ビッグモーター不正事件は、いまやこの国で最も関心のあるニュースとなっている。

「天地天命に誓って、不正を知らないと言えますか?」と問われた兼重前社長は、「そうですね。天地天命に誓って知らないと言えます」と公の場で宣言したわけだが、その不正に至らざるを得ないような苛烈なノルマや条件を課していたことはもはや言い逃れはできないし、悪質な眼鏡とも言える。

社員に対し生殺与奪の権利を持っている、や、降格や減給は敗者復活だ等、社員だからと言って勘違いも甚だしい。

それが会社として一丸になる、という意味合いでも言って良い言葉ではない。社員の人権を蔑ろにする発信であり、ひいてはそれは社員の犠牲の上に会社があるという現代の日本社会で絶対に許してはいけないことであるからだ。


故に、徹底的にやってほしい。


ところでこの不正の一環として除草剤による公共樹木への損害が取り沙汰されている。


公開された情報から、定期的に店舗への社長はじめ重役たちのチェックがあり、枯葉一枚あるだけで評価がマイナスになってしまうため、除草剤を使用し枯葉のもととなる草木を摘んでしまおうという考えからのようだ。


そもそも清掃のプロでも清掃後に風で飛んでくる枯葉についてはどうすることもできないので仕方ないとしているのにもかかわらず、たった枯葉一枚で始末書や減給に至ってしまうのだから、そりゃ除草剤も撒くわなという感じである。


テレビでは多摩市の貝取にある店舗前の公道への除草剤被害を取り上げていた。


妙に既視感があり、少し調べてみたところ、私の大学時代の下宿のすぐ近くであった。

あの頃私は大学生にありがちな話でとにかくお金が無く、たびたび家のゲームや漫画や小説を売って金にしていた。


換金先のブックオフに大量の売却品を自転車の小さなカゴにのせ、フラフラしながら必死に漕いでいたわけだが、今回の多摩店はまさにそのブックオフの近くで、私は何度も目の前を通過していた。




あのとき木、枯れてたかなあ?

どうだったかなあ…



ニュースによると2003年頃から除草剤が撒かれていたそうだ。


ってことは思いっきり除草剤時期に被ってるな俺のブックオフ生活時期。



いやどうだったかなあ…枯れてたかなあ…

言われてみないとわからないなあ。



そう。
まさに言われてみないとわからないことだらけなのであるこのビッグモーターは。

そして実際言った人が何人もいるというのに何年もそれを無かったことかのように扱い続けた会社側の罪は重い。


噂ではダスキンの武蔵野がコンサルだか指導だかをしていて、ビッグモーターはそれに影響を受けたらしい。



私は武蔵野の会社説明会を受けたことがあるが、社員旅行は全員参加必須、BBQは家族恋人同伴必須、始末書はだせばだすほど出世できる、その反面降格も多々ある、といった説明を社長自らがしていた。

ビッグモーターに非常に似ている部分が多いため、噂は本当であろう。



武蔵野は知床遊覧船事件の会社のコンサルもやっていた。



絶対埃だらけの会社じゃないか。
一次試験寝坊してよかった。


間違えてはいけないのは、決してワンマン経営が駄目だというわけではない。

たまたまワンマンのビッグモーター社長が、ダメなだけなのだ。