<規制に耐えた 中国の半導体情勢>

~輸入と販売は増加、日本とも対話路線で調整~

 

 

 

米中半導体規制が厳格化している現状の中、思いのほか中国が持ち堪えており、米国側はどのような次なる手を打ってくるのか非常に興味深くなってきた今日この頃である。

 

 

 

 

中国が半導体製造装置の輸入を急増させている。

中国の2023年7〜9月期の半導体製造装置輸入額が前年同期比9割増となったことが日経新聞の記事で報道された。

中国は、米政府が製造装置輸出規制を強化した中でも、先端半導体の製造に成功しており、その成功はこの製造装置による所は非常に大きいものと思われる。

 

さらに、SIA(米国半導体工業会)発表の9月の世界半導体販売額が、前年同月比で4.9%減となったものの、前月比では1.9%増となったことが発表され、地域別換算では、中国は前月比0.5%増の130億5000万ドルとわずかではあるが上昇したことも発表された。

 

 

そして、近く行われたAPEC界隈の話へ移る。

 

 

11月14日、APEC(アジア太平洋経済協力会議)の閣僚会議に合わせて訪米している、日本の西村康稔経産省と中国の王文濤商務相が会談を行なった。

 

そこで、両者は日中両国の輸出管理に対する制度・運用の協議を行う「日中輸出管理対話」を創設することで合意したことが分かった。

この対話では、両国の局長・課長級の輸出管理担当者が話し合う形で、少なくともこれから年1回は開催していきたいようだ。

 

既に、来年の上半期にも対話協議を行う方向で進められている。

 

中国側としては、これからさらに米国から先端ものの半導体が規制され、それに追随してくる日本勢の半導体製造装置による輸出規制厳格化などを防げた格好となる。

 

 

しかし、これで落ち着くとは思えず、今年の年末までにまた何かしらの一悶着があっても何ら不思議ではない模様だ。

 

 

引き続き、日米欧中の動きに注目していきたい。