昨日の代表質問と答弁内容を掲載致します。

一新小樽を代表して質問致します。

まず、2日間の本会議の代表質問でも取り上げられ、メディアでも報じられていることからご存知の通り、この6月9日に、我が小樽市の人口は、ついに13万人を割り、12万人台に突入しました。小樽市の人口のピークは、1964年の20万7,093人で、この48年間で、一都市規模の7万7,000人が、小樽市から流出しました。

この10年間では、人口の減少とともに、産業、経済、教育の空洞化がとまっておりません。2000年代の小樽市を振り返ると、小樽市が鳴り物入りで誘致した巨大商業施設「マイカル小樽」が、2001年9月のマイカルグループの破綻で頓挫しました。当てにしていた多額の固定資産税も滞納が続き、市議会でも論議されたことは承知の通りです。

2002年9月には、小樽市民に親しまれた小樽-敦賀を週6往復で結ぶ大型フェリーの「すずらん」「すいせん」の2隻が、苫小牧東港ー敦賀を結ぶ航路へと変更され、小樽-敦賀航路が廃止となりました。流通の主要な位置を占めていた航路が廃止となったことで、日本海の人とトラック・貨物などが苫小牧へと流出し、年間の貨物取扱高が3分の1程度に減少することになってしまいました。

2005年には、小樽の市街地のランドマークでコンベンション施設としての役割を果たしていた小樽再開発ビルから、丸井今井小樽店が撤退しました。それに伴い、2009年2月には、小樽グランドホテルが閉店し、以降、中心市街地のランドマークの灯は消えた状況になっています。

また、この年の都道府県地価調査では、市内の住宅地と工業地が、前年度比の下落率で、それぞれ全国1位となり、ワーストワンにランクされたことも思い起こします。商業・産業の衰退とともに人口が減少し、地価下落率までが全国のワーストワンに、なってしまいました。

さらに、教育の関連では、2008年3月には、小樽短期大学が閉校へと追い込まれ、最近では、北海道薬科大学の撤退が報じられています。このように、人口や経済、産業、教育の空洞化が強まりました。

小樽市の斜陽化が歴然と進む中で、小樽市は、山田前市政から、市立2病院の統合新築を目指していました。当初計画は238億円もの巨額に上りましたが、その後、見直しに次ぐ見直しを行い、現在は、当初計画より100億円ダウンしましたが、それでも137億円と巨費となっています。山田前市長は、建設地について、「量徳小学校の適正配置計画が撤回された」として築港地区を候補地に変更しました。3期目の選挙では、築港地区での建設を訴え当選しましたが、任期中に、念願の築港地区での建設から現在の量徳小での建設へと大きく舵を切ることになり、任期最終年の第1回定例会に、久米設計札幌支社に随意契約で実施設計業務委託料1億2,000万円を計上し、市議会で可決されました。改選後の中松市政は、山田前市長が敷いた規模・機能・建設費を何の疑問もはさまずに踏襲しているといっても過言ではありません。

この新市立病院建設では、なぜ他都市が小樽の半額で建設しているのに、137億円もの巨費がかかるのかが判然としておらず、結局、巨額の税金の無駄使いに終わり、将来に大きな負担を残してしまいます。会派としては、巨額な借金を市民に押し付けてはならないという確信が反対根拠であります。

人口の減少・高齢化が急速に進む小樽では、官民の病院が並立しており、どの病院でも経営に苦しんでいます。過剰な病床数のなかで、豪華市立病院建設が、民間の経営を圧迫し破綻に至らしめることが目に見えています。

一番理想的なことは、2度の入札中止を、あらためて考える時間をかろうじていただいたと受け止め、市民に巨額のを借金を負わせる新病院を小樽市民全員で再検証して、ともに小樽をとりまく医療を考え、新たな道を探ることであります。小樽市は、築港地区での病院建設を進めていましたが、まさに今、その同じ場所に、日本での病院経営で最大規模の済生会が、55億円で、新病院を建築中です。新市立病院建設の異例の2度の入札中止は、今一度、市議会や市民に新病院問題の再検証を迫っている絶好の機会であるととらえることも出来ます。

