「自分に自信が無いんですが……」「わたしに価値なんて無い」
そういう若者が昨今、特に増えている一方で、逆に人を人とも思わない傲慢な人間が溢れているのも周知のことだろう。
お宮様が言った。
「自分に自信が無いとおっしゃる方、そのくらいで良いのですよ。考えてみてください。自信がありすぎて失敗することの方が世の中では多くありませんか? 自信が無い方は慎重なだけなのです。自分に自信が持てないときは、堂々とその慎重さを武器に目の前の事に立ち向かうことです。傲慢であるよりは謙虚である方がわたしは好きです。自分への評価を肯定的な言い回しにすれば良いのです。せっかくの『晴れの日』を『雨が降っていない日』と呼ぶ人はいないでしょう? それなのに、ことご自分の事になると、そのようにマイナスの言葉で表現してしまう。みなさんが毎日懸命に、健気に頑張って生きていらっしゃることは分かっているのです」