10年くらい前の真夏の夜10時頃。



ものづくりの作業を終えた私は、帰宅する前に工場の2階事務所で作業記録をつけていました。



作業記録にもれがないか確認してみると、冷凍保管する材料のナンバーを記入してないことに気づきました。




面倒くさいなぁーと思いながら、誰もいなくなった1階の製造現場に行き、材料の保管された冷凍庫の中に入りました。




冷凍庫の広さは6畳くらいで、高さは2.5mあるので、人が出入りできる大きさです。




確認する材料は冷凍庫の奥の方に入っていて、他の材料をどかさないとナンバーは見えない状況でした。




真夏なので扉を開けっ放しにすると冷凍庫の中の温度がすぐに上がってしまうので、冷凍庫内の照明をつけて扉を閉めきってナンバーをチェックすることにしました。



材料のナンバーをチェックし終わって、





「寒い寒い寒い・・・・、早く出よ」





と思いながら、冷凍庫の扉を開けようとすると、扉は開きませんでした。




ボタンを強く押せば、いつもは簡単に開く扉なのですが・・・、開きませんでした。





とりあえず、翌朝8時に他の社員が出社するまで、冷凍庫の中で過ごすことになりました。







冷凍庫の中は、-20℃。






このままだと凍えて死んじゃうので、まず冷凍庫の中で駆け足をしてみました。




服装が半袖の夏服ということもあり、全然体は温まりませんでした。




むしろ体が冷えてきて、だんだん動きたくない気分になってきました。






・・・






人生あきらめました。





明日冷凍庫の中で死体で見つかった時に、もがいたような顔していると恥ずかしいと思ったので、

材料の入った段ボールの上でそっと横になって、おだやかな感じで朝を迎えることにしました。








横になった時、私のズボンのポケットの中に何か入っていることに気づきました。





携帯電話でした。





普段携帯していないのに、このときは持っていました。

(もうじき身内が死ぬと父親から連絡を受けていたので、持っていたんだと思います)





冷凍庫の中ですが、電波が2本立っていました。





助かる。






希望が出ました。






さて、誰に電話しよう?





工場2階の事務所?





1個年上の先輩?






と考えましたが、こんな恥ずかしい状況を誰にも知られたくありませんでした。





絶対に噂される。






絶対に嫌だ!!





・・・







私は扉をあけるべく、再び立ち上がりました。メラメラ






そして、渾身の力を込めて扉をアタックした結果、3回目で扉を開けることができました。






キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!








ちょっと冷凍庫の前で落ち着いてから、何事もなかったように冷房の効いた2階の事務所に戻り、再び作業記録をつけ始めました。






おしまい。







P.S.

10年後の今年、所属グループ6人で行った安全教育の際、実体験としてこの話をしたところ、相当笑われることになりました。



あのとき、電話しなくてよかった。



それと今日は非常に寒いので、寒かった冷凍庫の中を思い出しながら書いてみました。

(過去のブログには1回書いたような気もしますが・・・)



それではまた。





P.S.2

冷凍庫内の温度が上がってしまうことより、命の方が大事なので、


「冷凍庫の中に入った時は扉は閉めないで」


と、安全教育で言いました。