しかし、再度設計を行い発注することにより、一年以上開院が遅れることから、医局の引き上げの問題が避けられないと考えます。建設が前提であれば、病院局が示しているように仕様見直しを行った上での設計でやむなしとし、とにかく一括発注で、安価な建設費でスピーディーに事業を行うことと思います。発注方法を検討するとのことですから、下請け発注額などを考慮し地元への担保をした「総合評価落札方式」でも考えられると思います。

先日の6月14日ですが、病院ランキングで上位に食い込む人気で日本の医療で最も優れていると評価されている「亀田総合病院」が、テレビ東京のドキュメンタリー番組「カンブリア宮殿」で「亀田はまたきたくなる病院」と紹介されました。私は、この番組を見て、思わず自分の認識の甘さと亀田病院のすごさに、のけ反ってしまいました。長い待ち時間、スタッフの応対、入院生活の不自由さ、医療費の問題など、患者が感じるストレスを徹底的に取り除くことを意識したサービスの充実、また、医療と業務のシステム、アメニティ、サービスの院内環境を含めて、すべての面で患者が満足する病院づくりを目指していることを実感致しました。番組の中では、亀田総合病院が314床の病院を新たに建設中で、その総工事費が、40億円と報じられたました。314床を40億で建てる亀田病院と388床を137億円で建てる小樽市とのあまりの違いの大きさに愕然としました。

市議会での新病院に関する賛成議論は、地元経済が潤うために、地元企業がゼネコンからおこぼれを受けるべきと言うことに尽きておるようです。しかし、新病院ができても、その後の経営が極めて難しいことは、減価償却や退職引当金の計上義務化などが求められていることを考えれば、すぐに理解できます。豪華病院を造って破綻してしまった公立病院の例は、後を絶ちません。

1、ここで、財政問題に関連して、この新病院建設を進めている病院経営など小樽市の公営企業に大きな影響を与えると考えられる総務省が示した「公営企業会計制度の見直し」について伺います。

「公営企業会計制度の見直し」は、現行の企業会計の原則の考え方を最大限取り入れたものとすること、地方公営企業の特性等を適切に勘案すべきこと、地域主権改革に沿ったものとすることとして、借入資本金の負債計上、みなし償却制度の廃止、退職給付引当金の計上義務化、リース会計の導入など、11項目の公営企業会計基準の見直しを、平成26年度決算から適用すると示されました。

これについて、先日の病院調査特別委員会での一新小樽の成田裕樹議員が、病院会計に与える項目について質問し、病院局は、退職給付引当金の計上義務化、借入資本金の負債計上、リース会計の導入の3項目を挙げました。これらの項目は病院会計だけでなく、水道、下水道、産業廃棄物などの会計にも影響を与えると考えますが、市として、改正内容を適切に理解し、平成23年度決算に基いてシミュレーションすることが必要と考えます。また、平成24年度予算や平成25年度計画に基ついでも、影響をシミュレーションし、平成26年度以降の公営企業の方針を検討すべきと思います。今後の試算や影響額について項目ごとに伺います。

 (1)借入資本金制度の負債計上の影響についてですが、現在、建設改良の財源に充てるために起こした地方債や一般会計からの長期借入金を、「借入資本金」として資本に計上していますが、今回の見直しで、借入資本金を負債に計上するとともに、1年以内に償還期限が訪れる企業債は、固定負債から流動負債に振り替えるものとされています。貸借対照表上、各公営企業の財務状況が悪化することになり、健全化判断基準等に影響すると思われます。

これまで隠れていた負債が明らかになる場合があるため、各企業会計で、経営の再点検をする必要があります。市の認識と、新会計基準に照らした場合の負債額がいくらになるか示して下さい。

