俺はその日、目覚めると体中に力がみなぎっているのを感じた。
今なら何でも出来そうな気がする。
早速俺は仲間のところに行き、今の地を這い蹲るような生活から
脱しようと説得して回った。
しかし、例え暮らしぶりは悪くてもそれなりに安定している
生活を捨ててまで俺についてくる奴はいなかった。
俺は仲間を求め旅に出ることにした。
途中火口のそばを通ったり洪水に流されそうになりながら旅を続けた。
しかし出会う奴、出会う奴今の暮らしでいいと言う。
俺はこんな残飯をあさるような生活は真っ平だ。
付いて来る奴のいないまま俺はさらに旅を続けた。
そして広大な谷にぶつかった。
迂回する道はなさそうだ。俺は意を決して跳んだ。
「キャー」
悲鳴が聞こえたので僕は慌てて台所に行った。
台所では妻がへたり込んでいる。
「どうした」
抱きかかえると妻は壁を指した。
「あそこ・・・」
僕はそいつを見て新聞を丸めた奴で叩いた。
「ほら退治したよ」
「ありがとう」
「それにしてもすごい悲鳴だったね」
「だって急にそのゴキブリ飛ぶんだもの・・・」
終わり