祖母の介護があるから今年の町内会のクリーン作戦に代わりに出てくれないか。

そういう父の頼みを了承し、町内会行事に朝から参加してきた。


朝6時集合…。


5時に起き支度をしている時、なんでこんな目にあわないといけないんだ日曜日だぞ、と思わず自分を呪ってしまった。


集合場所に到着するとすでに何人かが集まっており、父親の代理を名乗ると、「これから町内の親子連れや小中学生が集まってくるので全員で町内のゴミ拾いをします。そのあと全員で駅近くの公園までパトロールをし、区長の話をきいて解散です」と説明を受ける。


すぐにゴミ袋にたくさんのゴミをいれた初老の男性2人組が現れ、「あらかた町内のゴミは全部とったから」と言った。


いやゴミ拾いの意味…。


結局予定通り多くの参加者が集まったが、フライングしたゴミ拾いガチ勢のおかげで町内に落ちているゴミはまったくなかった。


公園までのパトロールも交通状況に気をつけろと指示はうけたが、日曜日の朝から動き出す車なんかほとんどなく、ただただ町内の皆さんとの散歩とかしていた。


公園につくと別の町内会と合流し、全員でラジオ体操を行い、多忙の区長に代わり区議会議員が長々と挨拶を行い、ようやく会は終了した。



区議会議員も大変だ。



常々高級取りになりたく、安定した職につきたく、ガーターベルトを装着しワイシャツのボタンを二つあけた秘書を雇った政治家になりたいと思っていたが、日曜日の朝からスーツを着て、炎天下でわけのわからない長話をしないといけないのなら話は別だ。


だが帰りに配られたキンキンに冷えたバヤリースオレンジは最高だった。それだけは本当に最高だ。


結局9時前には家に帰り、少し家事をやったあとに昼前には眠ってしまい、起きるともう19時過ぎだった。



貴重な日曜日がこうして終わった。



誰かにとっても町にとってもこのイベントは絶対に必要なものなのだろう。

けれども私の長い人生の中の1日としては、他に類を見ないほど、無駄な一日になったのだった。