【答弁】
お尋ねのありました、今回の公営企業会計制度の見直しにつきましては、民間の企業会計基準が国際基準を踏まえて見直されている中で、相互の会計の比較分析を容易にするために、整合を図ることを目的としており、本市においても、平成26年度の予算から新会計基準を適用するべく、各企業会計において、調査・研究をしているところであります。新基準を適用した場合でも借入金を会計の整理上、負債に計上することになるもので、実態が大きく変わるものではないと考えております。また、この基準を適用した場合の平成24年度当初予算における負債額につきましては、病院事業会計では、固定負債31億7,000万円、流動負債4億9,400万円の計36億6,400万円、水道事業会計では、固定負債150億円5,600万円、流動負債14億3,300万円の計164億8,900万円、下水道事業会計では、固定負債153億2,900万円、流動負債20億9,700万円の計174億2,600万円となります。なお、産業廃棄物等処分事業会計につきましては、地方債の残債等がないため、負債額は発生いたしません。

地方公共団体の自治体財政健全化法の指標に影響を及ぼす可能性があると思いますが、26年度以降の公営企業会計を対象とする資金不足比率の試算を示して下さい。これによって、経営健全化基準に抵触することになるのかお聞かせ下さい。

【答弁】
総務省から示されている考え方によりますと、会計制度の見直しにより資金不足比率に影響のある項目の一部について、算入対象から除外することとしており、現状での見込みといたしましては、各企業会計において、26年度以降に資金不足が発生する見込みはなく、経営健全化基準の資金不足比率は算出されないところであります。

企業会計では、未収金の一部が不良債務化する場合大きな影響を及ぼすことになります。対策強化など、打開策を早急に講じる必要があると思いますが、いかがでしょうか。病院事業会計では、未収金の一部が不良債務化した場合、一気に資金がショートすることも考えられるという指摘がありますが、市の認識をお示し下さい。一般会計からの赤字補填の繰入を受けていた病院会計では、経費の削減などさらなる経営努力が求められます。公立病院の役割とあるべき姿を検討し将来を見込んで、どこにどれだけの税金を投入するのかなどの議論を行う必要があると思いますがお示し下さい。

【答弁】
平成23年度における不納欠損額は、両病院合わせて約500万円であります。その内訳としましては、本人死亡によるものが約230万円、住居不明などによるものが約270万円となっています。また、未収金の不良債務化により資金ショートが生じた場合の対応とのことでありますが、不納欠損額は、今後、年間数百万円台で推移することを見込んでおり、資金ショートにつながるような影響が出ることはないと考えています。いずれにいたしましても、未収金及び不納欠損額を減少させることは、重要なことと考えておりますので、引き続き未収金対策を進めてまいります。

また、現在、新病院建設で2度の入札中止となっていますが、総額137億円の新病院建設は、我々が主張しているように建設費が高く将来に大きな負担を残すことになります。この借入資本金制度の見直しで、建設分の長期借入金が負債となると、病院会計の財務状況に大きな影響を与えることとなりますが、市の認識をお示し下さい。借入資本金が、負債に算入されると、財務内容を示す貸借対照表の資本が減り、負債が増えて内容が悪化することが懸念されます。民間なら経営破綻しかねない債務超過に陥るケースも想定されるという指摘がありますが、この制度の見直しと病院建設が重なると、新病院建設分の影響額はいくらで、施工後の小樽市の状況はどのような状況におちいるのかお示し下さい。

【答弁】
企業債については、これまで借入資本金に計上していましたが、今回の見直しにより、負債に計上するため、流動負債が増加し、資金不足比率が上昇する要因となります。総務省は、今回の見直しが健全化指標に影響がないよう必要な調整を行うとしています。従って、この翌年度償還の借入金は、健全化指標の算入対象から除外措置されるとなっていることから、新市立病院建設への影響はないものと考えております。

 (2)退職給付引当金の計上義務化とリース会計導入について伺います。

退職給付引当金の計上不足額は、平成26年4月1日時点で特別損失に一括計上するのが原則であるとされています。病院会計では、先日の特別委員会で、現時点での試算は30億円と示されましたが、各企業会計ではそれぞれいくらになるのでしょうか。一括計上した場合、巨額の負債を計上しなければならなくなりますが、市の対応をお聞かせ下さい。

この制度の見直しにより、職員数の多い病院事業では不足額が巨額となることが予想されますが、見解をお示し下さい。総務省では、引当金を負債計上することの影響が大きい場合、平均残余勤務年数の範囲内(ただし15年以内)で分割して費用計上することも経過措置として認められています。病院会計は、15年で1年2億円の計上となると答弁していましたが、このほかの会計の試算をお示し下さい。

