古代のヨガとは、自分自身に向けて目を開くための道であり、現代の俗世で散見するヨガとは大きく異なる。現代のヨガのほとんどは、物質界で何らかの力を得ようとする利己心から成っている。それに対して、古代のヨガは自分という人間を追究する霊的な行であった。人間はリズムでできている。呼吸も血液の循環も律動的なのだ。一人ひとり個体差があるにしても、脈拍は呼吸数の四倍。お互い緊密に関連し合った呼吸や脈拍、その他多くの体内のリズムが人間を形成している。そしてこのリズムの中に、感情や情動が生まれる。よく、心の中の動きは脳の電気信号だと考えられやすいが、知性は神経が司るものであるにしても、感情や情動はこのリズムの中にある。呼吸によってリズムが脳内をめぐると思考になる。散歩をすると脳がクリエイティブに活性化し、思考や創造が捗ると言われる。実際に、世界中の研究者や作家さんも歩くことでヒントやアイデアを得ることが多い。身体を動かすことで呼吸のリズムが活発になり、思考を巡らせている。呼吸に意識を向けると、リズムを自分の意思で制するようになる。ヨガは呼吸により自分に達する方法であるが、それは自分という存在を形成するリズムを感じることから可能になるのではないか。