『キャロル』
横浜でのバンド活動を経て、矢沢はキャロルで華々しく世の中に登場する。
だが、彼にとってキャロル時代は、決して良い思い出ばかりではないようだ。
ソロデビュー後は、元キャロルの矢沢永吉という肩書きをかたくなに封印している。
矢沢を苛立たせたものは、ミュージシャンを取り巻く状況と、そこに酔わされてしまうメンバーたちのふがいなさであった。
当初キャロルは4年契約を結ばされた。
これは喜ばしいことに思えるかもしれないが、バンドが売れることを見越して、安い値段で囲い込もうというレコード会社の策略でもあった。
その後、いくら売れても印税率は変わらないため儲けることが出来ない。
給料の額はかつての赤貧の時代に比べれば十分ではある。
だが、そこで家賃の高いマンションに引っ越して、毎日飲んで遊んでハイ終わりではないだろうと矢沢は考えていた。
音楽やってれば何でも許されるという状況に苛立っていた。
矢沢は、徹底したリアリストであった。
キャロルは2年余りの活動期間を経て解散している…
ホイジャ!