山形は松尾芭蕉が多重影分身。

東北に行こうと思った理由の一つはそこにある。
山寺駅に着いて早々に記念館に向かう。
松尾芭蕉記念館。

入ってすぐに四方に広がる圧巻の俳句タペストリー。
多くの足跡が紡がれた部屋。
縁の深い妖怪の数々。

岩手花巻の宮沢健二童話村にも行った。
ミヤケンが愛したイーハトーブの香り。
スクリーンで上映されるオツベルと象は、小学生の頃何度も読んだ本で、それがまた美しさと味わいを感じた。

彼らの俳句や随筆、小説は、作品自体の美しさもさることながら、そこには東北地方への愛が感じられる。

東北地方は大震災から13年。
いまもあの時から、ずっと立ち直り続けている。

三陸鉄道復興の歴史は、それの象徴とも言える。

ファンタジーを超えていく歴史。
傷を癒す現実。


あとシンプルに東北はご飯美味しいよね。

旅行なんて深く考えなくていい。それで十分。



中迫さんが『あそこのジェラート屋はどれも死ぬほど美味しいですけど、米ジェラートだけはやめたほうが良いです』と言っていて、しかし米ジェラートってのはなんとも食べてみたいと思い、米ジェラートを頼んだ。



米がジェラートの中に入っていた。


甘く柔らかい食感の中に米。

思わず悶絶した。何余計なことしてんねん。


そういえば前日に宿で食べた杏仁豆腐にも米が入っていた。

それを口にしたときも私は悶絶し、何余計なことしてんねんとなった。


山形県民はなぜデザートに米を突っ込みたがるのか。
もはや狂気滲みている。


ちなみに元祖鶏中華そばは死ぬほど美味しかった。


あまりの美味しさに山形でしか売っていないという元祖鶏中華そばのカップ麺を5個も買って家に帰ったが、先週東京のスーパーマーケットで同じ元祖鶏中華そばが売られていた。


あれはさすがに、がっかりしてしまった。