現在の教育について、ある保護者が先生に相談に来た。
先生はこう答えられた。
「私が思うことは、歴史に学ぶことです。過去、数千年に限っても、人間のやっていることはほとんど変わっていません。自分で問題を作って悩んでいるのです。国境を分け、思想を分け、階級を分け、通貨を分け、武器を売り、病気や飢餓で苦しむ人は放っておく。そして、自分自身が苦しむ番になって、はじめて本当にすべきことが何なのかに気付くのです。
わざわざ苦しまなくても、歴史には人間の失敗が山のように記録されています。歴史への無知から、あやまちを繰り返しているのです。何年何月にどんな事件があったかよりも、その事件がなぜ起こったのか、当時の社会状況や思想、人間の失敗を学び取ることが勉強になります。
その点から見ると、現在の教育は全く何もしていないに等しい。学校教育が嫌いだと言う子供たちの数がその証明です。数年たって、教えられたことが頭脳から消え去っていることが、その証明です。あえて、こう申し上げます。数学も理学も確かに大事です。しかし、歴史に無知な人間は、同じあやまちを繰り返します。それも、技術の発展により、今度は取り返しのつかない大失敗をしかねません。
気付いた人はすぐ行動いたしましょう。今は周囲から叩かれそうなので、社会的機運が盛り上がってから自分も立ち上がろう、というのではいけません。そのとき、世界はもうあなたの努力を必要としていないかもしれないのです。偉大な人々が犠牲を出しながら、世界を変えているかもしれないのです。便乗しようと思ってはなりません。あとで後悔します。今、現在、誰も傷つけず、誰にとっても幸せであること、それを自分の出来る範囲でやるべきです」