遅くなりましたが、わたしの会派代表質問(40分以内)と市長・関係理事者の答弁をアップします。

一新小樽を代表して質問致します。

質問に先立ち、24年間続いた新谷・山田市政について述べさせて頂きます。

港湾都市として発展した小樽市では、人口が昭和39年の20万7,093人まで一貫して増加してきましたが、その後は減少が続き、元新谷市長就任時の昭和61年には17万4,000人と3万3,000人減少しました。前山田市長退任時の今年4月には13万2,118人となり、2人の役人市長時代の24年間で約42,000人も激減する結果となりました。

人口が著しく減少したことにより、地域社会の機能が低下し、生活水準及び生産機能が他の地域に比較して低位にある地域として、昨年4月に過疎地に指定されました。 

バブルに踊った新谷市政では、運河公園で35億円、朝里ダムで126億円、長橋バイパスで400億円、交通記念館で44億円、市民センターで29億円、望洋シャンツェで14億円、中央通地区土地区画整理で113億円、稲一地区再開発で127億円、稲北地区再開発で48億円、小樽築港駅周辺地区再開発で156億円などの大型建設事業に邁進し、市債残高を就任当時の603億円から820億円をもプラスして、1,423億円までの巨額に膨らませました。 

その後の山田市政では、この巨額に膨らんだ借金を減少させようと財政健全化に乗り出しましたが、国の三位一体改革で地方交付税が大幅に削減されたことを主因に、平成16年度の一般会計決算で11億7,977万円の赤字が発生しました。一般家庭で言う普通預金の財政調整基金と財源調整や市債の償還に充てる・減債基金を全額取り崩しゼロとなり、財政健全化どころか財政不健全化に陥りました。

この後、6年連続で赤字決算を続け、年度末の赤字を、次年度の歳入歳出予算から穴埋めする非常手段 である"繰上充用"を繰り返し行いました。一般会計の累積赤字を消すために、特定目的資金基金や他会計からの借金を繰り返した結果、2010(平成22)年度決算で一般会計の累積赤字を解消し12億円の黒字を確保することとなりましたが、借金まみれの不健全な財政状況には変わりなく、他会計や基金の借入の償還にはまだ10年以上かかるとされております。

山田市政の12年間で、丸井今井小樽店は撤退し、中心商店街の商店で閉店が相次ぎ、小樽グランドホテルが閉館しました。中心商店街との共存共栄を図るとされたウイングベイ小樽の空き店舗化が進み、共倒れとなる結果となりました。

市内の経済不況が急速に進む中、12年間公約に掲げた新病院計画は、築港地区から量徳小へと建設場所がコロコロと変わり、築港地区で実施し中断した基本設計費2,581万円については住民訴訟が起こされる事態となりました。

この後、量徳小での基本設計が始まり、医師会の「安価でコンパクト」の主張を無視し、建設規模はそのまま進められております。

新病院建設に必要な起債許可を得るための条件の一つとなっている過去の不良債務解消分と、財政支援分として、一般会計から病院会計に対し、平成19年度3億6,300万円、平成20年度7億8,300万円、平成21年度9億6,000万円、平成22年度15億5,000万円もの巨費を投じました。平成23年度では5億8,000万円、平成24年度5億1,600万円、平成25年度4億6,000万円と、総額52億1,200万円を繰入れることになり、「小樽市立病院経営改革評価委員会」 では、「医業外収入の他会計から持ってきて赤字を埋めて黒字にしたという構図なので、市議会で議論していくべきだ」と指摘されております。

観光問題では、平成11年度に過去最高の観光客数972万9,600人を数え、市は観光都市宣言を行ったものの、 平成16年度から700万人台に入り、減少傾向が続き、2009年度の観光客数は700万人台を割り、600万人台に下がる状況となりました。

昨年の「地域ブランド調査」の全国市町村魅力度ランキングでは、全国5位にランクインしましたが、今年は8位に下がりました。しかし、それでもまだ全国10番目の魅力的な町としてランクされております。小樽のブランド力が評価されているものですが、実際の住民の実感とは距離のあるものとなっており、このランクに値する魅力ある街づくりが問われております。 

