<九州地方の半導体人材、大手企業と協力多発>

~SUMCOやソニー、さらには台湾の大学も~

 

 

 

日本全国で半導体人材需要が高まりつつあるが、特に九州地方では需要が旺盛となっており、それに応えるべく各機関(特に大学)が行動を起こしつつある。

 

 

12月1日、長崎大学はマイクロデバイス総合研究センターの開所式を行った。

このセンターは、人材育成・研究開発の両輪で大学と企業を繋げる拠点としての立ち位置となっている。

 

特に、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングが同大学のキャンパスにて、IoTに関する教育用ラボを2021年から運営しており、さらにソニーとの関係も深まっていきそうだ。

 

同大学の学長は、センターの目的について挨拶の中で、「人材の育成」であることも述べた。

 

 

12月4日、九州工業大学(九工大)は半導体素材大手SUMCOと人材育成などを目的とした包括協力協定の締結を発表した。

 

SUMCOと九工大は、既に2017年から共同研究講座を設置しており、産官学組織の九州半導体人材育成等コンソーシアムにも両者は参加している。

 

講義・インターンシップなどを通して、AIなどに関する知識を蓄えた人材育成へも取り組んでいくようだ。

 

 

そして、最後にお伝えしたいのは海外との関係性だ。

 

11月9日、熊本高専は台湾・成功大学の半導体部門の大学院と共同研究などの推進について覚書を締結した。

 

TSMCへも多く人材を送っている成功大学と組むことで、半導体人材の育成へ繋げていきたいようだ。

 

 

このように11〜12月だけでも九州地方の大学・高専にて、3つの大きな半導体人材育成に関するニュースが報じられており、大きなプロジェクトが進み始めている。

 

 

海外出身の方々の技術力だけに依存していては、せっかく国内回帰した日本の半導体企業も活きることはない。

この各大学の人材育成プロジェクトが今後どのように半導体業界へ影響を与えていくのか、要注目していきたい。