会社の昼休みでかましたフリートークが大ウケし、大爆笑をおこした。

その日は雨のため多くの男性社員がデスクで昼食をとっていて、また女性達はたまたまその場所にはいなかった。

その環境からか、お題はダイエットについてだったが、ここで中年太り逞しい私のめちゃくちゃ意識高い健康雑談の末結局痩せてないというフィッシングトークが掴みとして最高の空気を形成した。


自称面白オジサンである50歳独身が、自身もこのお笑い大渦に身を投じようと慌てて参戦し、社内で一番スリムな男性を「キミは酒もタバコもやらないから痩せてるよね。女だけだねひどいのは」と、時代錯誤なイジリをかました。


その男性は愛妻家でありむしろまったく女癖の悪さとは皆無であったこともあり、あまりにも不容易で非常識なイジリ芸で一瞬場の空気が凍りかけた。

しかしこれを私が「酒もやらないしタバコもギャンブルもしないしワクチンもうちませんもんね」とその上をいく一か八かの危険なイジりでカバー。

実際その男性は思想的なことでなく単に激務でコロナワクチン接種回数0となんともイジり難い現実があったためどうなることかと思われたがこれが本人も含めて大ウケ。

その後は何を言ってもドカンドカンと笑いが起きる確変状態へと突入したのだった。


この日の私のトーク無双っぷりはいつの間にか社内で伝染し、1週間限定にはなってしまったが私は異常面白男として専用部内を闊歩することとなった。


『有馬さんって声が良いから絶対ラジオMCとかむいていると思う』

『いや、ゲーム実況とかのYouTubeやったほうが良い』


異常面白男効果なのか、翌日には事務の女性陣からランチに誘われ(もちろんそこでも爆笑をとった照)、自分的入社以来最高のピークを迎えることとなったが、彼女達はひとしきり笑った後、私に個人ラジオかゲーム実況をやるようにすすめてきた。


「井元さんはラジオか実況やったら喜んでくれますかね?」

『井元さんはどうだろうねー。聴かないんじゃない?』

「ならやっぱやったところでスベるだけじゃないですか」

『いや絶対うまくいくよ。絶対やったほうが良い。多分聴いたらみんなハマるよ』


坂本さんは強くそう言った。



坂本さん、いいですか。



俺、ラジオもゲーム実況も両方やったことあります。



そして両方めちゃくちゃスベってます。

才能無さ過ぎて続いてません。


ラジオは完璧に台本まで用意してもらいながらスベり、ゲーム実況についてはゲームが好きだからどうにかなると思っていたがやっている途中でいったい自分は何をしているんだ…となり心が折れてしまった。



ほんのちょっとの面白さと声の良さだけではどうにもならない。



声優も同じだ。


漫才師も同じだ。


しっかしむっちゃくちゃウケたな。



中学生の頃、女の子に「声はカッコ良いよね」と言われて勘違いしてストーカーしてしまった黒歴史を書こうとしたが、大爆笑があまりにも気持ち良かったのでいまは余韻に浸りたいと思う。





ちなみにラジオMCとしてブレイクするという宝くじ的確率の夢は


なんだかんだまだ捨て切ってはいない。