出勤すると同時に資料を見て、且つ自分のスケジュールを確認しながら思わず自問自答してしまう。

間に合うのか、今日中に。
地方業務の入札の資料提出が今日中。

到底間に合わない。資料はまだ一部業務が未確定のため完成に至っていない。

「大丈夫です。まだ1日ある。ギリギリまでやりましょう」

年下の上司からのその一言はつまり、今日という日が23:59まで続くということに他ならなかった。

「はい。ギリギリまでやります」

私は心の動揺を悟られぬように精一杯力強くそう答えた。

ここ数日の退勤時間は毎回22:00をまわってしまっていた。
本来定時ダッシュを最良とし、仕事とプライベートの線引きをしっかり行うことこそが私のサラリーマン道であったため、
この多忙を極める日々はあまりにもしんどかった。

前々職の若手時代もたしかに始発から終電まで業務を行うことは多かった。
だがあの頃はとにかくやらされ仕事が多かったし、あまり物事も考えられなかったため、現在と比べると幾分疲弊度はセーブできた。

しかし今日の業務は厳しい。
入札、調整、数字、管理・・・そのどれも責任が重くあり、それ以上に切実な競合との争いが神経を擦り減らす。

ドラマや映画でよく主人公と同僚達が、競合他社との争いにどう勝るかを会議するシーンをよく見かけるが、いまの私はまさにそれだった。

まさかこんな生活になってしまうとは。

心配ないって笑うけど、ほんとは内心ビクビクで
焦りを蹴散らしてこーや
虚勢は男の生きる道。