<ついに動き出した新生”ラピダス”> 

〜北海道・千歳市で新工場の起工式 2nm以下の先端半導体〜

 

 

 

 

 

 

 

 

9月1日、半導体メーカーラピダスが北海道千歳市で新工場の起工式を行った。

 

ラピダスとは、トヨタ自動車・デンソー・ソニーグループ・NTT・NEC・ソフトバンク・キオクシア・三菱UFJ銀行の8社からの出資で成り立つ半導体メーカーだ。

 

そんなラピダスが目指す先は「2nm世代のロジック半導体の技術開発」である。

2027年に量産技術を確立し、10年間で5兆円を設備投資などに充てる計画を立てている。

出資8社が合計73億円、政府は補助金700億円を出資している形だ。

だが、10年間で5兆円の調達が必要な計画には到底歯が立たないような金額であるため、資金面の調達は未だに課題が多そうだ。

 

2nm生産への計画(引用:東洋経済オンライン)

 

そして、もう一つ根本的な課題は存在する。

それは、約10年ほどで2nmのロジック半導体を開発することだ。

あのTSMCですら2022年12月末にようやく3nmに到達したばかり。

サムスンは4〜5nm、インテルは7〜10nmから進めておらず、日本に至っては40nmのプロセスで停滞したままである。

 

そんな日本で10年近くで一気に2nm世代のロジック半導体にまで突き進むことができると言われると、正直不安点だらけだろう。

 

 

しかし、米IBMやオランダのASMLと関係の深いベルギーに位置するimecと技術提携を結ぶことが発表されており、米ラムリサーチとベルギーのimecは新規に工場を開設する北海道へ新拠点を設ける計画を表明している。(日経新聞

 

 

まだプロジェクトが始動したばかりのラピダス。

現時点では達成できる希望の光はまるで見えないような計画ではあるが、過去「半導体立国」とまで言われた日本の再興に期待したいところだ。