各SNS上を衝撃的なニュースが駆け抜けた。

ウナちゃんマンこと、佐野智則氏死去。

私自身もこのニュースを知って、それが嘘であってほしいとも思えば、ああ・・・亡くなってもおかしくなかったもんなという諦めも交じり、なんとも複雑な感情を抱くこととなった。

”ニコ生のレジェンド”

ウナちゃんマンが自称し続けたこの肩書は、この配信全盛期と同時にニコニコ生放送が完全に衰退しきった今日現在において、まぎれもなく本物となっている。

雑談系配信の最初期の大物の一人であり、また所謂迷惑系の先駆者的なものもあったと思う。


私がウナちゃんマンを知ったのは大学生の時だ。

当時まったく興味のないプログラミング言語のレポート課題に追われていた私は、自分の下宿先にネット回線を敷いておらず、ファミレス等を利用することもお金が勿体なくて避けていたため、深夜に大学にネット回線を求めて入り浸っていた。

深夜の大学には毎日ネットゲームをやっているすごい気持ち悪いオタクがいて(日中の抗議中も彼はオンラインゲームをやっていた)、何やらリンク先の誰かと大声で会話しゲラゲラと下品に笑うのでレポートに集中することができなかった。

そのためyoutubeやニコニコを観て息抜きをしていたわけだが、ある日みた動画でPCの前で缶ビールを飲み煙草を燻らせひとりで大声で画面に向かいグチグチと説教を垂れるカツラのオッサンが映し出された。

それがウナちゃんマンだった。

まだあの頃はYoutuberというものはほとんど存在せず、ニコニコがそういう配信者の大手サイトであったわけだが、彼らのイメージはいまのクリエイターのように華やかで煌びやかなものではなく、生配信をする人たちは揃って社会で相手にされないような弱者が一人でイキっている、というものであった。

そしてウナちゃんマンはまさにその最たる例で、いわばこうなったら終わりだ、が開き直っているものであった。

次に観た動画では20代前半と思われる若いセクシーな女性とネット越しに口喧嘩をしているシーンが切り抜かれていた。

オフ会で知り合い、どうやら一夜の関係を持つに至ったようだが、お互いに「性器にティッシュがついていた」『〇ンカスが凄く、歯もなかった』と激しくバカにしあう光景は悍ましい以外の何物でもなく、それを若い女性相手に本気でカツラのオッサンが怒っている光景は非常に気分の悪くなるものであった。


その後も私の知る限りで、笑い飯の哲夫の写真を無許可であげて吉本興業に怒られて逆ギレしたり、画面上で包丁をみせびらかして犯罪予告をして逮捕されたり、果ては他のやばい配信者に自宅をバールで襲撃されたりとひどいものが多かった。

だが並行して、すぐに不貞腐れてしまったり、褒められて調子に乗ったり、椅子から転げ落ちたり脇の臭いをかいだ愛犬が失神したり、

時折みせる子供のような振る舞いは、歳をとればとるほど、憎めず愛らしいものとなり、いわば象徴であると同時にリスナーのマスコットともなっていったよう感じる。

けれども、歳をとればとるほど、というものは良い面だけではなく悪い面も多い。

それはやはり健康面で大きく影響してくる。


最後の放送で見せたその姿は、呂律はうまく回らず、外見もかつて大声で他人を罵倒していた姿からはかけ離れている。

寂しそうな姿にも、そうでないようにも映るものだった。



感傷には浸る。

だが所詮は配信者とリスナー。他人同士。これで深く傷つくことは多くの人はないだろう。


でも寂しいよね。なぜか。


すごく、

すごく自分が老いていくのを感じる。


20年前を走っていた青年たちのためにも

もっと長く生きてほしかったと思う。