<韓国半導体産業の逆襲>
〜韓国政府の「K-半導体戦略」構想とサムスンの「ビジョン2030」〜
今回お伝えするのは、韓国政府の半導体産業に対するアプローチについてだ。
それを語る上で欠かせないのは「K-半導体戦略」だ。
K-半導体戦略
2021年5月に韓国産業通商資源部が発表した韓国半導体産業の強化を目指す国家戦略
韓国半導体大手サムスン電子やSKハイニックスを代表とした153社の半導体企業は、2030年までに510兆ウォン(約49兆円)以上を投資する(2021年は41兆8000億ウォン(約4兆円)の投資を行う)
2019年「システム半導体戦略」、2020年「AI半導体戦略」に次ぐ3つ目の韓国半導体国家戦略となる
<具体的な内容(一部)>
・「K-半導体ベルト」(半導体産業を3地域に集積)の設置
・1兆ウォン(約1100億円)以上の「半導体設備投資特別資金」を新設
・水資源確保や電力インフラ構築などのインフラ支援
・2022年〜2031年の10年間で半導体産業人材3万6000人の育成 など
これが「K-半導体戦略」の主な中身と説明となる。
そんな韓国政府の半導体国家戦略に呼応する形で発表されたのがサムスン電子による「半導体ビジョン2030」だ。
半導体ビジョン2030
133兆ウォン(約13兆円)を投資してシステム半導体の開発・生産の施設拡充を行う
133兆ウォンの内訳は、R&D(研究開発)分野に73兆ウォン、最先端生産インフラ分野に60兆ウォンといった形
システム半導体R&D・製造専門担当者1万5000人を採用する
韓国は地政学的にも政治的にも重要な立ち位置を占めている。
中国-アメリカによる貿易戦争や半導体関連の出来事に立場を肩入れすることは許されず、どちらにも良い顔をしておかなければならない。
そのため、韓国が立場を肩入れするといった状況になった際には、我々には想像できないもしくは悲惨な事象が起こりうる可能性があることを知っておいてもらいたい。