【答弁】
まず、退職給付引当金の計上不足額の試算につきましては、病院事業会計については、6月11日の病院特別委員会で30億円とお示ししましたが、その他の会計について、同様に平成22年度の在籍職員数をもとに試算いたしますと、水道事業会計が5億7,000万円、下水道事業会計が3億6,000万円となります。なお、産業廃棄物等処分事業会計につきましては、当該会計業務を専従職員では行っていないため、退職給付引当金の計上は予定しておりません。また、計上方法につきましては、水道および下水道両事業会計とも、現時点では、基本的には15年で均等に分割して計上したいと考えており、それで試算いたしますと、水道事業会計は1年当たり、3,800万円、下水道事業会計は1年当たり2,400万円となります。

また、病院会計では、現時点では30億円としていますが、施行後の退職者数などを考えると、30億円で収まらないと考えます。単純に30億円で1年で2億円ずつの計上とはならないと思いますが、新病院計画で出している現時点から今後10年分の試算を示して下さい。

借入資本金制度の見直しと退職手当引当金の計上義務化によって自治体財政健全化法の算定結果に大きく影響を及ぼすと思いますが、見解をお聞かせ下さい。今現在でどのような数値になると予想され、これも同様に新病院計画で出している10年分の数値とそしてその対応をお示し下さい。

また、「地方公営企業会計に、リース会計を導入することとする」とされていますが、病院では医療機器の導入に際してリース取引を活用することが多いと思いますが、リース取引の実態は割賦(かっぷ)購入と類似しています。現在のままでは、リース取引を賃貸借取引としたのでは、その取引実態を決算書に的確に反映することはできません。このことから見直しが求められています。このリース会計の導入による病院会計への影響をお聞かせ下さい。

【答弁】
今年度以降の定年退職者の退職金を試算したところ、平成24年度から平成33年度までの10年間で総額約20億3,000万円となり、1年平均にすると約2億3,000万円となっております。今後の収支計画において、新制度では、退職給付引当金を約2億円計上する必要があります。見かけの収益収支はその分悪化しますが、現金収支を伴わないことから、資金収支計画上の影響は少ないものと考えています。最後にリース取引の資産計上による影響は、会計処理の方法が変わりましても、リース契約内容に変更がないことから、実質的にないものと考えています。ただし、新市立病院開院に向けてリース取引を活用するかどうか慎重に検討していきたいと考えております。

この公営企業会計制度の見直しで、公的病院間の比較が可能になるだけでなく、民間企業と同じ目線で財務的な評価・分析をすることが可能になるとされていますが、認識をお聞かせ下さい。

【答弁】
総務省は、公営企業会計制度の見直しを行った経緯の中で、地方公営企業会計制度等研究会を開催いたしました。その報告書の中で民間の企業会計との相違点などを述べています。さらに、見直しの背景のひとつに「企業会計基準の見直しの進展」という項目があり、民間の企業会計と地方公営企業会計相互の比較分析を容易にするためにも整合性を図る必要があると報告しています。病院局としましても総務省の今回の見直しに則して、比較・分析の研究を行っていくものと考えています。

2、(1)病院問題に関連し、病院建設工事の設計見直しについて伺います。

病院局は、先日の特別委員会で、病院建設工事の設計見直しの方針を示しましたが、病院の規模機能は変更せず、構造以外の仕様を変更、医療機器と関連する工事等を別途工事として分離し、各資材の見積を徴収し市況価格を反映させるとしています。

まず、外壁材、内装材など約60項目について仕様変更等を検討中としていますが、項目と削減分を示して下さい。

【答弁】
外装材、内装材などの仕様変更の見直しについては約60項目を候補として現在、設計の見直し作業を行っており価格面を含め検討しているところであります。見直し例としては、外壁PC板を複合断熱パネル板に変更することや、ステンレス製の手すりをスチール製亜鉛メッキの手すりに変更することなどを検討しています。これらにより工事費の影響は、現在精査中でありますが、一方で市況を反映させるための増額要素もあることから全体の工事費については現段階ではお示しすることはできません。