小樽市では、家賃や下水道料金、国保料が高いなど、住民生活への負担が多い上、教育レベルが低い北海道の中でも低く、働く場所が少ないなど、問題が山のようにあります。これをどのように克服し、市長の言う安心・安全なまちづくりを進めるかが本市の大きな課題です。

買い物をするにも欲しいものがない、ウイングベイに行っても用を足せない、夜に遊ぶところがないなどで、結局、札幌に行かなければいけないという不満の声が多く寄せられており、人口が毎年2,000人ずつ減少し若者は皆札幌や首都圏に流出する原因となっております。

しかし、自然がありゆったりとした人情味のある小樽の町の雰囲気が好きでずっと暮らしたいという人もおります。小樽に残る20代30代の若者たちは、生活に苦労しながらも、町を盛り上げるため海水浴場でイベントを実施したり、毎月花園に出てお金を落としたり、草刈やゴミ拾いなどのボランティア活動をし、町のためにと積極的に動いております。借金を借金で賄う今の現状では、この20代・30代の私たちの将来に借金を繰り延べているだけ。苦しい中、一生懸命働き収めた税金は、しっかり市民サービスとなって戻るよう、市政のチェックを行って参りたいと思っております。

中松市長は、4年間の7つの重点公約として、全国的知名度をもつようになった小樽観光の充実、稲一再開発を商工団体と連携し道筋をつけていく、新小樽病院の建設を計画通りに進め26年度開業を目指す、学校統廃合を進め校舎改築や給食環境など教育環境の整備を進める、子育て環境の整備を努める、高齢者・障害者の支援体制づくり、小樽市の真の財政再建を成し遂げると掲げておりますが、公約を実現させるために小樽市をどのように舵取りするか、どのようにリーダーシップを発揮していくのか、小樽市民から厳しい視線が注がれております。

ここでお伺いします。

1.観光問題ですが、市長は、第2回定例会で、東日本大震災に係る緊急経済対策事業の一つとして日帰り客10,000人の小樽への誘客を図ることを目的に「10,000人ウェルカム事業」として1,300万円の予算を計上し、6月20日から7月24日まで実施しました。

緊急経済対策としての予算計上で、本当に10,000万人呼び込めるのかと指摘しておりました。9月2日の東日本大震災 による市内経済への影響に関する調査特別委員会で、バス券で小樽に訪れた観光客は目標に届かず、結果はたった1割の1,131人に留まったと報告されました。

じゃらん、楽天、ぐうたびの3つのインターネット予約サイトで札幌市内宿泊施設を予約した人にバス券を配布したものの、期間中に配布されたのは5,055枚で利用率は22%に留まりました。クーポンをつけたもののこの利用も伸び悩み、明らかな失策となりました。目標の1割にとどまったこの原因は一体なんだったのでしょうか。

答弁
東日本大震災の影響による旅行意欲の低下や夏休み直前という設定時期により、主な対象が家族等での観光客ではなく、時間的な制約のあるビジネス客となったことから、本市への往復バス券が必ずしも魅力的な特典とはならず、利用が伸び悩んだものと思われます。また、道外客ではレンタカーの利用、道内客ではマイカー利用が相当数あったとお聞きしており、これらも原因の一つであると考えております。

観光振興室は、この事業に対する北海道新聞の取材に、「道外の個人客を呼び込めたのは一つの成果」と述べておりますが、目標の1割の1,131人しか呼び込むことしか出来ずにどうして成果を上げたと言えるのでしょうか。

答弁
確かに利用者数は目標を大きく下回ったところでありますが、観光入込客数の7割以上を道内客が占めている本市観光にとって、今回のように札幌の宿泊施設との連携により道外の個人客を呼び込むことができたことは、今後の観光客誘致施策を検討する際の参考になるものと考えております。

この失敗を「今度の観光事業に役立てたい」としておりますが、どのように役立てるおつもりなのか具体的にお示し下さい。

答弁
今回の事業に協力していただいた札幌市内の宿泊施設の多くから、今後も本市が行う観光客誘致の取組に協力したいとのお話をいただいているほか、既に観光ガイドブックをフロントなどで配布したいとういった要望も寄せられております。引き続き、これらの施設に観光情報の提供を行い、年間600万人を超える札幌の宿泊客の誘客を図ってまいりたいと考えております。

