日本人の長所は『忘れやすい』ことだと思います。世界的に見て、これほど物事を忘れやすい人間社会は無いでしょう。忘れやすいから、いったん自分で区切りをつければ、何事も無く前に進んで行けるんですね。敵同士であった相手にも簡単に接することが出来る。世界を見れば、敵は敵と何百年、何千年単位で対立しているグループもあるのにです。長所は短所、短所は長所、私はよく言うんですが、『忘れやすい』長所は、ともすれば短所ですよと。
福島県に住んでいて思うのは、福島県の人でさえ、震災や原発はもう終わったことと捉える人が増えているということですね。嫌な記憶です。震災、原発という嫌な記憶を忘れたいというのは分かります。でも、だから、無かった事にしよう、その話はしないようにしよう、ではもっと嫌な事が起こりますよと。もう、震災で日本人は充分学んだじゃないか、とね。明治・昭和の大津波に遭遇した方々が残した教訓。これを身につけていた人は助かり、そうでない人は亡くなってしまった。日本では『忘れよう、無かった事にしよう』、海外は『思い出そう、そこから学ぼう』この違いがある。嫌な記憶こそ、そこから教訓を得るんだよと。
「福島魂'sファイヤー」では、常にみなさんに思い出してもらおうと考えています。教訓を学ぶために。そして、それを見るかどうかは、みなさんの自由意志によります。私はご覧になって欲しいと思っています。
剣龍ノ介でした。