捜査車両などに衝突し道路で停車した逃走トラック(上)=1日午後5時半ごろ、掛川市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から、画像の一部を加工しています)


 盗難車両のトラックで逃走中、捜査車両に衝突したとして、袋井署などは1日、公務執行妨害の疑いで広島市佐伯区の会社員の男(54)を現行犯逮捕した。容疑者は衝突現場からそのままトラックで逃げ、2時間45分後、掛川市内で身柄を確保された。 逮捕容疑は同日午後2時ごろ、袋井市上山梨の県道交差点付近で捜査車両に衝突し、捜査員の職務を妨害した疑い。同署は認否を明らかにしていない。 同署によると、トラックは広島県内の運送会社の所有で、同日、盗難届が出されていた。午後1時半ごろ、磐田市の東名高速道上り遠州豊田パーキングエリアの駐車場で県警高速隊がトラックを発見。磐田インターチェンジで下りたため、機動捜査隊と自動車警ら隊が追跡した。 トラックは森町を経由して袋井市上山梨で3台の捜査車両に包囲されたが、後方車両に衝突した後、歩道に乗り上げ前方の車を避けて逃走を続けた。その後、掛川市倉真の山中でトラックを乗り捨て逃げたところを捜査員に取り押さえられたという。 容疑者は捜査車両や一般車両数台に衝突、接触を繰り返した。同署などはトラックの盗難事件の関与などを含めて捜査している。 ■住民「巻き込まれたら…」 声震わせる 袋井市や掛川市などをまたいで繰り広げられた逃走劇に、住民らは声を震わせた。 袋井市上山梨の交差点では複数の警察車両がトラックを取り囲んだ。現場に居合わせた女性によると、トラックは縁石に乗り上げて歩道に進入し、フェンスに衝突したという。近くに住む男性(84)は「付近は中学生の通学路。生徒が事故に巻き込まれていたらと考えるとぞっとする」と話した。 掛川市千羽付近の道路でトラックとすれ違った団体職員の男性(31)は「前輪タイヤのゴム部分がなく車体の前方部だけ車高が低いまま走っていた」と異様な光景を振り返った。