N子さんに振られ自暴自棄になり、やさぐれながら仕事をしていた。

ある時、大阪に2週間の予定で出張に行く事になった。
こっちにいても色々思い出してしまうので、俺は喜んで大阪に行った。


大阪では毎晩のように会社の経費で飲み歩いた。
その日も大阪支社の人と飲んでいると隣に素敵なおねーさんの二人連れが座った。
失う物の無い俺は速攻でナンパして一緒に飲む事に成功した。

楽しく飲んで別れる時メルアドを聞いて名前も聞いた。

「N子」
二人のうち目をつけた子の名前を聞いて驚いた。
「えっ?」
俺が聞き直すと再度言った。
「N子」
「それはどういう字を書くの?」
俺が恐る恐る聞くと彼女は携帯に打ち込んで見せてくれた。

よかった・・・字が違う。


メールするねと言ってN子さんは夜の街に消えた。
メールなんか来ねーよと言う支社の人の意に反してメールは来た。
それはまた、飲みに行きましょうと言う内容だった。
早速日時を決め俺はその日を待った。


約束の日、俺は待ち合わせの梅田の駅にいそいそと出かけた。
N子さんはすでに来ており俺の腕を取って歩き出した。

「今日飲みに行くやんか、その前に軽く食べていこ」
そう言って回転寿司に連れて行かれた。

回転寿司屋から出ると再び俺の手を取り言った。
「飲む店うちの知ってるスナックでいい?」
別に断る理由も無いのでうなずくと、とあるビルに連れて行かれた。

「ここの3階にあるん」
「えっ?ここ?」
そのビルは繁華街からちょっと外れた路地裏にあった。
俺たちはエレベーターで3階に上がりドアを開けた。
「いらっしゃーい・・・なんだSちゃんか」
えっ?今なんとおっしゃいました?


「おはよう」
N子さんは当たり前のように挨拶をして中に入った。
そして俺をカウンターに座らせた。

「何、飲むん?」
「えっ?・・・あっ・・・ビールを」
「じゃあ飲みながら待っててな、すぐ着替えてくるから」
そう言ってN子さんは店の奥に消えた。

えっ・・何これ・・もしかして今日同伴なのか?・・この間のは営業?


俺はビールの入ったグラスを持ったまま、固まっていた。



つづく