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「「石巻こそ在宅医が必要」専門診療所が開設-震災半年・宮城(6)(医療介護CBニュース)」に関するニュース最新の話題です。
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「石巻こそ在宅医が必要」専門診療所が開設-震災半年・宮城(6)(医療介護CBニュース)

 この9月、宮城県石巻市に在宅医療専門の診療所・「祐ホームクリニック石巻」が産声を上げた。東日本大震災で、最も甚大な被害が出た自治体である石巻市に、あえて診療所を立ち上げた医療法人「鉄祐会」(文京区)の武藤真祐理事長は、「石巻で、このタイミングでこそ開院すべきだと思った」と強調する。武藤理事長に話を聞いた。
【複数の写真入りの記事】

-今回の震災で、石巻市は中心市街地の全域が津波に洗われ、死者・行方不明者は4000人近くに達しました。その石巻で、在宅医療を専門に手掛ける診療所を立ち上げた理由を教えてください。
 一言で言えば、「これから、この土地には在宅医療が不可欠」と感じたからです。これは震災後、初めて石巻を訪れた時点から強く感じていました。

■生活環境の激変が在宅医療のニーズを拡大

?理事長が震災後の石巻に入ったのは何月のことですか。
 4月ごろのことだったと記憶しています。この時、私は避難所を見て回ったのですが、避難所にいる人の多くは、いわゆる「板の間毛布生活」で、ずいぶんと日常生活動作(ADL)が低下していることが見て取れました。昼夜関係なく横になったままで、ほとんど起き上がることもないような方も多かった。そういう状態に置かれれば、筋肉はどんどん衰えます。場合によっては、床ずれができてしまうこともあるでしょう。併せて、認知機能が衰えることも懸念されました。?避難所での生活によってADLが低下したり、認知症が進行したりする人が増えると予測されたわけですね。
 その通りです。しかも石巻市では、市立病院をはじめ、多くの病院や診療所が津波で被災していました。当時は県外から多くの救護チームが石巻に入り、救援活動に当たっていましたが、それもいつまでも続くわけではありません。今後、避難所の方々が仮設住宅に移り、自立した生活を送るには、それを支える医療が不可欠です。そして生活を支える医療である以上、長期的に提供し続けなければなりません。
 このように考えたとき、「この地で永続的に活動できる在宅医療の拠点が必要」という思いに至ったのです。
 また、私が石巻を訪れた当時、この街には在宅医療専門診療所は1軒しかありませんでした。その診療所は地域に厚い支持を得ていましたが、そこだけでは、これから発生するはずの在宅医療のニーズに対応することは難しいと見込まれていました。この点を鑑みても、新たに在宅医療の診療所を設立する必要性を強く感じました。
 このように考えていたのは、私だけではありません。石巻市医師会の舛眞一会長も「今後、在宅医療のニーズが高まることは分かっている。東京から(診療所を)持ってきてほしい」と、クリニックの開設を応援してくれました。

?それにしてもなぜ、9月の開院にこだわったのでしょうか。
 東北地方の厳しい冬は、体育館型避難所では、とてもしのげません。それだけに寒くなる前、9月ごろまでには、多くの被災者が避難所から仮設住宅への入居を終えることがわかっていました。
 それまでには、何としても開院したかった。つまり、共同生活者や医療・介護の関係者らの目が届く避難所から、他の人の目が届きにくくなる仮設住宅へ移る前に、診療を開始する必要があったのです。実際、開業後にある避難所スタッフから「利用者がまもなく仮設住宅に移ります。そこで1人で引きこもってしまう前に、安心できるホームドクターを見つけておきたいのです。お願いします」と言われたこともあります。このような言葉を掛けてもらうと、改めて9月に開業できてよかったと感じます。

?9月1日の開院以降、クリニックでは、どのくらいの患者を診ているのでしょうか。
 開院から約1週間(9月8日時点)で12人です。当初、1か月で15人ほどの患者を見込んでいたことを考えると、予想を上回る需要があったと言えます。

■「将来は地元の医師に診療所を任せたい」

?理事長自身は週の前半は東京で、後半は石巻で活動されていますが、他のスタッフも東京と石巻を往復しているのでしょうか。
 看護スタッフや事務スタッフについては、すべて地元の方を採用させていただきました。本当のことを言えば、院長も地元の医師にお願いしたかったのですが、院長候補だけはどうしても9月までに確保できませんでした。現在は私が院長を兼務していますが、いずれは地元で院長を担える人を探し出し、ここでの仕事を任せたいですね。院長候補だけでなく、医師・看護師・事務スタッフなども、さらに地元の人材を募っていきたいと考えています。

?なぜ、地元の人材にこだわるのですか。
 石巻の人々は、他の土地から来た人では想像もできないほどに、この土地を愛し、先祖との結びつきを強く意識しているからです。それだけに、この土地に生きる人々と同じ感覚を持った医療従事者でなければ、住民に対して、本当の意味で安心できる医療を提供することはできないだろうと思うのです。

?ご自身が石巻を去っても、診療所は維持するということですね。
 もちろん、そのつもりです。東京と石巻に同じ法人の診療所があることで、新たな手法を在宅医療の現場に導入できるというメリットもありますから。

?新たな手法とは何ですか。
 ITを活用した遠隔地医療です。22人の専門家が所属する東京の祐ホームクリニックと石巻の診療所をITでつなげば、医師が不足している石巻でも、様々な専門医の知識と経験を生かした医療を提供することができるでしょう。ITを使った遠隔地医療の課題としては、セキュリティの確保や、システムを利用する診療所や病院の間での業務の標準化などが上げられますが、いずれも同じ法人の診療所であれば、解決できるはずです。


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