小桜です。


先日、令和5年度弁理士試験、論文式筆記試験を受験してきた。


論文試験を受けるのは、実はこれが2回目である。去年と同じく、池袋の立教大学まで足を運んだ。


さて、緊張がなかったと言えば全くの嘘であるが、前日までは全く日常の延長のような日々を過ごしていた。前日になって急に、「明日が論文試験」という事実が、カレンダーの7/2という日付が、現実味を帯びて心を支配してきた。


論文試験は必須科目と選択科目からなる。達者な方々が多い業界なものであり、選択科目は免除されるケースも多い。しかし私は拙い者なので選択科目も免れられない。


この日受けたのは必須科目。朝の9時から夕方17時までの1日をかけた長丁場の試験である。


去年初めて同試験を受けた時、厳格な雰囲気に呑み込まれ、緊張で右手が硬くなり、思うように文字が書けない。さらに一張羅のボールペンが答案用紙と不仲な相性のようで、悲惨に終わった。ペン先を紙に転がしてもインクが写らない事が幾度かあった。

帰りに公園の片隅でひとり泣いた記憶がある。


一方で今年はというと、去年の厳格な雰囲気とは正反対、行政機関の試験と思えないほど緩く、監督員も抜けた感じで(本人は真面目にやっているのだろうが、こちらから見ると戯けたように写る)、まるで英検を受けにきたかのようだった。

1番入り口に近い最前列で、目前に受験生がいないせいだったのだろうか。


帰りに例の公園をまた通った。一年前に泣いた場所だぁっと、歩きながらその場所を見つめて一年前の自分を慰めてみる。

「よくがんばったね。大丈夫よ、一年後にはこうやって笑えるようになっているから。」

過去の自分に届いただろうか。


こう振り返ってみると、一年というのはあっという間である。

シャボン玉を飛ばす時、棒に息を吹いて、棒の先に泡がついて、さらにその泡が大きくなって、もっと息を吹くとその泡が棒から離れて飛んでいく。

泡は空中を漂い、しばらくすると弾けてなくなる。

これが人の人生のようだ。儚く一瞬だ。

一瞬の人生のうちのさらに一瞬の一年なのだから。本当に儚い。


そんなことよりワインを飲みたい🍷