<GAFAが進む 独自半導体の道>

~クラウドシェアNo.1 AWSの描くシナリオ~

 

 

GAFAが高性能半導体の分野で着々とシェアを広めつつある。

 

2022年の第3四半期段階において、クラウドシェア1位がアマゾンのAWS34%)で、2位がマイクロソフト(21%)、3位がGoogle(11%)といった構図となっている。

 

今回は上位2企業に焦点をあて、半導体分野の動向をお伝えしていきたい。

 

11月15日に開かれたイベントにおいて、マイクロソフトはAI処理の最適化向け半導体「マイア」とクラウドサービス向け半導体「コバルト」という2種の独自半導体の開発を発表した。

 

その他GAFA企業が自社半導体を開発する流れに追随する形で攻勢を仕掛けてきた。

 

しかし、マイクロソフトが手を打つ前に、既にクラウドシェアNo.1のアマゾン側は手を打っている。

 

 

 

 

AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)のチェイタン・カポール・ディレクターは、GPU(画像処理演算装置)不足が今後2〜3年続く見通しとそれを前々から見越して自社製半導体の製造に注力していることを話した。

 

AWSは、AIチップの独自開発へ着手しており、2019年にAIチップ「AWS Inferentia」を既に市場投入していた。

さらに、後には学習用チップ「AWS Trainium」も実用化へ踏み切っている。

 

もちろんそれだけではない。

 

ちょうど1年前にあたる2022年11月28日には、自社製のプロセッサーである「グラビトン」の最新版を基幹とした新型半導体を市場投入することを発表している。

 

この新型半導体は天気予報、遺伝子配列解析などのタスク支援を可能にしており、アマゾンによれば、IntelやAMD製造のプロセッサーよりコスパ良い演算能力を顧客へ提供できるとしている。

 

 

このように、近年の半導体不足やAI向けの高性能半導体の需要が叫ばれる前に、AWSは既に万全な準備をしていた訳だ。

 

 

これからもAWS、ひいてはアマゾンの時代は続いていくのかもしれない…。