病院特別委員会での議論で、最初から仕様変更をすることは可能だったが、質の部分や景観上の部分を配慮したとしていました。これまで、決して豪華な病院ではないと主張していたが、機能を配慮したのではなく景観上を配慮したのであれば、やはり豪華な病院だったと言わざるを得ません。

外観美化にこだわっていると思われますが、外壁に使用を考えているタイルやレンガがその一つで、タイルは外壁の中で一番高価な部類の一つであります。砂川市立病院の増築工事では、初期費用を抑えるためにタイルではなく安価な塗装を選んでいます。タイルは塗装と比べると2、3倍も高いとされています。豪華な病院じゃないと豪語するのであれば、病院の一部に使用予定のフッ素樹脂クリア塗装も耐用年数はほぼ変わりないようですが、なぜ外壁塗装ではなくタイルを選んだのか示して下さい。

【答弁】
病院建設のトータルライフサイクルコストにおいてイニシャルコストの割合は、約20%でありコストのほとんどはランニングコスト等が占めると言われております。このため、当初設計では、フッ素樹脂クリア塗装と比較して初期費用では大きく違いがないことから、耐久性やランニングコストを考慮して、外装にタイル貼りを採用したところであります。

市民や関係者の中からは、砂川市立病院が普通の病院で、新小樽病院はすべて社長室並みという指摘が聞こえています。市は、22年8月の広報おたるで「決して大規模な豪華病院ではありません」と掲載し、山田前市長は、豪華な病院ではないとの答弁を繰り返していましたが、結局、景観を配慮した豪華な病院だったと言わざるを得ません。入札が2度中止されたことについて、前市長の責任を問う声が聞かれていますがその見解を示して下さい。

【答弁】
私は、昨年4月に小樽市政の運営について市民の負託を受け、前山田市長から市政を引き継ぎ、私の公約の重点項目の一つとして新病院の建設事業を進めて参りました。新病院の規模や内容につきましては、決定に至った経緯などもふまえて妥当なものと判断しております。また、建築内容につきましては、耐久性を考慮して採用した外装材などがありましたが、決して豪華なものとは考えておりません。入札が2度中止されたことは、大変遺憾であり、市民や患者の皆様にはご心配をおかけすることとなり、大変申し訳なく思っておりますが、一日も早く着工できるよう作業を進めることが、私の責務であると考えております。

また、山田前市長は、Facebook上で、「建物の建設で約100億円です。これを安く上げようと思えば建築、電気、給排水などの工事を一括して大手ゼネコンに発注することです。しかしそれでは地元の業者には全く恩恵はありません」としています。前項の質問で、公営企業を取り巻く状況の変化について質問しましたが、将来を考えると、やはり建設費を圧縮すべきと思いますが、病院局では、医療機器関係の建設を分離することとしています。特別委員会で示された表の中には、この医療危機関係の分離分がすっぽり抜けていますが、医療機器関係の分離発注分は一体いくらになるのでしょうか。市民や議員に本体工事額を削減したと錯覚させるために意図的にやったのではないでしょうか。今回の入札の建設費は圧縮したことにはなっても、結局は、全体の総額を挙げることにつながると思いますがその見解を示して下さい。増額するのであれば、それに伴い返済計画も変わることになると思いますが、市民の税金による支出なのだから新たに資金収支計画を示し、諮るべきと考えます。

【答弁】
現在、設計の見直し作業中であることから詳細な額は、お示しできません。ただし、分離する工事としましては、手術室パネル工事や放射線シールド工事等を検討中であります。これらの工事は、材料がユニット化されていることや特殊な工事であります。このことからメーカーの責任施工とする分離発注する方がメリットもあると考えています。次に、建設費を圧縮しても全体の総額が上がるのではないかとのお尋ねがあります。医療機器は、現在28億円の事業費を予定しており、今後、医療機器等を選定していく中で、今回の工事費を吸収できないか検討するなど、事業費の総額ができるだけ上昇しないように努めてまいります。

