つい先日ですが、原発事故で埼玉県加須市に避難している双葉町の
井戸川町長が退任されましたね。
海外に向けて現状を訴えたり、国や県を指弾したりと、
毀誉褒貶ある中で、独自の取り組みをされていました。
その井戸川町長、退任会見の言葉ですが、
「原発事故が収束したような雰囲気を作られているのが心配」と仰っています。
ポジティブやネガティブということではなく、福島第一原発では
作業が継続中ですし、排出されている放射性物質は事故当初よりは
格段に少なくなってはいます。
が、汚染水は増え続け、コンクリートなどと癒着した燃料の
取り出し技術は開発されておらず、
原発の使用済み核燃料の最終処分方法も決まってはいません。
廃炉まで少なくとも30~40年、福島第一原発の問題と
付き合っていかなければならないことに変わりはないわけです。
また、たとえ、最終処分方法が決まったとしても、
現在の科学では放射性廃棄物を0にできず、
密閉容器に詰めて地下に置いておくしかできないという。これがオンカロですね。
安全なレベルになるまで10万年かかると。
今、この瞬間も原発は運転していますから、
放射性廃棄物の総量は増えていきこそすれ、減りません。
願わくば、原子を変異させて、安全な物質にする技術が開発されれば、こうした
問題も劇的に変わるのでしょうが。
私、剣の世代はおそらく一生付き合うことになりますね。
もしかすると、この解決を見れないかも知れません。
福島はほとんどが山の国です。
山と平野、川、湖、その間を縫って田、畑、民家がある。
人々の生活がある。浜通りに行けば、海が生活の相手です。
こうした緑にも微量の放射性物質が撒き散らされ、雨や落葉によって、土へ川へ
流れて行き、滞留した所がホットスポットになってしまう現状があります。
山登りをしていた頃には考えもしませんでしたね。
かつては草原や岩に寝て、川で泳ぎ、自然を感じていましたが、
今ではちょっとしたことにも放射性物質を考えなくてはいけません。
自分だけの問題ならそこまで気にせずとも結構ですが、
たとえば赤ちゃんや幼児が居る家庭に行く、会うとなると、なるべく
注意していくのが気配りではないでしょうか?
何を信じるか、何を語るかよりも、何をやるのかが大事ですね。
私はそう思っています。
小説にもなっている有名な江戸時代の武芸者・柳生宗矩は、
「人に勝つ道は知らず、我に勝つ道を知りたり」
と言っていますが、
私は、
「我に勝つ道は知らず、人に勝つ道を知りたり」
と思います。
極論すれば、ルール無用の状況では策略でも何でも使えば、他人は倒せます。
歴史を見れば、この世界では通例、良貨は悪貨に駆逐されています。
しかし、何をどう欺いても、己は騙し切れないものです。また、
己の欲望を抑えること、これを御すのは大変なことです。
行動です。