2017年東京キャンピングセミナーのファーストセッションは、栄えあることに私が講師でした。
ロープワークと結びの講座でした。
ロープワーク は単なる作業名です。
結び は精神性を含んだ文化の一つです。
結び=ロープワーク と思っている人も多いかと思います。
実はちょっと違うんです。
結び=ロープワーク っていうのには少し違和感ある。
それは
・武道=格闘技
・相撲=国技
・茶道=お茶の入れ方
・華道=フラワ-アレンジメント
って言うとなんだかそうじゃねえだよな、って思う。のと似てる。
そうね
注連縄=神社の飾り
っていうと、そんだけじゃないよ!って言いたくなるそんな感じです。
欧米化がステキと思っている人は、わけもわからず受け売りで、もやい結びをキングオブノットって言ってりゃいいですが、欧米化が良いなら結びの持つ文化や精神性みたいなものをかなぐり捨てればいいけれども、そんなの嫌だ俺は。
そんなんで、結びについて少しお話し、それを踏まえて一目一目を大切に結わってもらいました。
結びは世界に3000あるとも4000あるともいわれます。
はたしてそんなに出来る人いないでしょう。
だったら何を覚えとけばいいか、ってこと。
私が繰り返し使う結びはせいぜい10くらいじゃないかな。
それでもプロでやってるんで大丈夫です。
命がけのアクティビティではやらない結びや端の処理があります。命がけで野外活動する気はないので、命がけの結びはさておいた講習でした。
身近で役に立つ結び。
パッと使えるロープワーク。
そういうのが好き。
みなさん熱心に結び続けました。
一つでも身に着けてくださったなら本望です。
つぎにお会いする時には、次の結びをやりましょう。
撚る、綯う、編む もやりたいですね。
どんな結びを選ぶかは、 正しさ よりも 都合 を優先させてください。
例えば私は、シートでタープを張る時にはロープをグロメットに通さず、グロメットを包んで結んでいます。それは安い大き目シートを少ないポールで建てるからです。
例えばだれかは、グロメットにもやい結びをします。
他のだれかは、引き解け結びをします。
それぞれに理由があるのです。
その理由は、団体によって違いがあります。
・普段使いのロープの質や太さ
・シートの厚みやグロメット数
・シートの広さ
・ホームグラウンドの降水量や風の強さ
などでやること違うんです。
技術というのは都合を考え併せて選ばれるものであって、教科書的な正しさでやっちゃいらんないのね。
この島国は、わずかな距離で気候が大違いなのです。
風も吹かないところで多数のポールを使ってシートを立てる必要は無いし、雨が多いところで小さなシートを張ることは無いでしょう。
なので、「タ-プを張る」と言う作業一つとってもそのやり方は様々なのです。
そんなことで
技術講習は常に
「更新ではなく追加」だと言い続けています。
今までの技術が間違えているなら更新すべきですけれども、それはそれで都合に合わせて使ってきた技術なのですから、講習では選択肢を広げるために「技術を追加」してほしいのです。
たまにはまあまあまともなこと言って、台風に備えます。
結びをマスターしたければ、台風のキャンプで子どもたちのテントやタープを守り続ける夜を過ごせば確実です。
やだけど、事実。