このバス事業者の委託料と宣伝、印刷事務費などを含めた利用実績で単純計算すると300万円程度の経費がかかったことになります。もともと事業費として1,300万円を計上しておりましたが、あまった1000万円の予算で新たな緊急経済対策事業を実施するお考えがあるのかお聞かせ下さい。

答弁
事業費の執行残額は、他の事業に使用するのではなく、不用額とするのが原則であることから、新たな事業につきましては、飽くまでも補正予算案として提案させていただくことになるものと考えております。

また、10,000人ウェルカム事業とともに8月22日から9月16日まで実施している、市内施設へ宿泊した観光客1人に1,000円分の商品券を贈呈する小樽市観光振興券交付事業についてですが、商店主からは「常連の観光客さんが来るだけ」、「宿泊施設で配布したりしなかったり対応がまちまち」、「ただのばら撒きに終わる」など厳しい指摘が寄せられております。現在までの進捗状況と効果はどの程度あるのかお答え下さい。

答弁
8月22日から登録宿泊施設41、特定事業者877の協力をいただき実施しているところであります。今月16日までの事業であり、これまで、ほぼ6万人分の振興券を宿泊施設に配布しており、さらに、数ヶ所のホテルから、振興券の追加の申出があります。

その効果についてでありますが、振興券の配布状況から、一定程度、宿泊客の減少に歯止めがかかっていると思われ、また、飲食店からは、「客単価アップに効果がある」、観光事業者からは、「予想以上の利用者がある」と伺っていることから、市内観光における経済波及効果の拡大が図られるものと考えております。

今回のように目標の1割に留まるような10,000人ウェルカム事業や指摘の多い小樽市観光振興券交付事業などの市役所提案の事業だけでは、市長の公約の小樽観光の充実の実現にはほど遠いものと考えます。

今後、民間から観光誘致に関わる経済対策事業を広く公募して新しいアイディアとして取り入れて実行することが必要と思いますが、ご見解をお聞かせ下さい。

答弁
本市ではこれまでも、「観光基本計画」の推進のため、観光関連団体や観光事業者などと「観光プロジェクト推進会議」を設置し、具体的なメニューの検討をしていただいているほか、観光協会の各委員会との連携や小樽商科大学の学生によるマジプロの取組など、民間の方々から御意見、御提言をいただきながら事業を進めてきているところです。今後とも、できる限り民間の皆さんの御意見なども取り入れて、効果的な事業を実施してまりたいと考えております。

新たな観光誘致事業としてWi-Fiおたる化について提案させて頂きます。

国際観光都市を目指す小樽市にとって、旅行客への「おもてなし」は誘致戦略上重要な位置づけになっております。現在の人口を上回る携帯電話の普及に加え、iPhoneの登場がブームをもたらしている急激なスマートフォンの普及によって、旅行先で「どれだけ快適に素早く大量の情報を取得できるか」が旅行者の満足度を大きく左右する時代になってきていることを認識しなければいけません。スマートフォンの通信環境を向上させることこそ、インバウンド、国内旅行者に対する「今風おもてなし」の第一歩と考えていいのではないでしょうか。

今年、東京都墨田区の観光協会が「つながる通信環境」というおもてなしを実践すべく、「すみだWi-Fi計画」を立ち上げました。このWi-Fi計画は、墨田区で無料の公衆無線LANルーターの環境とその運用の最適化を図り、大量高速通信環境を実現することで、墨田区を訪れる人が観光やイベントを楽しんだり、地域内外の人々が自由にストレスなくコミュニケーションを取れる通信環境を提供しようとする試みです。小樽市としても、この「すみだモデル」を参考に、「Wi-Fiおたる」計画を推進すべき時期に来たと判断します。

このWi-Fi化計画は、全国各地で導入の検討がされております。福岡市では、今年4月、観光客や市民に向けた新たな情報発信の手法に取り組むため、公衆無線 LAN の環境整備を目的として検討会議を設置しました。

