたのは、この市民提案型と並行してある行政提案型についてであります。行政提案型は、市が市民と恊働で取り組みたい課題やテーマを示し、それに対する具体的な事業の企画提案を募集し、これについて取り組んでいます。
 
 旭川市では、平成24年度の行政提案型として、「青少年と家庭,地域の望ましい関係づくり」、「地域での子育て交流活動の推進」の2つのテーマを設け、現状の課題を共有し、考えられ事業の例と想定する市の役割分担を公表し、市民から,それに対する具体的な事業の企画提案を募集し実践しています。

  ①まず、はじめに、今現在、市が進める「小樽ファンが支えるふるさとまちづくり資金基金」への寄付金を活用したこの事業の将来展望をお聞かせ下さい。

  【市長答弁】当事業は平成21年度から実施しており、毎年20件前後の応募があり、年々事業者の創意工夫が見られることや熱意も感じられることから、制度の普及が図られてきているものと考えております。今後も、多くの市民に参加してもらえるように、制度や事業の周知を図り、協働によるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

  ②【(予定していた原稿)この寄付金を活用した恊働事業については、約2370円の財源があります。新年度予算編成の基本方針に少し戻りますが、この②で、】「既存の全ての事務事業について、ゼロベースの視点で必要性、有効性を厳しく検証し、真に必要なもののみ要求すること」としていますので、であれば、協働事業についてもゼロベースの視点で検証し、より効果的なものにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

  【市長答弁】当事業は、市民との協働による個性豊かなふるさとまちづくりに資することを目的に実施していることから、採択される事業も植樹から子育てまで広範囲となっております。これまでもゼロベースの視点で検証をしておりますが、今後も、事業終了後に行われる報告会で頂く審査委員や事業者の御意見も十分に参考とし、より効果的な事業となるように努めてまいりたいと考えております。
 
 ③【(予定していた原稿)中松市長は、「市民力の活用」を公約に大きく掲げて当選されておりますので、今後のまちづくり協働事業で、旭川市が取り組んでいる行政提案型の事例を参考に、行政が抱える課題について市民と共有してマッチングをはかり、課題解決のために恊働で取り組んでいくことが、さらなる市民力の活用につながると考えます。】旭川市では、さらに、この行政提案型で実施した市民団体と、事業担当課が連携協力し、委託事業として継続して民間が担い、恊働のまちづくりを積極的に進めています。小樽市でも、このような方向性にすべきと考えますが、見解をお聞かせ下さい。

  【市長答弁】旭川市の協働事業では、「公共的な課題の解決等を図る事業」と定義しているのに対し、本市では、「公益性の高いまちづくり事業」としており、事業の対象は異なっておりますが、市民と協働のまちづくりを進めるという基本的な考え方は同じであると考えております。このように協働のまちづくりを進めるための手法は多岐に渡ることから、今後、旭川市のような事例も参考としなはら、本市においても制度の充実を図ってまいりたいと考えております。  

 【(予定していた原稿)確かにこれまでの市民提案型の恊働事業は、市民の個性あふれるものでしたが、今後は、教育や福祉、除雪、増大する医療費など小樽市が抱える課題を市民の方々に共有し、その課題解決に向けて市民目線で個性ある事業を提案してもらい恊働してもらうよう働きかけて行くことが、これからの小樽市に必要だと考えます。】