11日、タクシーが歩道に突っ込んだ事故で意識不明の重体だった運転手の男性が12日に死亡しました。その後、遺族への取材で、この男性の死因がくも膜下出血だったことが分かりました。

 タクシーのフロント部分は大破し、周辺には車の一部とみられる部品が散乱…。

 東京・千代田区で11日午後4時すぎ、タクシーが歩道に突っ込み、6人が死傷する事故が起きました。

 タクシーを運転していた山本斉さんは重体で病院に搬送されていましたが12日、死亡が確認されました。そして、死亡した山本さんの母親が取材に応じました。

 死亡したタクシー運転手の母親:「皆に迷惑掛けて亡くなってどうしようもつらいけど…。向こうの人も気の毒でね」

 死亡したタクシー運転手の母親によると、死因はくも膜下出血だったといいます。

 しかし、死因と事故原因との関連は分かっていません。

 事故の瞬間を目撃した人は。

 目撃者:「左側を向いたら(タクシー運転手が)下を向いていたんです。下を向いて携帯を見ているのかなというような感じだったけど、もしかしたら具合が悪かったかもしれないような…」

 目撃者によると、信号待ちをしていた時、タクシー運転手は下を向いていたといいます。その後、信号が変わったものの走りださなかったため、クラクションを鳴らされ、発進。その後、自転車2台をはね、そのまま歩道に突っ込み歩行者を次々とはねたということです。

 この事故で、歩道にいた小林久美子さんがタクシーにはねられ死亡。約20メートルもの距離を飛ばされたといいます。

 事故から一夜明け、死亡した小林さんの弟が複雑な胸の内を明かしました。

 亡くなった小林さんの弟:「いやぁ…突然起こるんだなって自分のところで…。医者の話で即死、ほぼ即死だっていうんで最後は苦しんでないのかもしれないのが唯一の救い」

 小林さんは千代田区が行っている講習会の役員を担当していて、その講習会が終わり、講師を送るためタクシー待ちをしていたところだったといいます。

 亡くなった小林さんの弟:「まさか本人もそんなことになると思ってないし、(タクシーで)送って講師をそれで家に帰ってきてっていうつもりだったと思う」

 現場にブレーキの痕はなく、警視庁は、運転手に持病があったかなど事故の原因を詳しく調べています。