『私がダメ女なのはわかってる』
顔を赤らめながら、シロ45歳は言う。
『彼氏がね、またマッチングアプリで募集をしてたの。あれだけ前に喧嘩したのに』
「写真が載ってたんですか?」
『ううん。今回は載せてない。でも間違いなく彼氏なの。文章の癖でわかるから』
文章には癖が出る。
長文だろうが短文だろうが。
それに気づかない人は単純に私はバカだと思っている。
「彼はなんて言ってたんですか?」
『また募集してるよね?ってきいたらその後何も返信がなくなったの。なんか問い詰めてもどうせシラをきるだろうし。そのまま私も返信してないんたけどね』
「それでそのままなんですか?」
『ほんとはね、今日彼氏と会う予定だったの。でも連絡ないから。会うのかどうかもわかんないし。だからキミを誘ったんだよね』
ふざけた話だ。
今日は私は遠出をして千葉の漁港で刺身を食べたかったのに、彼女の誘いがあったためそれをキャンセルしたわけだが、その実がこの到底45歳とは思えないような馬鹿げた恋愛相談であるなんて思いもしなかった。
「そんなわけないでしょ。その人も40でしょ?40過ぎの大人が電話もLINEもせずにひたすら来るかわかんない相手を待ち続けて有給潰すんですか?そんなわけないですよ」
『じゃあ何してたと思う?』
「チラッとのぞいていないなあってなったら帰って自分の子供と遊んでたんじゃないっすか?」
『そういうことする人ではないと思う』
シロは典型的な他人の話をきかないタイプだ。
どう思いますか?と尋ねはするが、それはこうじゃないですか?と答えると毎回毎回『それは違う』と否定をする。
はじめのうちは大して気にしてなかったが、それが毎回となるといい加減うんざりする部分があった。
「いいですか?僕の推測ですけどそいつは間違いなくクロで、その事実をバレないためにパワープレイで有耶無耶にしようとしてるだけです。現にまるで待合せ場所に現れなかったという一点だけで、全部この件はあなたが悪いことにしようとしている。非常に幼稚ですよ」
『でも私にも責任があるし』
「いったい何に…」
『いや待合せシカトしちゃったし。彼のこと蔑ろにしちゃったから』
これが不倫している女の思考なのだろうか。
変に歳とってから男と遊びはじめた分、やはり思考が幼い。
『キミにも責任感じてる』
「え、なんで?俺すか?」
『巻き込んじゃったし』
「いや巻き込まれてないですよ。大丈夫です」
『彼にね、キミのこと話しちゃったの。だから一回話したいって』
「…嫌です」
なんなんこいつ…余計なことすんなよ。
「僕は彼とは会う気はありません。お二人の不倫バラしますよ?と伝えてください」
『そんなことキミはしないでしょ?』
そう言うとシロは私に軽くキスをした。
『外出て2人でもう一回しよう』
彼女がそう言うので我々は外に出た。
そしてまたゆっくりとキスをした。
『キスうまくなった?』と彼女はきいた。
「いや前からですが」と答えると、『彼と会えないからむらむらしてる』ともたれかかってきた。
『来週も会おう』
そう言われて私はうんざりした。
貴重な休みを彼女に費やしすぎている、となんともいえない気持ちになる。
『ピンク映画こないだ行ったんでしょ?次は一緒に行こ』
「え?カップルで行くとオジイが群がりますよ」
『私、おもちゃ持ってくね。楽しもうね』
ええ…そんな変態プレイ…それは魅力的。
結局押し切られ、私は来週も彼女と会うことになった。
いま冷静になって思うことは
ピンク映画は罠で、彼氏がくるんじゃないか、ということだけである。
こわ。
顔を赤らめながら、シロ45歳は言う。
『彼氏がね、またマッチングアプリで募集をしてたの。あれだけ前に喧嘩したのに』
「写真が載ってたんですか?」
『ううん。今回は載せてない。でも間違いなく彼氏なの。文章の癖でわかるから』
文章には癖が出る。
長文だろうが短文だろうが。
それに気づかない人は単純に私はバカだと思っている。
「彼はなんて言ってたんですか?」
『また募集してるよね?ってきいたらその後何も返信がなくなったの。なんか問い詰めてもどうせシラをきるだろうし。そのまま私も返信してないんたけどね』
「それでそのままなんですか?」
『ほんとはね、今日彼氏と会う予定だったの。でも連絡ないから。会うのかどうかもわかんないし。だからキミを誘ったんだよね』
ふざけた話だ。
今日は私は遠出をして千葉の漁港で刺身を食べたかったのに、彼女の誘いがあったためそれをキャンセルしたわけだが、その実がこの到底45歳とは思えないような馬鹿げた恋愛相談であるなんて思いもしなかった。
「そんなわけないでしょ。その人も40でしょ?40過ぎの大人が電話もLINEもせずにひたすら来るかわかんない相手を待ち続けて有給潰すんですか?そんなわけないですよ」
『じゃあ何してたと思う?』
「チラッとのぞいていないなあってなったら帰って自分の子供と遊んでたんじゃないっすか?」
『そういうことする人ではないと思う』
シロは典型的な他人の話をきかないタイプだ。
どう思いますか?と尋ねはするが、それはこうじゃないですか?と答えると毎回毎回『それは違う』と否定をする。
はじめのうちは大して気にしてなかったが、それが毎回となるといい加減うんざりする部分があった。
「いいですか?僕の推測ですけどそいつは間違いなくクロで、その事実をバレないためにパワープレイで有耶無耶にしようとしてるだけです。現にまるで待合せ場所に現れなかったという一点だけで、全部この件はあなたが悪いことにしようとしている。非常に幼稚ですよ」
『でも私にも責任があるし』
「いったい何に…」
『いや待合せシカトしちゃったし。彼のこと蔑ろにしちゃったから』
これが不倫している女の思考なのだろうか。
変に歳とってから男と遊びはじめた分、やはり思考が幼い。
『キミにも責任感じてる』
「え、なんで?俺すか?」
『巻き込んじゃったし』
「いや巻き込まれてないですよ。大丈夫です」
『彼にね、キミのこと話しちゃったの。だから一回話したいって』
「…嫌です」
なんなんこいつ…余計なことすんなよ。
「僕は彼とは会う気はありません。お二人の不倫バラしますよ?と伝えてください」
『そんなことキミはしないでしょ?』
そう言うとシロは私に軽くキスをした。
『外出て2人でもう一回しよう』
彼女がそう言うので我々は外に出た。
そしてまたゆっくりとキスをした。
『キスうまくなった?』と彼女はきいた。
「いや前からですが」と答えると、『彼と会えないからむらむらしてる』ともたれかかってきた。
『来週も会おう』
そう言われて私はうんざりした。
貴重な休みを彼女に費やしすぎている、となんともいえない気持ちになる。
『ピンク映画こないだ行ったんでしょ?次は一緒に行こ』
「え?カップルで行くとオジイが群がりますよ」
『私、おもちゃ持ってくね。楽しもうね』
ええ…そんな変態プレイ…それは魅力的。
結局押し切られ、私は来週も彼女と会うことになった。
いま冷静になって思うことは
ピンク映画は罠で、彼氏がくるんじゃないか、ということだけである。
こわ。