最近気持ちがどんよりと落ちこんでいる。


何をやっても上手くいかなくて、何をやっても報われない感覚。


ナイーブになってしまうのは好きだった彼が授かり婚をしたことなのか、一年前の最後に会った夏の日を思い出させるからなのか。


どちらにしても私は今、わかりやすく孤独で、とても怖いのだ。


あの夏の日が。


これほどまでに快晴のよく晴れた7月の空が、光の届かない絶望の海に私を落としてからもう一年も経つというのに。


AM6:44に鳴った電話は出られなかった。


怖くて震えてしまった。


AM6:46に再び鳴る電話は更に恐怖へと堕としていった。


震えたまま、"出ないと後悔するかもしれない"一心で、自分を奮い立たせ掛け直した。


祖母だった。


祖母は生きていた。
祖父も入院こそしているものの変わりはなかった。


こんな朝早くから電話を掛けてくるのだからどちらかの身に何か起こったのかもしれないと、とりたくもない電話をとり、震える手で掛け直したのに。


「ママの法要って今日だったかい?」


「命日は6月の今日じゃなかった?」


この時間に、この言葉は、私の中の何かを壊すのには十分だった。


90近い祖母のボケた問いかけに仕方がないことくらい解っている。でも、どれだけ私の心に重い矢が刺さったのか祖母にはわからない。


大きな声を出すのをこらえて、努めて優しく


「ママの命日は7月だよ。ばあちゃん、まだ6月だよ。」


そう伝えると少しだけ祖母の声が震えながらも返ってきて、祖父がいないことに、娘がいなくなってしまったことに心細くなったのかもしれないと感じた。


少しだけ会話をして、気持ちを落ち着かせて今日も仕事だからと嘘をついて電話を切った。


ナイーブな心は眠ることを許してくれないから、すっかりトラウマとなった陽の光をカーテンで遮ってベッドに潜っていた。


いつまで祖母からの電話に応え続けなければならないのだろう。


いつまでこんな日が続くのだろう。


こんなことで優しくできない孫の私は親不孝ものなのだろうか。


私に陽の光を笑顔で見上げる日はくるのだろうか。


そんな形にならない問いかけを誰もいない部屋に放り投げた。