キャンプ技術五拾七 難度 | キャンプ協会なにしてる

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東京都キャンプ協会の理事の一人が勝手に書いているブログです。キャンプのためになる可能性があります。

キャンプをする人は
へんな横文字に弱い。
インテリジェンスな香りがするためか。
いつかも話したが、いよいよ「テンティング」という
変な造語まで言ってのける。
ダッサい。

また、日本語にも弱い。
今日は、変な言葉「難易度」をご紹介する。
TCS裏番組の下見で仲間がキャンプインしているのに
俺は仲間に裏切られて、予定を入れてしまった。
夕方からの合流ですので、ちょいのまにね。

さて
しばしば
「難易度が高い(低い)」と言われる。
これは、変な使い方です。
間違えていると俺は思います。

難易を度数ではかる?
難側を計っているんですか?易側を計っているんですか?

【難易度という言葉からは、どちらを計っているのかはっきりしません。】

そうですね?
しかし、難易度が高いといったとき、難側のことだけを指して人は言います。
正しくは
「難度が高い(低い)」です。これでいいんです。
「難度」という言葉があるのですから、そちらを使うべきです。

難易、という言葉は
計らないときに使う(例「この味出す難易度は想像しにくい」など)言葉で、
実際に計るときには「難度」という言葉を使うのが正しいです。

「難易度が高い(低い)」という言葉に違和感が無い人は
これでもどうですか?

「強弱度が高い」=強さが大きいと言う意味
「明暗度が高い」=明るさが強いという意味
「寒暖度が高い」=寒さが強いという意味

変でしょう?
「難易度」も同じことでーす。

おそらく、ですが「難易」という言葉と「難度」という言葉を
間違えてくっつけて使われ始めてしまったのではないでしょうか。

たぶん「易度」という言葉はありません。なぜなら、難度が低いということは
易しいということですから、難度という言葉があれば易度という言葉は
必要ないからです。

そんなわけで、漢字検定なんか受けたことも無い俺が
変な言葉だといっても誰も信じちゃくれないかもしれねえケド。

かく言う俺も
TCSのチラシのウラに
「来れる時だけでいいので、まずはエントリー」
などと、いわゆる「ら抜き言葉」を使っている。
らが入るためにわかりにくくなるのをおそれた。
「来られる」というと 受身の文章に見える。
あるいは、不要な敬語にも見える。
判断が難しい。
しかし「来れる」と言えば、自発的かつ可能の意味が
ストレートにわかる。

たぶん、どこかで「マチガッテルーゥー」とかの声もあるかもしれないが
意味がまっすぐ伝わったほうがいい場面では、どんどんらを抜いていいと思う。

「先生はこちらに来れますか?」これは、尊敬の意がこもらないからダメ。
「先生はこちらに来られますか?」これは、尊敬の意がすぐわかる。

「先生、お昼ごはん食べれますか?」これは、先生に食事が可能か聞いている。が、敬意はこめられない。
「先生、お昼ごはん食べられますか?」これは、何を聞いているかわからない。
・先生が食べれる状況かうかがっている?
・先生が食べられないものが入ってるか聞いている?
・おなかいっぱいかどうか、すいてないか聞いてるの?
ね、わからないよねえ。

日本語は、正しいかどうかではなくて
伝わるかどうかですね。

「難易度が高い」も伝わるからいいだろって?
そういう人は使ってください。難易度。
俺みたいな漢字もかけないあぶれ者に
あまり考げえてねえでつかってら、って思われるだけですからね。

アナウンサーも使いますね。難易度って。
だったら正しくはあるんでしょうね。
ひょっとしたら新しい日本語のカテゴリーとして
「正しいけど変な日本語」っていうのもいるのではなかろうか。

という、非常に大切なキャンプ技術をお話しました。

自国の言葉を大事にしないと
島も盗られちゃわないか
と、危ぶまラれる。


では、良い日を。