また、北九州市では、すでに商店街のアーケードに公衆無線LANを設置し、ネットで情報発信し商店街の利便性や回遊性を向上させ、滞在型の消費行動を促進する活動を始めております。図書館などの公共施設での導入も検討されております。全国的な知名度を持つようになった小樽観光の充実の一つの方策として、このWi-Fiおたる化を進めるべきと思いますが、市長の見解をお聞かせ下さい。

答弁
携帯端末やゲーム機を利用した情報通信は、近年、目覚しい進展があると認識しております。このよううな状況の中、御指摘のあったWi-Fiについては、既に市内でも導入した施設が増えてきているほか、今年3月には、観光協会の主催で会員向けにWi-Fiの説明会なども開催しておりますので、民間主導で推進が図られていくものと考えております。

小樽港開港90周年を記念して始まり今年23回目を迎えたおたる運河ロードレースですが、参加者は年々増加し、今年は市内や道内をはじめ全国から、2,522人が参加しました。

しかし、町全体を上げて取り組む東京や大阪など他都市のマラソンイベントと比較するとまだまだ盛り上がりに欠けております。小樽体育協会や小樽走ろう会、商工会議所、青年会議所、観光協会などが実行委員会を組織し取り組んでいるところではありますが、運河や港周辺で走ってもらうだけでなく、例えば商店街と連携して経済活性化につなげたり、温泉とパックにした観光プランを提供するなど、全国的な知名度をさらに活かした観光都市らしいイベントにする必要があると考えます。オール小樽でこのイベントをさらに盛り上げるべきと思いますが、お考えをお聞かせ下さい。

答弁
この大会は小樽市と教育委員会が主催し、大会長は私が勤めております。大会役員には体育協会、陸上競技協会のほか、商工会議所、観光協会、青年会議所から就任いただき、さらに、大会運営には460人もの市民ボランティアの御協力など、オール小樽で取り組むイベントとなっております。

コースには、小樽を代表する観光スポットであります小樽運河やその周辺の歴史的景観地域、祝津の海岸線などが取りれられており、市外からの参加者は約8割を占め、小樽観光にも一定の役割を果たしておりますが、さらにロードレースを本市の経済活性化につなげる方策などについて、観光関連団体などと協議してまいりたいと考えております。

2.病院問題についてですが、8月17日に「小樽市立病院改革プラン」の評価委員会が立ち上がりました。

委員からは、「小樽病院(樽病)の収支悪化に大きな懸念がある。医療センターが頑張っているのに、何故なのか。医者が足りないだけではない。人件費比率など他の要因が働いているのではないか 」。

「医師が5名確保できなかったなら、人件費はマイナスにならなければならないのに、人件費が増えていることへの説明が一切なされていないことは、非常に大きな問題点だ」。

「医業外収入の他会計から持ってきて赤字を埋めて黒字にしたという構図なので、市議会で議論していくべきだ」。

「他会計から多額の繰入を行っているが、市民サービスに影響がないのか」などの意見が出されたと報道されました。

この評価委員会で示された平成22年度の進捗状況の公表では、経費削減・抑制対策の委託業務の見直しによる効率化として、平成23年度以降、両病院個別契約の一本化、随意契約の抜本的見直し、更なる委託化の推進を検討すると掲げております。

私は、第2回定例会の予算特別委員会で、小樽病院と医療センターで個別に契約している清掃業務と電話交換業務の一本化を求めましたが、これに対し、病院局からは「検討したい」との回答を頂きました。

公表では24年度以降の取組みと掲げておりますから、すでに一本化を予定している委託業務などを考えていると思います。その委託業務は何か、抜本的に見直そうとしている契約は何か、更なる委託化の推進を検討しているものとは何か、詳しくお示し下さい。

答弁
第1点目の、現在両病院で個別契約をしている業務の一本化につきましては、医事事務や清掃業務、ボイラー業務を含む管理業務などを対象として、検討しているところであります。

今後、各業者とのヒアリングを行うほか、参考見積りを徴収し、一本化することや複数業務を集約することの効果の検証を行い、平成24年度の契約の更新に向け、取組みを進めていきたいと考えております。

2点目の、随意契約の抜本的見直しにつきましては、医療機器の保守点検など特殊性のある業務や、競争入札後の一定期間は随意契約とすることが妥当な業務以外については、原則として、競争入札を採用する方向で検討しているところであります。

