あの日、泣いていた僕は
遂に救われることはなかった
信じていたものに裏切られ
絶望に支配される毎日
自分すらも愛せず
まわりのすべてを憎み
僕は独りになった
人を愛する意味、
人を信じる意味を見付けられず
傷付かないように
誰も傷付けることのないように
己を殺した
どれだけ己が泣こうが喚こうが
その日から憧れた自分を得るために
それ以上、傷付くことのない自分を得るために
そうしてできた"僕"は
独りじゃなかった
いつでも側に誰かいてくれた
似たような傷を舐め合いながら
孤独に耐えられなかった僕は、それだけで小さな幸せを感じていた
それでも裏切られ
苦しみ、また独りになり
その都度自分を責めていた
足りない、もっと
心の深い男にならなくちゃ
足りない、もっと
包容力のある優しい男にならなくちゃ
足りない、もっと
羽根を休める宿り木のような存在にならなくちゃ
そのためなら
どれだけこの身を削ったっていい
独りの夜から逃れられるなら…
誰かと冷え切った躰を温め合うことができたなら…
癒しは、求めていなかった
何も、期待してはいなかった
誰も癒すことはできないと思っていたから
信じる必要なんか無い
惹き付けておきさえすればいい
誰かの心を満たし続ければいい
ただ、それだけの簡単なこと
だけど、本当に欲しいものは手に入らなかった
誰も信じなかったから
誰も、僕のことを心の奥底から信じてはくれなかったのだろう
あの日、泣いていた僕は
未だに救われることを願い続けている
信じるものを信じ続けられる自分
信じることに応えてくれる、大切な人
ひとりを信じることは
誰にでも癒しを与えることよりも遥かに難しい
裏切られる恐怖
あの、目の前が真っ白になる感覚は
未だに僕の心と両眼に焼き付いている