訳あって文学フリマに行ってきた。

文学フリマというイベント自体が馴染みがなく、知ったのは本当にここ2週間前後のことだ。

コミケやデザインフェスタの文学版、とでも言うべきだろうか。


だがやはりコミケのような華やかさもなければ、デザフェスのような巨大さも恐らくない。

文学の力はこの日本においてどんどん衰えていく。





しかしそれは杞憂だった。

大盛況。

16時過ぎの場内アナウンスで「来場者数は1万人を超えました」の声に、会場中からドヨメキが起こり、自然と大きな拍手となっていった。

そこには自分の信じる文学を発表する喜びに満ちた多くの文学人がいた。


辻仁成のオンライン講義を受けている私は、しばしば辻仁成の自室に掛けられる「文学」という掛け軸を目にする。

あれほど力強く、また象徴的な文学は後にも先にもないと思っていたが、この文学フリマもそれはそれは強力である。


せっかくだからこの際山ほど作品を買って帰ろう。

そう意気込んだ私が最終的に買った品数は…


…まさかの0点。

一冊も買えず…


いや、興味深い本はたくさんあった。

買いたい本もあった。


だけれどもどうしても…どうしても書いた本人を目の前にしながら売っている本をジロジロ見ることに抵抗が…どうしても拭えなかった。


向いてないな…こういうイベント。



っていうか文学、多分私は向いていません。