3点目の、今後の更なる委託化の推進につきましては、現在、院内物流管理業務いわゆるSPDの外部委託が考えられますので、その有効性について、勉強会を開くなど、検討しているところであります。

また、効果的・効率的な契約手法等の研究・導入で、契約の規準、手法、手続き等の見直し検討という項目の中で、平成24年度の契約までに具体的契約見直し要領の策定を進めることにしておりますが、その策定状況はどうなっているのでしょうか。

答弁
次に、平成24年度契約までの具体的契約見直しの要領についてでりますが、この件は、平成22年度も実施したコンサル会社を通じた先進事例研究を今年度も実施するなどして、個別の業務ごとに効果的な見直しを行ってまいりたいと考えております。

平成23年度第1四半期の1日平均入院患者数が336人となり、目標(予算)の353人より17人の4.8%減、昨年同期の355人より19人の5.4%減と目標数値よりも下回っております。

経費削減・抑制対策として委託業務の見直しによる効率化を早急に進めなければ、道内の市立病院で2番目に高い54.8%に上る医業収益に対する職員給与費人件費の適正化について強い姿勢で臨まなければいけない状況となります。27年度在職職員の給料表切替えに向けた協議及び折衝とのんきなことは言ってられず、早期に適正化を進めなければならなくなります。

他会計や基金からの借入れを繰り返す一般会計が、毎年多額の繰入を病院に行っており、小樽病院のために市民の税金がジャブジャブと注ぎ込まれている状況では、早急に委託契約の見直しを行わなければ、今後の財政支援分や不良債務解消分の一般会計からの繰入は認められませんし、現在の財政状況では繰入れる状況にはないと思いますが、見解をお聞かせ下さい。

答弁
市立病院の経営の在り方としては、病院の根幹である診療収入により医業収益を確保し、同時に支出をできるだけ節減して医業収支を改善し、併せて一般会計から繰出基準に基づく繰入を受け、トータルで資金収支の黒字を維持することが望ましい姿であると考えております。

しかしながら、診療収入増につながる医師確保が現状ではなかなか困難なことから、収支の改善には支出面の節減・抑制が当面の重要な課題と考えております。

このうち、人件費につきましても、今後適正化に向けて可能な取組は進めてまいりたいと思います。しかし、二つの病院の診療体制を維持する必要からも、現病院のある間は、その削減には限度があります。したがいまして、収支改善の効果を上げるには、その他の支出である診療材料費や経費などを節減していくことが必要であります。それで、経費の中で最大の割合を占める委託料の見直しは待ったなしの課題と考え、平成23年度の契約に当たっても、価格交渉により一定の効果を上げたところであります。また、来年度に向けての取組も、先ほどお答えしましたように、進めているところであります。

今後の一般会計繰入金につきましては、基本的繰入金のほかに、平成27年度までは公立病院特例債の元利償還分を繰り入れることとしておりますが、これは実質的に過去の不良債務解消分の性格をもつものであります。このほかに、新市立病院の起債条件の一つである、平成25年度末での地方財政法上の資金不足額解消までは、一定程度の財政支援分の繰入れが必要と見込んでおります。それで、病院局では毎年度の収支改善に全力で努め、財政支援分についてもできるだけ少額に留めていきたいと考えております
以上であります。

3.丸井今井跡の問題についてですが、第2回定例会の私の一般質問に対し、市長は、「今後の見通しにつきましては、現時点では、競売手続の終了が一つのめどとなるものと考えておりますので、市といたしましては、既に第1種大規模小売店舗立地法特例区域の指定を受けており、引き続き、施設の再生に向けた取組を進めてまいりたいと考えております」と答弁されました。

この後、旧丸井今井小樽店と旧小樽グランドホテルが入居していた商業ビルの土地と建物の一部の競売で、札幌地裁が8月12日に2度目の入札価格を公示しました。先般、最低価格が1度目の6億2,195万円から3億1,089万円の半額に設定されましたが、応札がなかったとの新聞報道がありました。市長は、稲一再開発の道筋をつけると公約されておりますので、この間色々と取り組まれてると思いますが、その後の進捗状況と対応をお示し下さい。

