薬物はやめられる | 連続アメブロ演義 まとひ

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剣龍之介のいま、つたえたい話

「日本にいる私の知人に、薬物中毒になって自暴自棄になっている人がいるのですが、どうしたらよいでしょうか?」

ある男性が、お宮様に尋ねた。

「どのような薬物でしょうか?」

お宮様が聴いた。

「病院から処方される薬で、心療内科やいろいろなところで貰った薬を使うのですが……」

「わかりました。医師の中には、とにかく薬を多く処方することが治療と思っている者もおります。そういった医師は、逆に回復を遅らせている事もある、という認識が無いのです。非常に危険です。やはり、薬は最小限であるべきものなのです。

薬物依存や中毒は、心と身体の病いです。また、家族の病気でもあります。ですから、回復のために、私はまず、ご本人には『ダルク』や『NA』に連絡を取ることを薦めます。ここは、元薬物依存であり、そこから回復された方々(回復者)がスタッフとして、アドバイスをしてくれる所です。日本全国に存在しています。また、ご家族には『全国薬物依存症者家族連合会(薬家連)』で、回復への考え方を学ばれることをお薦め致します。

まず、回復者などの助けを借りながら、『自分自身の問題を直視すること』『自分に正直になること』『回復した後に、あなたにはあなたの持てる才能で、人々を幸せにする使命があること』を心に留めて下さい。

これは、以前もお話し致しましたが、病いは厳しい愛(タフラブ)と治療の両面によって回復していくものです。ゆっくりではありますが、薬物中毒や薬物依存は確実に回復致します。

地上に生まれてきた事には意味があります。すべての人に、優れた才能とその人自身にしか出来ない使命があります。この世での障害、挫折、トラブルはあなたを成長させるためのテストです。ハードルが多ければ多いほど、今回のあなたは難易度の高い人生にチャレンジするために生まれてきたと言う事です。

むしろ、薬物中毒や薬物依存の本人よりも、その家族の方の考えや態度を改善することに時間がかかる場合もあります。たいてい、家族の方は過去の失敗を延々となじったり、世間の常識という曖昧な尺度で本人を圧迫したり、あるいは逆に、なんでも要求を受け入れたり、とその行動自体に問題がある場合が少なくありません。家庭内暴力や暴言も、家族からみればちょっとした(本人から見ればたいへんな)言葉や態度がきっかけになっているものです。

家族もハードルの一つです。ただ、『あなたはあなた、家族は家族』です。いかに問題のある家族であろうと、あなたの尊厳や使命を踏みにじる事はできません。あなた自身の問題と他人の問題を混同しないようにしましょう。

時にこの世は不平等に思えるかもしれません。『ただ、死ねなくて生きてきた』『生きたくても死んでしまった』私も、そうした声をたくさん耳にします。この世で善人と呼ばれる人、悪人と呼ばれる人も、『死すべき時』が来れば、善悪関わりなく、肉体を返さざるを得ません。先年の大震災で、みなさんもご覧になったでしょう。『その時』が来るのです。その背後には、色々な法則がありますが、ただ一つ、私が申し上げたいのは、『生ききること』です。

ぜひ、困難に立ち向かって下さい。あなたはあなた一人ではありません。孤独ではありません。目には見えずとも、たくさんの応援者があなたの周囲に参っております。生きている限り、あなたは孤独でいる事はできないのです。心細くなったら、私を呼んで下さい。必ず私もあなたの傍らに参ります。そして、多くの者たちと一緒に、あなたを支えます。

このような話は信じられないかもしれません。しかし、事実なのです。なぜ、こんなにつらいのに奇跡は起こらないのか、神も仏もいないのか、生まれてきたことを怨みたくなるときもあるでしょう。私たちも、もう見ていられず、手を貸してあげようと動くときもあるのです。ですが、さらに上の存在から、手出しはならぬ、と止められるのです。子どもの宿題を親がやっても、なんにもならないのと一緒です。本人の課題は、本人がやらねばならないのです。あなたを見捨てたわけではないのです。私たち、肉体を返した応援者もまた、泣きながら、あなたを応援しているのです。

私がこのように申しますのも、自ら生きることをやめてこちらへ来た人々から、毎日後悔の叫びを聞くからです。そして、彼らから、ぜひ伝えて欲しいと訴えられているからです。
どうぞ、精一杯、毎日を生きて下さい。あなた自身のために、あなたによって助けられる人々のために。