お宮様が言った。
「地上で生きる間、正しいことをした人が苦しみの中で死に直面し、悪行の限りを尽くした人がこの世の春を謳歌することがよくあります。心ある人は、この世は不公平でおかしいと憤激されることでしょう。この地上は不完全なものです。人間はもっと不完全です。完全を目指して不断に努力せねばなりません。しかし、次から次へと未発達な人が生まれてはこの地上をかき回します。際限が無いように思われるでしょうが、この地球は修行場なのです。つらいことがあって当然、不条理なことがあって当然なのです。往々にして、地上において正義は悪に負けております。善人は泣かされ、悪人は大笑いしております。まさにこれほどさかさまなことはないでしょう。ここに修行の意味があります。つらく苦しい人生で、どこまで抗うことが出来るのか。自分だけでなく、他の命のために何をするのかが見られております。常に見られております。そして、最後に清算するときがやって参ります。これより逃げることはできません。誘惑に負け、本能のままに悪行を為した者は涙をもって、償いをすることになります。
正しいこと、真面目であることが、みなさんにはばかばかしく思えるかもしれません。他人を踏みつけにし、富や権力を奪い取った方がましだと思うかもしれません。ですが、惑わされないでください。人の魂は光です。あなたはご自分の光に照らして、良いと思うことをなさることです。どこででも、損をしても、拒絶されても、小ばかにされても、物笑いの種にされても、そんなことに構う必要はありません。怯むことも、押し付けることもありません。あなたがそのときできる最善を為せばよいのです。あなたは為すべきことをしたのです。あなたが肉体を返すとき、その行動の本当の意味が分かります。
また、受け入れる準備が出来た人から、あなたの正しさが理解されていきます。各人の受容能力に応じて、その意味に気付くのです。焦る必要はありません。何度も申しますが、世界はすぐには変わりません。何世代もかけてゆっくりと前進していきます。魔法で一瞬に変えることは不可能なのです。決して焦らないで下さい。今出来ることを精一杯やること、これが実は全ての幸せへの近道なのです」