答弁
同ビルにつきましては2回目の競売が行われ、入札者がいなかったため、現在、特別売却が行われております。この間の市の対応といたしましては、小樽開発株式会社の破産管財人及び小樽商工会議所と協議を進めておりましたが、現段階では取得者がいないことから、具体的な取組が進められない状況にあります。今後、取得者が現れた場合には、商工会議所ととも密接に連携を図りながら、施設の再生に向けて十分な協議を行ってまいりたいと考えております。

これまで山田前市長は、「民民の問題」として消極的な姿勢を貫いてきましたが、民間出身で商工会議所専務理事だった中松市長は、5月の就任会見でビル再生に強い意欲を示したと伺っております。

しかし、当選してから、競売の推移を見守るなどと山田市長に引続いて消極的な発言が繰り返されております。中松市長就任後、丸井今井周辺の商店街で、水晶堂めがねやグラフ商会の老舗店など3店舗が閉店し、周辺の商店主からは、「丸井のところを早くに解決してくれないと店がもたない」と不安の声が多く聞こえております。このような状況に対し、市長はどのようにお考えでしょうか。お聞かせ下さい。

答弁
本市の人口減少や高齢化の進行による購買力の低下に加え、インターネット販売など個人消費の多様化や、駐車場を備えた郊外型店舗の増加、さらには、商店経営者の高齢化や後継者不足など、様々な事情に起因するものと捉えております。稲一再開発ビルは、本市の中心市街地の活性化を図る上で、大変重要な施設でありますので、周辺商店街の振興のためにも、一日も早く再生させることが必要であると考えております。

丸井今井跡の競売手続きの終了が一つのめどとなると悠長なことを言っていないで、市主導でもっと積極的に行動をおこすべきと思います。

他市では、旧丸井今井店舗の活用として、旭川店が商業施設のフィール旭川として6月に再オープンし、空きビルだった店舗が買い物客でにぎわい、室蘭店跡ではヤマダ電機が9月10日から営業を開始し、オープン直後には大勢の市民で活気にあふれたとのことです。民民の問題とか競売手続きの終了が一つのめどなどと消極姿勢ではなく、一日も早く道筋をつけてもらいたいと思います。

例えば、選挙戦で相手陣営が主張していたように、丸井今井跡を市が購入し市役所機能を移転させるといったお考えはないのでしょうか。もし検討された経緯があるならば、移転費用や改修費などをどの程度見積もっておられるのかお示し下さい。

答弁
同ビルにつきましては、本市中心3商店街の中央に位置すること、また、観光集客ゾーンの堺町通りに近接していることから、商業機能を中心とした立地が最もふさわしいものと考えております。さらに、内閣府の認定を受けた中心市街地活性化基本計画の中におきましても、「市民を中心市街地へひきつける魅力的な商業施設の進出を促す」と位置づけていることから、同ビルへの市役所の移転につきましては、現在のところ考えておらず、移転等に関わる費用を算出したことはありません。

4.大正3年から 稼動し97年の歴史がある奥沢ダムですが、一部に陥没箇所が見つかり、現行の施設基準による改修に100億円に近い数十億の費用がかかること、市内の給水量に不足をきたすことがないとの理由もあり、、 廃止の方針が示されました。奥沢水源地は、土木学会の「土木遺産」に登録されており、貴重な近代化遺産であります。このダムを含めたこの水源地に対する道とのこれまでの協議内容をお示し下さい。

答弁
奥沢ダムは河川占用物でありますので、河川管理者である北海道との協議が必要であります。これまでの主な協議内容につきましては、一点目は、奥沢ダムの提体の陥没箇所について、部分的な補修が可能であるか相談をいたしましたが、漏水の原因を特定することは困難であり、たとえパイピング現象、すなわち提体内のパイプ状の水みちから土砂が流出したことによるものだとしても地盤のゆるみに対する補修方法が確立されていないとのことでありました。

二点目は、ダムの提体の改修についての相談を行い、改修に当たっては、ダム施設の全体を現行の施設基準に合致させることが求められるとのことでありました。

三点目は、洪水対策についての相談を行い、今後の出水に備え下流域に影響が生じないよう、必要な措置を講じるよう、指導を受けたところであります。今後、ダム以外の水道施設の保存方法については、河川管理者である北海道と協議を行ってまいりたいと考えております。なお、降雨によりダムに貯まった水を強制排水するには、小樽市だけでは対応が難しいと判断し、北海道開発局や北海道へ支援を求めたところであります。