医療機器は平成25、26年度に発注すると答弁していましたが、これ以上の予算増は市民から理解されないし、我々もこれまでも安価な建設を求めてきたのでよしとすることは出来ません。新病院建設は、地元企業の恩恵ばかりを考え、建設費を大幅に高くし入札が遅れ、さらには将来の借金を多く残すことになります。2度目の入札で単独業者も入れるとしており、最悪なパターンは、増額して、高くなったのに、地元業者が入れなくなることであると考えます。地元業者が確実に入れる担保がないなら、一括して大手ゼネコンに発注し建設費を圧縮し早急につくることが良かったのではないでしょうか、その見解を示して下さい。

【答弁】
発注方法については、専門性を生かしたより質の高い施工とすることや、本議会でのこれまでの議論や陳情の趣旨を踏まえて、地元への経済効果を図るため5工事に分離発注することにしたところであります。発注方法の詳細につきましては、本議会でのこれまでの議論や陳情の趣旨等を尊重しなければならないと考えているところでありますが、新たに設置した「発注検討部会」で改めて検討されますので、その検討結果に従ってまいりたいと考えております。

(2)公的病院に対する特別交付税措置の拡充について伺います。

平成23年度より、地域において必要とされる不採算医療等の機能を担う公的病院等に対する市町村からの助成について、公立病院に準じた特別交付税措置の対象が拡充となりました。小樽市内では、済生会と協会病院の2医療機関が対象となりましたが、市ではこれまで、二次救急の委託料と周産期分として補助金を出していましたが、それはそれぞれいくらでしょうか。

【答弁】
平成23年度は、二次救急医療に対する補助金額は、済生会小樽病院へ436万1,000円、小樽協会病院へは350万5,000円を支出しております。また、周産期医療支援事業費としては、小樽協会病院に対して720万円を補助金として支出しております。平成23年度からの特別交付税措置の対象拡大に伴い周産期医療支援事業費を平成24年度は、1,417万円へ増額したところであります。今後もこの補助事業については継続していく考えであります。

市の負担から国の特別交付税で全額補助されることになりましたので、これにより市の負担が軽減されたと思います。この分で市としてさらに手厚く対応すべきと思いますが見解をお示し下さい。

3、冒頭にも述べましたが、小樽市の人口減について伺います。

小樽市の人口は、ピークの1964年の20万7,093人から、新谷市政発足時の1986年の174、558人から山田市政発足時の1998年の154、768人まで19、790人減少しました。さらに中松市政発足時の2011年には131,444人と23,324人と、この2市政で43,114人も減少しました。

新聞報道にもありましたが、今月9日の住民基本台帳速報値で小樽市の人口が13万人を割り込み、12万9,995人となってしまいました。まずは市長の見解をお聞かせ下さい。

【答弁】
昭和39年の約207,000人をピークに、転出による社会減と合わせ、近年では、死亡者数の増加と出生者数の減少による自然減も拡大している状況にあります。人口の減少は経済の縮小など、地域社会の活力にも大きな影響があるものと考えており、大変重く受け止めているところであります。人口減に対する特効薬はありませんが、今年度予算で重点施策に位置づけた「経済・雇用対策」により、雇用の場の確保を図る事業を積極的に推進するほか、子どもを産み育てやすい環境づくりなど、人口減を最小限にとどめるための施策を、着実に進めていきたいと考えております。

中松市長は、新聞報道で、「地域の活力や税収にも影響する事態で、大変重く受け止めている。雇用確保など最優先課題で取り組みたい」と答えていました。そもそもなぜこんなにも急激に人口が減少し、転出者の54%が20歳から39歳の若い世代かという現状を、どのように認識し、どのように問題を考えているのかお聞かせ下さい。

【答弁】
昭和34年以降、転出者が転入者を上回る、いわゆる転出超過の状況となっており、ここ数年の動きを見ても、特に20代を中心とした若い世代が多く転出しています。社会や産業の構造が大きく変化していく中、企業の市外への移転や、港湾の物流が太平洋側へシフトするなど、本市の経済は縮小し、多くの若い世代が職を求めて札幌市などへ転出したことが、大きな要因と認識しています。特に若い世代の流出によって、地域活力が衰退するほか、次世代の子どもたちを育む世代であることから、本市の人口動態にも大きな影響を与えるものと考えております。

