静岡市清水区を緊急走行していた救急車が2021年12月下旬、あおり運転の被害を受けていたことが1日、同市消防局への取材で分かった。傷病者は無事に搬送され、隊員にけがはなかった。同消防局は3月31日、県警に被害を相談した。
 同消防局によると、救急車には傷病者1人と救急隊員3人が乗っていた。白色の乗用車が約3キロにわたり、緊急走行中の救急車の後ろからクラクションを鳴らす、追い抜いて割り込むなどの行為を繰り返したとみられる。
 同消防局は当初、搬送遅延がなかったことや緊急回避、急ブレーキが必要な状況ではなかったことなどを考慮して警察に通報していなかったが、事態を重くみて相談に踏み切ったという。同消防局の担当者は「救急車は傷病者への処置などで速度を落として走行することもある。理解をお願いしたい」と話す。