市民の方からは「小学校の時に遠足で行った」、「夏に涼しむために散歩した」、「歴史的な遺産、ぜひ残して欲しい」という声が多く寄せられております。市長は、水すだれといわれる階段式溢流路(いつりゅうろ)を はじめとした奥沢水源地の施設どのように残していくのか今後の方向性、考え方をお示し下さい。

答弁
奥沢水源地は、大正3年の水道創設から97年間、現役で稼動してきた水道施設であり、先人から引き継いでいる歴史的な土木施設であると思っております。特に、21メートルの落差を10段で流下させる階段式溢流路の景観は、例えば、夏には清涼感を与え、秋には紅葉に映えるなど、その四季折々の美しさが、訪れる市民などに安らぎを与えるものとなっております。したがいまして、奥沢水源地の今後につきましては、奥沢ダムは廃止となりますが、基本的には、ダム以外の奥沢水源地内にある水道施設は可能な限り存続してまいりたいと考えております。

5.小樽市指定ごみ袋についてですが、小樽市は、ごみの減量化や資源化を図るため、平成17年4月から家庭ごみの有料化を実施しました。

指定ごみ袋の契約額は、平成23年度5,560万円、平成22年度5,422万円、平成21年度4,979万円となっております。この指定ごみ袋の入札で、市は、作成会社からではなく、販社を通して購入しております。販社を通すことで余分な経費がかかっていると、市民の方から問合せがありましたが、なぜそのような契約形態となっているのでしょうか。ご説明願います。

答弁
契約の内容が、「市で指定した仕様に基づくごみ袋を購入する」ものであるため「物品の買入れ」となりますので、発注業者につきましては、本市の指名登録業者の「金物雑貨」に登録され、ごみ袋の取扱いができる業者で、かつ市内に本店、支店、営業所を有している販売会社を指名しているところであります。なお、指名にあたっては、地元企業の育成を目的に、仕様書において「製造及び印刷については、小樽市内の工場において行うこと」として出荷証明書の提出を条件としており、地元の製造会社及び販売会社の受注機会の拡大を図った契約方法を行っております。

6.新市民プール建設ですが、8月31日に、小樽市室内水泳プールの存続を求める会が、中松市長と面談し、新市民プールの早期建設を要望されました。

私は、先日11日の市民大会水泳競技会に13年ぶりに選手として参加させて頂きましたが、会場となった高島プールは大会用の施設として建設されたわけではございませんので、公認記録の資格がなく、選手の控え室やロッカー、応援席などが手狭な状態でした。また、サンビルに設置されていた以前のプールと比較すると交通の便が悪く、利用時間も限られており、市民の方から、早期に新市民プールの建設が求められております。

第2回定例会で一般質問しましたが、第6次総合計画では、23年度から25年度までに2,800万円で、基本設計、実施設計を盛り込んでおり、そろそろ具体的に示さねばいけない時期に来ていると思います。見解をお示し下さい。

答弁
去る8月31日に「小樽市室内水泳プールの存続を求める会」と懇談の機会があり、皆さんからプール建設への強い思いをうかがいました。第2回定例会の中でもお答えしましたが、課題としては建設地の確保と学校耐震化の促進など多くの建設事業を抱える中での事業予算の平準化があります。先の、東日本大震災を受け、文部科学省は学校耐震化の促進を打ち出しており、新市民プール建設は総合計画に位置付けられている重要な事業ではありますが、行政ニーズが山積する中で、優先順位を見極めながら取り組む必要があると考えております。

7.最後に、東日本大震災の被災家族の受入れについてですが、市は、被災者の受入れとして、市営住宅15戸を提供しておりますが、受入れ開始後の入居状況はどうなっているのでしょうか。住んだ家族の小樽在住の感想をお聞かせ下さい。 

