帝王切開って麻酔の注射さえ我慢すれば、手術中は何も感じないと思っていました。
しかし麻酔の効いた脚は何とも言えない気持ち悪さがあり、そしてムカムカと吐き気がしていました。

私が出産した病院は、帝王切開でも夫のみ立会いできます。
最初から最後まで手術室にいるのではなく、赤ちゃんが出てくる直前に呼ばれます。

執刀医が看護師さんに、「ご主人呼んで」と言いました。
「今からお腹切りますよ」とか何も言われていなかったので、「あぁ、もうお腹切ってたのか…というかもう赤ちゃん出てくるのか…」とぼんやり思っていました。

手術室では看護師さんが動き回っているため、いつ主人が入ってきたのかわかりませんでした。
そういえば私の頭上あたりにじっと座っている人がいるなぁ…主人かなぁ?と思いそちらを見ると、看護師さんに「頭動かさないでね〜」と制止されました。
自然分娩のときもそうですが、分娩室や手術室では看護師さんと同じような水色のキャップとガウンを着用するので、裸眼では誰なのかわかりません。

そうこうしていると執刀医が、「はいおめでとうおめでと〜」と言い、お腹の方を見ると、緑色の人(執刀医)が何かを持ち上げ、同時に産声が聞こえました。

看護師さんが眼鏡をかけさせてくれ、生まれた娘を顔のそばに持ってきてくれました。
生まれたての赤ちゃんなんて皆んな似たような顔なのかもしれませんが、その姿が息子が生まれた時とそっくりでした。

そしてやはり私の頭上あたりに座っていたのは主人でした。
主人は本当に生まれる瞬間だけの立会いで、すぐ手術室の外へ連れて行かれました。

娘も手術室の外へ連れて行かれ、主人や私の両親にお披露目されていました。
産声が力強く、手術室にもずっと聞こえていました。


まだ一瞬しか見ていませんでしたが、息子とそっくりな娘の顔を思い出し、こみ上げるものがありました。
そんなふうにじーんとしていると、「はい胎盤出まーす」という声がしたので、胎盤が出されたのでしょう。
機械で何か液体を吸い出すような音が聞こえます。
羊水とかを吸い出してたんですかね?

そしておそらく縫合が始まりました。
急に吐き気が今までよりも強くなってきました。
キツかったら言ってくださいと言われていたので、よっぽど言おうかと思うほどでしたが、耐えました。
あまりに気持ち悪く、引き続きじーんとしている余裕がありませんでした。

しばらくするとまた娘が連れて来られたようで、手術台近くの台の上でいろいろと処置を施されているようでした。(きれいにしたり?)

すると再び顔のそばに持ってきてくれ、頰ずりのように顔に触れさせてくれました。

そうこうしていると、縫合も終わったようでした。


つづきます。