昨日の本会議で市長も答弁されていましたが、15歳から64歳までの生産年齢人口の流出には、職を求めることが要因ということが挙げられていましたが、このほかに、家賃や水道料金が高いという理由もあります。さらに、子育て世代の中には、質の高い教育を求めて札幌へ世帯ごと転出するという大変残念な現状もあります。私は、市長公約にもある、「子どもを産み、育てやすい環境づくり」がまさに必要であると考えます。山田前市長の計画を踏襲した137億円の新病院の建設に巨額をかけるのはいかがと主張してきました。子どもを産み育てられない病院に巨額な税金を使うよりも、建設コストを最小限に抑え、負担を減らし、その余力で子育てや教育支援に使うべきだと考えますが、いかがでしょうか。

【答弁】
新病院の建設は、地域の基幹病院として重要な役割を果たすべきものであり、市民の命と健康を守っていくため、早期に建設を進めていく必要があると考えています。一方、次世代を担う子どもたちのため、また、人口対策の観点からも、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりや、健やかな教育環境づくりなどは大切であると考えておりますので、引き続き重要な施策の一つとして取り組んでまいりたいと考えております。

また、転出者の54%である若者にとって、小樽の町はつまらないという声が多く聞こえてきます。海と山があり水がおいしく自然豊かで誇れる歴史や文化はありますが、若者にとっては刺激が足りない町なのかもしれません。さらに修学旅行中の子どもたちにも話を聞きましたが、お土産物やマダム的な洋服屋ばかりな気がするという声がありました。ただし、札幌に住むリッチなマダムは、わざわざ小樽に服を買いにくることもあるようですが、そういった方には価格が手ごろでバラエティに富んでいるという認識もあるようです。雇用創出のために企業誘致することも大切ですし、移住政策に力を入れることも大事ではありますが、今いる若者たちがこの町に何を求め、何をしたいのかを知ることも重要なことと考えます。今朝の北海道新聞で、小樽出身の香山リカさんが、小樽の人口減について触れていましたが、ぜひ若い人も、「30年後、私はどういうところに住みたいか」という視点を忘れずに町づくりをと述べていました。将来を担う若い世代と意見交換する場を設けていくべきだと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。

【答弁】
私は、市民参加の市政運営が大変重要であると考えていることから、「市長への手紙」や「町会長と市の定例連絡会議」のほか、「市長と語る会」などを通じて、直接に、市民の皆さんとの懇談を重ねておりますので、若い世代との意見交換につきましても、そういった御意見がありましたら、検討してまいりたいと考えております。

4、最後に、人口減少の問題に関連し、港湾の利用について提案させて頂きます。

17日に開かれた運河ロードレースでは、これまでで最多の参加人数である3,000人を超えるランナーが、小樽の歴史とロマンのあふれる港周辺へ駆け出し、にぎわいが創出されていました。この前日には市内の中心地にあるホテルのほとんどが満室状態で、私の知人が宿泊先を探すのに大変だったと漏らしていました。ロードレースのスタートゴール地点である色内ふ頭公園では、小樽の物産をPRする出店や食べ物屋が新たに設置されたり、観光協会の職員がクーポン付きのマップを配布するなど新たな試みを行い、さらには、市の職員たちが受付などの運営にボランティア参加し、小樽の港の有効活用にご尽力され大変うれしく思いました。

現在、市では、港湾計画改訂に向け、まずは、第3号ふ頭および周辺の再開発に関するワークショップの委員を募集しています。市民参加もうながし、自由な討論を行う会議とすることには評価が出来ます。将来的に第3号ふ頭を国際旅客船ふ頭、ふ頭周辺を観光船乗り場と一体となった交流空間として計画しており、これらを整備する上でのコンセプトや必要な施設配置について議論し、最終的に市に対して提言を行おうとしているとのことです。

そこで、6月から供用開始とした第3号ふ頭多目的広場について伺います。第3号ふ頭基部に約2,000万円で整備された多目的広場は、全面アスファルト舗装で4,500平方メートルと大きな敷地で、にぎわいを生み出すためにイベントでの利用を促進しているようですが、これは、税金をかけて整備したのにさらに使用料をとることにしています。その根拠は何でしょうか。多目的広場とした経緯も併せてお聞かせください。

