ちょっとこれってどうなんだろう、とモヤモヤすることが起きた。皆さんはどう思われるだろうか。

昨日女性とデートをした。

42歳の女性で綺麗で一回目のデートでキスと服の上からさわりあいっこみたいなのはしていた。

そのためこの日会うことを私は凄く期待していた。

事前に居酒屋に行くことを決めていたが、その日の午前中に相手よりできれば個室の居酒屋が良いと要望に入った。

生憎そこから個室の居酒屋を予約する余裕は無かったため、合流してから適当に個室のお店を二人で探すことにした。

すると一人の客引きが声をかけてきた。

私たちの会話を聞いていたのだろうか。
うちは個室の居酒屋ですので是非!と誘ってくる。

まあ個室ならいいか、と応じ移動したのだが、その客引きのスキップしながら道を行く感じや、曲がりなりにも客を連れているのに別の店の客引きと談笑を始めようとするあたりが、なんとも私を不安にさせた。


店へ向かう建物のEVの中、低層階に麻雀店が入っているのをカゴ内の案内板で知った私はボソっと「あー麻雀あるなー」と呟いた。

すると女性が『ちょっとー!麻雀で脱がしてエロいこと考えてるんでしょ!?』と絡んでくる。

それを聞くやいなや客引きが即、「え!?マジっすか?俺も入れてくださいよ!誘ってください!いいですよね?」と会話に入ってくる。


賢明な皆様ならお分かりかもしれないが、客の会話に割り込んでガンガン入ってくる客引きが案内する店は、ほぼ100%ロクでもない。

これが後に伏線となる。



店に入ると、メニューはQRコードで読み取り、自分の携帯で注文するパターンだった。


客引きが席まで案内した上で、絶対飲み放題のほうが得です!と言う。

読み取ったメニューで飲み物をみると、1杯500円とそこそこしたので、じゃあ飲み放題2つお願いしますと伝えた。


その後は個室なので色々飲んだり食べたりエロいことしたり。
だいぶ極限にエロいことをしたので正直私はもうビンビンのムラムラ状態。

宴も竹縄。続きは場所変えましょう。じゃあ会計を…と会計表示ボタン押すと、なんと金額を見ると合計3000円だった。

安っ…。めちゃくちゃ安い。

ビール計6杯と食べ物を4品頼んだのに3000円は安すぎる。

そう思いながらレジに行き支払いをしようとした。

すると店員さんが言うのだ。

「お会計15000円になります」と。

「いや違いますよ、3000円ですよ」

「お客様、飲み放題入りましたよね?飲み放題は1人6000円いただいてます」

はあ?1人6000円の飲み放題??高級焼肉屋かよ!

飲み放題6000円はどう考えてもやりすぎだ。
しかも飲み放題メニューもビールとサワー数種しか選べない。


私は本当に腹が立ち、思わず食ってかかってしまった。

「いやいやいや、なんですか6000円って。ありえない」

「飲み放題したのそちらですよね?」

「説明されてないんで」

「それいま言われても困りますね」

「いやこっちのセリフなんですけど」


完全に喧嘩になりそうな空気。


けれどもデート相手のエロ女が『まあまあ、やめようやめよう』と宥めてくる。


実際喧嘩するのはとんでもなく格好悪いし、怖い。
それにまあちゃんと事前に飲み放題の金額きいてなかったこっちも悪いかと自分に言い聞かせ、私は我慢しお金を払って店を出た。


建物の外に出るとそのエロ女が言うのだ。

『まあまあ。忘れようよこんなこと。楽しかったし。なんかいいネタができたと思うようにしようよ。忘れよ忘れよ』


いやお前が言うな。


小さいしケチくさい話だが、全額払っているのは私で、彼女は一銭も取られていない。

それなのに『そんなこと忘れよう。いいネタになった』ってお前が言うことじゃねえだろうが。

私はとんでもなくムカついてしまった。


彼女は『この後どうする』と尋ねてきたが、私は本当にマジでムカついていた。

「いや帰ります」

こうして早々に解散することとなった。


ただ帰り道、腹立ちながらも、あーこれちょっと時間経ったらやっぱりSEXしとけばよかったなあってなるのかなあと翌日のことを考え少しだけ後悔した。



そして1日経って現在。


やはり死ぬほどムカつく。

エロどころか怒りが全くおさまらない。


これはやはり私が人間として小さいだけなのだろうか。


昨今、いや今日、度々男性はデートで女性に全額奢るべきか否か、を議論する場面を目にする。
双方が互いに礼儀や敬意を欠いていると主張し、結局のところはどちらのほうが偉いのか、という部分が終着点となり、それは平行線を辿ることになっているように思える。
私は全額奢る。尊敬する諸先輩方からそういう教えを受けてきたし、たかだか一回あたりの食事を相手の分まで払ってあげれないということに多少なりともみっともなさを感じてしまう。

何よりも、全額奢っておいたほうが色々得することが多いのだ。
けれども今回の件はどうにも違う。ありとあらゆる人間がそれこそ敬意を欠き、私自身の血をあまりにも軽んじていて、私だけが被害者だとすら思える。

しかし同時に、やはりたかだか15000円で店員と喧嘩しそうになり、デート相手に俺の金だぞ!と憤るのは当然
とは思いつつもみっともなく、そして自分は小さく哀れな人間なのではないか、と悲嘆してしまう。

こんなにも些細なことなのに。

テレビをつければ市川猿之助の無理心中未遂の話題でもちきりだ。

歌舞伎に造詣の無い私にとっては、市川猿之助は決してテレビスターではなかったが、好きなドラマや映画に必ず主要登場人物として出演している以上、やはり思い入れのある人物であり、このニュースはとても悲しいものがある。聞きたくないニュースだ。

私はこうして色んなことを考えながら、車についた小さな擦り傷を気にしてオロオロ生きていくのだろうかこれからずっと。
自分で自分を責めたりしながらめくるめくニュースから逃げ切れられずに心を揺らすのだろうか。

だがこの沸々とする腹立たしさこそが、リアルであり私自身なのだろう。

もうあんなこと言う女とは二度と飲まない。みっともないと思われてもいい。

何を失くしても、傷ついても、自分であれ。