答弁
4月1日から現在までの入居者は、15世帯47名ですが、その後の状況により、地元に戻られた方もおり、現在は、6世帯15名の方が入居をしております。次に小樽に避難された方の感想についてですが、「小樽へ避難してから地震、余震がないので安心してぐっすり眠れました。子供たちもすっかり小樽が気に入ったようで、帰りたくないと言っています」とか、「小樽へ来たことで、放射能を気にすることなく、子供を外で遊ばせることが出来ました。子供もすごく喜んでいました」という多くの感謝の言葉をいただいております。

今夏、民間団体のYaReRuKoTo実行委員会が、子供達が太陽の下でのびのびと遊べる場所、草や土を自由に触ることの出来る場所、蛇口から出る水を飲める場所、夏休みの期間中だけでも震災以前の普通の環境・当たり前の生活を送って頂き少しでも子供たちに笑顔・笑いを取り戻してもらいたいと、被災地の家族を小樽に招く「福樽プロジェクト」を実施しました。

このプロジェクトの事業の一環で、家族たちに塩谷海水浴場で遊んでもらうイベントが行われ、私もボランティアスタッフとして参加させて頂きました。子供たちが小樽の海ではしゃぎ喜ぶ様子を間近に見ることが出来、大変嬉しく思いました。

このプロジェクトの活動費は北海道の助成金もありますが、福島から移住してきた実行委員会の代表の方の退職金と協賛金、募金で賄おうとしておりました。

政治資金規正法違反で罰金刑と公民権停止処分を受けた部長が人事異動で参事に異動したことで、結果部長職が増えることとなり、これにより給与費が180万円増加する事実を受け、市民の方々からは、処分を受けた人の人事異動で給与費が増えるなら、市は福樽プロジェクトに少しでも補助金を出すべきではないかなどと厳しい意見が寄せられております。

小樽滞在した子供たちは、「また小樽に戻りたい」、「放射能を気にしないで小樽に住みたい」などのメッセージを残し、福島へ帰省しました。

帰省後には小樽生活での思い出がつづられたメールが実行委員会の下へ届けられております。一部を紹介します。「ここでの暮らしは窮屈で不自由なのでやはり母子避難を考えています。主人は車で行ける場所を望んでいますが、私はやっぱり小樽に戻りたいのでなかなか決められません。主人には申し訳ないけど、母子は早く小樽に戻りたい気持ちです」。

実行委員会には、福島から小樽へ移住したいという声が多く寄せられておりますし、北海道では、東日本大震災の被災者向けに応急仮設住宅として民間アパートなど計600戸を借上げるため補正予算を計上したとのこと。

小樽市には、被災地家族からの移住希望の声に親身に応えて頂きたいと思いますが、どのように対応頂けるのかお示し下さい。 

答弁
プロジェクトに参加した方に限らず、今回の東日本大震災で被災された方やその家族の方には、市営住宅の提供や生活相談などについて、これまでどおり親身に対応していきたいと考えております。

8.その他
通告には間に合いませんでしたが、昨夜、小樽市職員の政治資金規正法違反事件に関する調査委員会が、報告書を市長に提出しました。報告書を読んだ市長としての受止めをお聞かせ下さい。

答弁
報告書を読んでの受け止めについてですが、昨晩、まず目を通させていただきました。内容が多岐にわたっておりますので、今後、更にしっかりと読みたいと考えておりますが、現在の受け止めとしては、精力的に調査・検討していただいた委員会の意見や提言につきましては、非常に重いものと考えておりますので、このようなことを二度と起こさないよう、また、市民の皆さんの信頼を回復できるよう、最大限の努力をいたしたいと考えております。

提言の中で、政党機関紙や政治集会への誘い、カンパを強いることなど、職員の勤務時間中に行われるのと異なって問題となる場合が考えられる。こうした状況が続いていたら、職員が違法なパーティー券販売に至ったことも否定出来ないとまとめられている。市民の信頼を回復出来るように最大限努力するとおっしゃっている市長が、委員会の示したこの提言を再発防止策にどのように生かすかお考えをお聞かせ下さい。

答弁
今後、提言に即して、私から議会へ「議会自らが一定の行為規範を策定して関係者に周知していただく」ようお話しをさせていただくことともに、職員側としても勤務時間中における議員との関係などについて、改めていろいろな機会をとらえて周知・徹底してまいりたいと考えております。