【答弁】
この多目的広場は、臨港地区内にある港湾緑地とは異なり、小樽市港湾施設管理使用条例に定める港湾施設用地であることから、同条例に基づき使用料を徴収するものであります。また、経緯につきましては、合同庁舎の建替えにより、新合同庁舎の市有地と旧港湾合同庁舎の国有地との交換により取得した用地であり、クルーズ客船が係留する第3号ふ頭基部に位置し、本市を代表する観光スポットの小樽運河にも近いことから、今後とも小樽港の交流空間としての有効活用をはかるために、潮まつりなど各種イベントにも利用できる多目的広場として整備したものであります。

イベント利用もそれはそれでいいですが、利用がなければ、小樽には珍しい平で全面舗装の敷地を、柵で囲んで市民を閉め出して遊ばせておくだけなのでしょうか。6月から多目的広場の利用についてメディアや市ホームページに掲載し、呼びかけていますが、実際の利用要望はどの程度ありますか。

【答弁】
利用の受付を開始してから、3週間程度と短いことから、現在のところ、7月以降、潮まつりなど3件のイベントで延べ16にちかんお使用を受け付けております。また、電話などによる問合せも、数件寄せられているところであります。

インターネットで検索して全国の事例を見てみると、多目的広場は、スポーツレクリーション施設や遊具を設置したり、だれもが自由に利用できるスポーツもできる場として整備し開放している例があります。先日、神戸に視察に行った際には、港湾地域には市民が憩える場所が多くあり、老若男女が集まって休んだり弁当を食べたり、カップルが海を眺めながら愛を語っていたり、ストリート系の若者が自転車やスケートボードを乗り入れて、街の財産を満喫していました。2,000万円の税金をかけて全面舗装し、多目的に利用する市民からさらに利用料を徴収するのはいかがでしょうか。利用料を徴収するということは、2,000万円分を補填する資金収支計画が出来ているのでしょうか。年間何回の利用があると計算し、何年で返済する計画なのでしょうか。お聞かせください。

【答弁】
この多目的広場は、官民が主催する祭典、展示会、フリーマーケット、見本市等の各種イベントにも利用できる港湾施設であり、第3号ふ頭利用高度化事業の一環で国の交付金により整備を行ったものでありますので、港湾関係起債事業のように償還計画に基づき運営する施設に該当しないため、資金収支計画は作成しておりません。

前項でも述べましたが、小樽は、若者の転出が多く人口が12万人に減少しました。私の回りの若者たちから伺ったところ、自由に遊んだりする場所が少なく、サークルの練習やストリート系の遊び場がなく、結局、それも札幌に流出する原因の一つとなっていると思います。若者を代表して提案させていただきますが、せっかく小樽に出来た大きく平な全面舗装の多目的広場なのですから、全国の事例を見習って、例えば、バスケットゴールやフットサルのゴールをつけたり、ローラースケート、スケードボードを乗り入れ出来るようにするなど、若者向けの多目的広場にしてはどうでしょうか。

昨日の本会議で港湾整備での答弁で、市長は客船の増加に務めたいと述べていましたが、せっかく小樽に豪華客船が寄港しても、停泊したふ頭はまだまだ整備が不十分で、いち早く整備した第3号ふ頭多目的広場は、真っ黒なアスファルトの大きな空き地が広がり、利用者もなくただ柵で閉鎖されてる状態では、全国の豪華客船寄港地と比べるとなんとも寂しい光景かと思います。

にぎわいを創出する目的であるならば、市民が自由に利用し憩える場所にする方がその都度利用者がおり、友好的に施設を利用できるものと考えますが、今後もこの使用目的や使用料の方針を変えるつもりはないのでしょうか、お聞かせ下さい。

以上、再質問を留保し、質問を終了します。

【答弁】
この多目的広場は、利用を開始して間もないことから、当面は現在の方針で進めてまいりますが、この区域のにぎわいを創出するための各種イベントにも使用できるよう整備したものでありますので、今後の利用実態や利用希望者の意向も確認しながら、より多くの市民や団体などに活用していただけるよう、この広場の運用について検討してまいりたいと考えております。