家の近くの道路が狭いのだが一方通行ということもあって、通過する車はわりと猛スピードで駆け抜けていく。

子供達も通る横断歩道もあるのだが、徐行をする車は少ない。


今日その道を通るとあろうことか歩道部分に工事用車両が2台止まっている。

通ろうにもこの駐車車両が道を塞いでいるため、これを避けて車通りの多い車道へ一時的にはみ出さないといけない。


私の前に小学生が二人、なかなか車道に出るタイミングがとれず立ち往生をしてしまっていた。


この工事用車両は朝からずっと停まっている。


「子供達が通れなくなってますよ」

そう私は工事作業員に伝えた。

すぐに監督らしき中年が現れ、「ご迷惑お掛けします」と言ってきた。


「こういう作業は道路使用許可取って警備立てるべきでは?」

「いやいや、こんなことでいちいち許可も警備もたてませんよ」


監督はまるでバカにしているように半笑いで私に言った。


バカを言ってるんじゃない。

立てないのは単純に発注元がその許可申請代と警備代を渋ったに過ぎない。


作業看板を見るとやはり聞いたことも見たこともない施工会社だった。

こういう小さな会社は新規開拓のために、あまり詳しくない発注者に対して本来必要となる作業項目を削り、他社に対し価格アドバンテージを得ようとする部分がある。


今回彼らがやっていることはまさにそれだった。

だが無関係の私がここでゴネたところで何にもならない。



「おじさんが渡るからキミたちもついてきてね」

クソみたいな工事車両をなんとかすることは早々に諦め、渡れない子供達に私はそう伝えた。


そして目立つように手を挙げて車道に飛び出し、工事車両を避けることができた。


だが後ろを振り返ってみると、小学生2人は私についてきていなかった。


"知らない人に話しかけられても言う事を聞くな"


今回の私はまさにそれに当てはまっているのだ、とすぐに理解した。


全く、なんて不便な世の中になってしまったのだろうか。


まともに生きれば生きるほど損をする。


そう思えてしまうような社会にしてはいけない、と政治家達には言いたい。


明日もこの工事車両があると思うと憂鬱だ。


ため息をひとつつき、私は天を仰いだのだった。