お宮様が言った。
「私たちは自分の心に一番訴えかけてくるもの、自分の心が最も輝くものに自分の時間を使うべきです。誰かが良いと言ったから、神聖だから、ありがたいものだから、権威があるから、科学的な根拠があるから、昔からあるものだから……そのような周囲の言葉に惑わされることはないのです。自分の人生の充実と能力の向上、そして誰かのためにこそ時間と労力を使うのです。そのためにこそ、私たちは生まれてきたのです。自分だけが良くなればいいなどとは、ついぞ考えないことです。自分や身内の幸せだけを求めると、人間はどこまでも卑しくなります。自分と全ての生命の幸せを求めれば、人間はどこまでも清らかになれます。人間の導きによって、狼と羊が仲良く暮らすことさえできるのです。人間は地球上の生命を指導する位置にあるということをもっと考える必要があります。それだけの責任があるのです。果たして、どれだけの方がその責任を果たしているのでしょうか。
私たちは永遠に続く向上の旅路にあります。魂を進化させる旅です。この旅路においては人類全てが家族です。その道案内として携えていくのは、わたしをわたし、あなたをあなたたらしめるものだけです。こうありたい、こう見せたい、これは隠したい、そのような願望や虚飾を全て剥ぎ取って残るもの、剥き出しのあなただけなのです。理性、分別、知性、良心、感情、これを魂に携えて歩いていくのです。その旅は肉体を返した後も続いて参ります。人間の言う『死』は終りではありません。隣の部屋へ行くドアに過ぎません。そう、そのように、ごく自然に旅は続きます。
魂という言葉にはどこか神秘的な雰囲気が漂いますが、そうではなく、全く実在そのものなのです。物質そのものに存在はありません。物質とは『人間がそれを認識している状態』に過ぎません。物質は魂による働きかけによって存在しているのです。認識力、働きかけを受容する能力が高まれば高まるほど、認識できる範囲や量は増えて参ります。
魂や心は物質に勝ります。魂や心が全てを制御しています。魂、心こそ生命です。生命というのは魂であり、心そのものです。人間は肉体を携えた魂です。魂のある肉体ではないのです。肉体は魂の指示により動く人形です。肉体は魂が地上で活動するための地球服です」