経済を成り立たせるものは「生産」です。生産があるからこそ、生産されたモノ、サービスを分配し、売買するために、貨幣が必要になるのです。

「生産」が全く行われない地域においては、貨幣はいくらあっても、何の役にも立ちません。売買するものが何もないからです。


あくまで、生産があるからこそ、貨幣に価値が生まれるのです。

その逆の、貨幣があるから、モノ、サービスが生まれるのではありません。それでは、本末転倒です。


以上は、当たり前すぎて、言われなくてもわかっていると思うでしょうが、案外、人々はこの逆を信じているのです。


そこで、生産について、よくよく考えてみましょう。

我々は、21世紀の凄まじい技術革新の時代に生きています。

現在は、第4次産業革命の只中と言われています。これは、AIやDX (デジタルトランスフォーメーション)、量子コンピューター、Big Dataなどと言う、過去の産業革命とは、格段に違うものすごい技術革新になるのです。

(ちなみに、第3次はIT革命、第2次は石油化学革命、第一次は蒸気汽関革命です。)


これらの素晴らしい技術革新は、あらゆる生産現場において、利用、応用され、華々しい成果を上げているのです。


当然、国全体の生産能力は、加速度的に向上しています。生産能力が向上するということは、生産されるモノ、サービスがそれだけ増加すると言うことです。


モノ、サービスが増えれば、それを購入するためには、人々がより多くのお金を持っていなければなりません。

もし、十分なお金を人々が持っていなければ、供給(生産)に対して、需要(消費)が不足し、デフレになるでしょう。


したがって、生産能力が向上するのに比例して、世の中に出回る、お金の量(マネーストック)は、増えなければなりません。

そうでなければ、経済は順調に成長しません。

そして、お金の量を増やすことができるのは、政府の通貨発行によるしかありません。

お金は、一般人や民間企業が、勝手に発行することはできません。そんなことをすると、たちまち、監獄行きになります。

国の中で、お金を発行できるのは、唯一政府だけです。


政府はどのようにして、通貨を発行するのでしょうか?

銀行から、誰かがお金を借りると、その借りた額だけ世の中のお金が増えます。

1億円借りると、1億円お金は増えます。(銀行の信用創造)

反対に、借りていた一億円のお金を、銀行に返すと、世の中から1億円のお金が減ります。


世の中のお金の量(マネーストック)は、銀行の信用創造によってしか増えません。

なぜなら、政府は、直接通貨を発行していないからです。(政府は硬貨を発行しているが、紙幣は発行していない。紙幣は日銀が発行しているが、日銀は銀行に紙幣を送り込むだけで、後は銀行がいかに信用創造をするかにかかっている。)


これは、(中央銀行ー銀行)と言う金融制度、および通貨発行制度をわが国は採用しているので、動かすことのできない事実なのです。


そこで、経済が不調(日本は30年間、デフレ不況)で、民間が銀行から借り入れをして、活発に投資を行う事が少ないのであれば、民間に代わって、政府が銀行借り入れをして、その信用創造によって、マネーストックを増やさなければならないのです。


政府は、国債を発行すると、その大半を銀行が購入します。

これはすなわち、国債を発行することによって、銀行からお金を借りているのと同じことです。

これによって、マネーストックが増えるのであるから、国債発行は、まさに通貨発行と同義なのです。

国債とは国が発行する債券と言うことになっているが、それは名前が債権になっているだけで、実際は借金ではなく、通貨の発行なのです。


名前にだまされてはいけません。

したがって、国債発行残高1200兆円は、政府がこれだけ通貨を発行したと言う記録でしかないのです。


それがわからない財務省は、この1200兆円をなんとか減らすために、増税することばかり考えていますが、とんでもない大間違いです。


経済について語る学者、評論家、政治家、マスコミは「経済とは生産である」と言うことを忘れています。

生産こそが経済の実態であり、貨幣では無いのです。

そして、その生産は、21世紀に入って、凄まじい勢いで成長していることを、完全に無視しているのです。だから、大間違いの経済論を語るのです。